前回と同じようにお腹の中を綺麗にした後は、よく頑張ったと褒めまくって、ご褒美に体を洗ってやると申し出る。前回は一人になりたければ自分で洗ってもいいと言ったが、今回はその選択肢は与えなかった。
なんせ早くおいでの言葉通りに追いかけてきた彼の準備を優先したから、自分自身がまだ体を洗っていない。それに、あまり食べていなかったせいなのは明白だが、最後の便通は昨日の午前中だと申告した相手は、前回は2回で済ませた浣腸を倍増しして前回以上に疲労をにじませる顔をしているし、前回は出てくるまでに時間が掛かって心配したのも思い出していた。
「あの、ご褒美は、その」
「体洗うの要らない? てかやっぱ一人になって一度落ち着きたいか?」
何かを言いたげに、というよりは体を洗うという提案を否定したそうな気配を纏わせながらソワソワとされて、どうしてもと言われたら譲るべきかを考えながら問えば、そうじゃなくて、と首を横に振られてしまう。
「じゃあなんだ?」
何か希望とか言いたいことあるなら遠慮せず言っていいぞと促せば、できれば逆がいいです、と返され首を傾げた。逆ってなんだ。
「その、ご褒美くれるなら、洗って貰うより洗わせて欲しいと言うか」
「ああ、逆ってそういう。てか逆か……」
通じてないことは伝わったようで、慌てて言い募られた追加情報に納得はしたが、即答でOKは出せなかった。いや別にそれが嫌だとか駄目だとかってわけじゃないんだけれど、じゃあご褒美はそれで、という気にはならなかったというか。
「ダメ、ですか」
「駄目じゃないけど、俺的にそれはご褒美あげてる感が薄い。つうかそれだと、俺がご褒美貰うってイメージになるというか、ご褒美にしかならないっていうか」
「え、えと、じゃあ、その、手伝ってくれたお礼、させてください、とか?」
どうですかと期待混じりに見つめられたら笑うしかない。お前本当に俺が好きな、とわざわざ言いはしないが、胸の内で噛み締めてしまうし、頬が緩んでしまうのもわかる。
「なら洗いっこだな。俺も頑張ってくれたお前にご褒美あげたいし、体洗ってやりたいし」
どっち先が良いかと聞けば、洗う方と即答された。
「お腹洗うの結構大変だったと思うけど、疲れてないの?」
「大丈夫です。というか、洗って貰うほうが疲れそうなので」
「え、なんで?」
「既に一回抱かれてて、お腹洗うのだって手伝われてて、あなたからすれば今更かもですけど、あなたの手が俺の体のあちこち這ったら、きっとドキドキして心臓保たない、です」
体洗われて感じちゃってもあまり笑わないでくださいね、なんて言うから、どうにも笑うのが堪えられない。
「もう、言ったそばからそんな笑わなくても」
「可愛いことばっか言ってくるお前が悪いよ。だって感じさせてやりたいし、体洗われながらアンアン喘いじゃうお前が見たいし、見れたら嬉しくて笑顔にだってなるだろ。あと、俺だってお前に体洗われたら当たり前に勃つと思うぞ」
だって好きで仕方がないって気持ちで触れてくるのだろうから。反応しないわけがない。
「てわけで、エッチな気持ちで俺の体撫で回しても別に怒んないから、思う存分、俺の体を洗うといい」
「もー、そういう事言われたら変に意識しちゃうじゃないですか」
「させてんの。あとほんと、俺の機嫌伺ってこわごわ洗われたりするより、お前がしたいように好き勝手洗ってくれたほうが絶対楽しいし」
てか面白そうだし。とは言わずに置いた。
「じゃあ、遠慮なく」
ほら、とアメニティで置かれていたボディスポンジを手渡してやれば、いそいそとボディソープを含ませている。それを見ているだけでも、やっぱり頬が緩んでいく。
しかし余程しまりのない顔を晒していたようで、泡立ったボディスポンジを手に正面に立った相手には不評だった。ちょっとニヤニヤし過ぎじゃないですか、という指摘を受けてしまった。
「だって楽しみすぎて」
俺にとってはご褒美にしかならないってのはこういうことだと言えば、一応納得はしたらしい。
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