一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた8

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「お前を強引に恋人にしたのも、恋人になったお前抱くほうが楽だし楽しいから、みたいな、まぁまぁクズい理由だった気もするけど、性欲って意味じゃ確かに昔ほどがっついちゃ居ないわな。でもその代わりに、セックスする前にお前の体調気遣ったり、お前の気持ちを確かめたりする時間が取れてる。若かったら、とりあえず一発やってスッキリしてから諸々話し合おうか、みたいになってたと思うし、酔った勢いでヤるセックスも悪くないよな、で押し切ってたとも思うよ」
 ついでに言うなら、スッキリしたあとの話し合いをおろそかにした結果、愛想を尽かされたなんてパターンも多分あった。性欲が優先されていた頃の失敗には色々と覚えがある。でも性欲が基準で動いてたのと、相手はそれなりに探せたせいで、それを反省することはなかったし、次の恋人相手に活かされることもなかった。
 今は性欲が落ち着いているのと、この子を逃したらまた恋人の居ない生活になるのがわかっているから、そうした過去の反省やらを活かすいい機会にも思えてしまう。結婚する気もなければ特別恋人を必要ともしていなかった中で、恋人としてそばに置こうと思ったのがこの子なのだから、この子が人生最後の恋人となる可能性だって高い。
 もう少し相手が酒にも抱かれるセックスにも慣れたら、酔った状態の相手を抱いてみてもいいかも知れない、とは思うけれど。でもそれだって、相手がそういう状態を楽しめそうなら経験させてやるのもいいかもって意味合いが強くて、酔いの勢いに任せて自身の欲の解消を狙うのとはやはりだいぶ違う。
「ただまぁ、お前の若さ考えたら、覚えたてのセックス期待すんのもわからなくはないな。後、俺ががっついて、お前抱きたくて仕方ないって姿見せたら、安心したり喜んだりするのかな、みたいなことは今ちょっと思ってる」
 お前俺のこと好きすぎだから、とは言わなかったけれど、何度か口にしているので言わなくてもそう思っていることは伝わってしまったかも知れない。
「俺のために何かを頑張って欲しくはないんですけど、でも」
「がっつかれたい?」
「ホッとしたり、嬉しかったりは、しちゃいそうです」
「いいね、正直で」
 じゃあヤルかと告げて抱えていた体を開放して身を起こす。
「さっきトイレ行ってたけど、歩いてみてどうだった? 酔いはもうだいぶ覚めてる? まだ体ふわふわしてるか?」
 大丈夫ですとの答えに、気持ち悪いとか頭痛いとかないかと重ねて聞いたが、そちらにも問題ないと返ってきたので、じゃあ準備をしに行こうかと誘った。
「えっ?」
 予想通りに驚かれたので、一緒にいるんだから手伝うに決まってると言い切ってしまう。突っ込むまでに手間かかる方が燃えるって話は前回もしたが、それに加えて、それだって前戯の一部みたいなもんだとも言ってやる。
「前戯……」
 前戯扱いに呆然とされてしまって苦笑する。
「やっぱ俺に手伝われる想定なかったか?」
「そりゃ、だって」
「何すればいいか、もうわかってるもんな。でも一人で準備してきて、とはならないんだよなぁ」
「なん、で」
「そりゃお前が恋人になったから。準備頑張ってくれるのわかってるんだから、褒めてやりたいし、ご褒美だってあげたいだろ」
 前回も上手にできたんだから今日だって大丈夫と言いながら、着ていた服を脱いでいく。たいして広くもないバスルームに服を持ち込む気はない。
「俺に脱がされたくて待ってる?」
 さっさと全裸になってしまっても相手は未だ動かずにいたので、そう聞いてみればブンブンと勢いよく首を横に振って、慌てたように服を脱ぎだす。
 いい子だと軽く頭を撫でてやった後、先に行ってるからお前も早くおいでと告げて、一足早くバスルームへ移動した。

続きました→

 
 
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