年齢差があるからいい子扱いしても不満がなさそうどころか嬉しそうにするし、素直に頭を撫でられるし、やっぱりそれも嬉しそうだから、撫でくりまわしていい子だ偉いぞと可愛がってしまうが、そういや年上の男に褒められるのが嬉しいみたいな性癖持ちだったっけ。
いやそれは否定してたかもしれない。確か、初恋の人なんだって実感する、だっただろうか。
まぁどんな理由だろうと、嫌がられてなくて嬉しそうにされるんだから、今後も気にせず好きに褒めまくって可愛がっても問題ないよな、と思う。エッロ、と口に出して煽れないのは少々残念ではあるが。
「えっちですごく可愛い」
いやでも褒めと同時なら大丈夫では? と思った瞬間には声に出ていた。
こちらに向けられたお尻がビクッと揺れたけれど、それで恥ずかしがって抱える脚が降ろされてしまうことも、開かれた脚が閉じてしまうこともない。ただ、早く、と急かす短な言葉には羞恥が色濃く乗っていた。
「ん、わかってる。触るよ」
さんざん焦らしまくった後なので、これ以上は可哀想だとローションに濡れた指先を押し当てる。軽く力を込めるだけで、1本目の指はあっさりと飲み込まれていった。
「痛くないか?」
痛くはないだろう。とは思ったが、とりあえずでそう声を掛けてみる。
呻かれることすらなかったのが、逆になんだか不安を煽った。予想では、気持ちよさげな声が漏れるだろうと思っていたのだから尚更だ。
「っ……だ、だいじょぶ、……です」
「本当に?」
やはりなんだか少し様子がおかしい。そう思いながら、ゆるゆると埋めた指を前後させてみた。
「ひぅっっ、……うっ……」
またしても気持ち良さげな音は漏れず、それどころか、ぎゅっと目を閉じてこちらの視線を避けるみたいに横向けた顔は、どう見たって何かを耐えている。でも指を食む穴はキュウキュウと蠢きもっとと言わんばかりに締め付けてくるし、確認したペニスも萎えることなく充分張っているように見える。
「どうした? 気持ちよくないか?」
「い、いえ……き、きもちぃ、です」
「じゃあもっと気持ちよさそな声、聞かせて?」
重ねて、お前が気持ちよくあえぐ声が聞きたいよとも言ってみた。
「む、むりっ」
「無理? なんで?」
前回はこちらの要望にしたがってそれなりに声を聞かせてくれたのだから、恥ずかしさやらが理由ではないはずだ。この反応の意味が全くつかめない。
「やっ、ぬかない、で」
お願い続けてと必死な声に懇願されてしまい、抜きかけた指を再度埋めれば、明らかに安堵の息を吐く。同時に弛緩した体に、逆に相手の緊張を突きつけられた。
「もしかして、すごく緊張してる?」
「ううっ……だ、ってぇ」
「えっちな格好、って言ったから、自分がどんな状態になってるか意識しちゃった?」
「そ、それは、でも」
「でも?」
「あなたが、楽しそう、だから」
「ああ、うん。お前が一生懸命お尻差し出してくれんの、めちゃくちゃ興奮するよ」
ってことは、それが原因でここにきて今更のように緊張しているわけではないらしい。
「恥ずかしいの意識させられて緊張したわけじゃないなら、他に思い当たることがないな」
わからないまま、緊張しまくってるお前相手に先に進むのは嫌だな。と言いながら、埋めた指をゆるっと引き抜いていけば、やっぱりどこか必死な声があがる。
「あ、あの、き、きんちょう、っていうか」
「うん。緊張っていうか?」
「こ、こうふん……?」
「ん? 興奮?」
「あ、いや、えっと」
しどろもどろになる相手をなだめつつ聞き出したのは、この後何をされるのか、その結果自分がどうなるのか、体が感じるより先に頭でわかっているせいで、どうしていいかわからない。みたいな話だった。
昼寝前は別として、ここに至るまでさして緊張した様子を見せなかったのは、前回と同じ手順で感じさせられてはいなかったせいらしい。
確かに、前回と同じ手順をたどったのなんて浣腸くらいではある。しかしあれはただの準備であって、そこに興奮やら快感やらは付随していない。少なくとも、現段階では。
どうやら、何をされるかわかっている二度目だからこその緊張、ってのもしっかりあったらしい。
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