弟は何かを企んでいる5

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「てか、何?」
「や、なんでもない」
「まぁいいや。確かに俺のベッドで抱きたいは言ったし、抱くし、兄貴の匂いが染み付くくらい、きっぱい気持ちぃってイッて貰う予定だけど、でも抱き潰したりの予定はないな」
「えっ」
「やっぱ抱き潰して欲しい?」
 ククッと喉の奥で笑われたから、どうやら、飲み込んだ言葉は音にならなくても伝わっていたらしい。しかも、ちゅっと耳裏の弱いところに吸い付かれて体が跳ねた。
「ぁあっ、ちょっ」
「俺だけのせいじゃないと思うけど、一ヶ月半もお預けしちゃって、ゴメンな?」
 嬉しそうだけど、でも絶対笑いをこらえている。顔が見れたらきっとニヤニヤと脂下がっているんだろう。
「えー、マジ嬉しいな」
 同じだけお預け食らってるはずなのにと思うと、ちょっと納得がいかないんだけど。でも本気で嬉しいらしいのが伝わってくるから、イマイチ感情の持って行き方がわからない。
「何が?」
「兄貴が、初日っから抱き潰される覚悟で来たことが」
「でも、しないんだろ?」
 不満が大きく膨らまなかった結果、ちょっと拗ねたみたいな声が出てしまった。そしてそれは間違いなく相手にも伝わっていて、拗ねんなよとは言われなかったけれど、ふふっと笑われた後に宥めるみたいな柔らかなキスが後頭部に落ちる。
「しないけど、それはそれとして嬉しいなって思って。だってもし初日からガッツリ盛って抱き潰したら、なんのための連休だって、怒るんだろうなって思ってたもん」
「あー……」
「前半抱き潰されて後半で回復予定とか、それこそ、言ってくれなきゃ想定外過ぎてわかんないって。あと、抱き潰さないけど、その分日数掛けて、抱き潰すのと同じかそれ以上にイッてもらうつもりはあるから」
「えっ」
「せっかくの連休、初日から抱き潰したら勿体ないだろ。そもそも連日抱き潰せるような体してないから、1回抱き潰したらその後回復に数日かかるんじゃないの。だからやらない」
「う、まぁ、そうかも」
 初めて恋人として抱かれたときが一番激しかったけど、確かにあの後は大変だった。主に筋肉痛、奥の方に中出しされた腹の痛みで、翌日は夕方までまともに動けなかった。だから動けるようになるまでホテルにそのまま滞在するという無駄金を使い、その翌日も、だいぶマシになったものの結局仕事を休んでいる。さすがにその翌日は出社したけど、出来るならもう1日休みたかった。
「けど、そういうの考えられないくらい、いっぱいされたくなってる兄貴、めちゃくちゃ貴重だなって」
 俺に抱かれるのが良すぎてオナニーじゃ満足できなくなってるって思っていい? なんて、肯定を期待しまくった声で聞かないで欲しい。まぁ、多分それは事実なんだろうけど。
 だってオナニーなんて滅多にしない。恋人になって抱かれる頻度は下がったけど、長くても1月以上開かなかったし、だいたい2〜3週間に一度くらいの頻度で、しかも一度に数回は吐き出しているのだから、それで充分だった。
 てか指摘されて気づいたけど、お預け期間は双方同じと思っていたのは、もしかしたら大きな勘違いなのかもしれない。
「なあ、お前が最後に抜いたのって、いつ?」
「え、今朝だけど」
「今朝ぁ!?」
「いやだって、初日からガッツリ盛るわけに行かないって思ってたし。で、兄貴は?」
「え……2……や、3週間くらい、前?」
 さすがに1ヶ月半も全く抜かなかったわけじゃないけど、正直、お盆休みをもぎ取るための仕事が忙しくてそれどころじゃなかった。
「は? え、っと、アナニーしたのが?」
「抜いたのが。てかアナニーなんてやったことねぇよ」
「え、ちょ、そんな放置してちんぽ破裂しねぇ?」
 最低でも週1は抜くもんじゃないのと言った弟は、俺は週3は抜くと続ける。うん、もう、基本性能が全然違った。多分知ってたけど、言葉にしてお互いに確かめたことはなかった。

続きました→

 
 
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