イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった34

1話戻る→   目次へ→

 変な顔を訝しがられる前に、シャワーの湯を止めてその場に膝をつく。
「え、ここで?」
 驚きの声が降ってきたが、それを無視して相手のペニスを掴むとそこに向かって顔を寄せた。
 するのは初めてでも、して貰った回数は多い。相手はどんな風に舐めてくれたっけと過去に思いを馳せながら、まずは側面にそっと舌を這わせてみた。
「んっ、……」
 息を詰めるような音と、相手の視線がまとわりつくような気配。たぶん間違いなく、息を潜めながらジッと見つめられている。
 もちろん顔を上げて確かめたりはしない。相手の顔を見てしまったら、きっと気持ちが挫けて続けられなくなる気がする。
 強い視線は感じるものの随分とおとなしいのは、もしかしたら相手も緊張しているからかも知れない。もしくは、余計なことを言ったりしたりで、こちらの気が削がれるのを恐れている可能性。
 相手はこちらの性格もよくわかっているだろうから、たぶん後者かな。なんて思考をわざと散らしながら、根本からカリが張り出す部分までを、位置を変えて何度か舌で撫で上げる。
 濡れてはいるが、纏わりついているのは当然ただのお湯なので、特になんの味もない。ほのかに香るのは使っていたボディーソープのものだし、思っていたよりは抵抗感はなかった。それどころか、こちらの舌の動きに合わせてピクピクと小さく震えるペニスに、なんだか楽しさを覚えてすらいる。
 さすがに先端のくぼみに舌が触れると、なにやら苦しょっぱいような味を感じたけれど、でもまぁ吐き出したいほど酷い味ではない。一通り亀頭に舌を這わせた後、大丈夫そうだと口を開けて亀頭を口の中に含んでやった。
「んっ……ふ、……」
 やっぱり息を詰めた後、鼻にかかった吐息らしきものが漏れてくる。色っぽいなと感じるこの吐息を知っている。こんな息を漏らす時、相手がどんな顔をしているのかもだいたい想像がついてしまう。
 目を閉じて頭の中に相手の気持ち良さげに緩む顔を思い浮かべながら、口の中のものを舐め回して、時折軽く吸ってやる。
「ぁっ……んっ、」
 控えめに漏れてくる声がなんとも気持ちが良さそうで気分がいい。じわじわと滲み出してくる先走りは正直不味いが、相手が感じてる証拠だと思えばやっぱり気分が良くて、無理だと吐き出す気にはならなかった。
 大きいし長いし、絶対に相手にして貰うよりも自分がするほうが大変だよなと思いながらも、相手がしてくれたことを思い出しつつあれこれ試していく。深くまで飲み込もうとしてえずいてしまった時は、すぐに少し慌てた声が無理しないでと落ちてきたけど、それでも短くわかってると返して口を離すことはしなかった。
 たぶん、当初思っていたよりは全然上手く出来ている。ただ、終わり時がわからない。
 相手がしてくれる時はどうしてたっけ?
 相手の口の中でイッたのは酔って尻穴を弄られていた時くらいで、それ以外はこちらの興奮がそこそこ高まったら口でされるのは終わりだった気がする。その後はキスされながらペニス同士を重ねて扱かれてイク、というパターンだったはずだ。
 じゃあもういいのか。と思い至って、ようやく口を離した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった32

1話戻る→   目次へ→

「……っじゃあ、とりあえず一緒にシャワー浴びようか」
 しばし黙り込んでいたかと思えば、突然そんな提案をしてくるから驚いた。
「え、なんで!?」
「洗いたてのが舐めやすいかと思って」
「なるほど」
 初めてされた時は酔っていたし、あまり細かなやり取りは覚えてない上に、その後も抵抗なく口でしてくれていたけど、経験者がそう言うのならそうなんだろう。というか言われればそりゃそうだろと思ってしまうし、そういう気遣いをせずに相手に咥えせていた過去の自分が恥ずかしい。
「行こう」
 立ち上がった相手に促されてバスルームへ移動し、相手が下着を脱ぐ横で、既に裸の自分がシャワーの熱さを調節する。
「洗いっこしよっか」
 アメニティ置き場からボディスポンジを取り出した相手が、ニコニコしながらそれを手にバスタブへと入ってくる。
「良いけど、なんかすげー嬉しそうな」
「まぁね。憧れではあったよね」
「憧れ? って何が?」
「洗いっこするのが」
 大学時代、相手の家で風呂を借りたことはあるが、もちろん一緒に入ったりはしなかった。共通の友人たちに誘われ旅行へ行ったこともあるから、一緒に風呂という経験がないわけではないが、それだって当然、体を洗いあうようなことはしていない。
 ただ、相手の体を洗ったり洗って貰ったりが、憧れるほど楽しいかは微妙なところだ。そんなこちらの気持ちは、口に出さずとも相手に伝わったらしい。
「だって大学時代、俺も一緒に風呂使いたいとか洗いっこしようなんて言ったら、キモいって言われそうだったし」
「別にそんなこと言わないだろ」
 なんでそんなことをしたがるのか疑問には思っても、きっとそれだって、やっぱり変な男だとか、やっぱり男が好きなんだろうなと勝手に納得していたはずだ。
「そうなの? なら言えば良かったなぁ」
 抜いてもらう時以外は俺に触られたくないんだろうって思ってたと続いた言葉に、それはあるなと思う。キモイだなんて言いはしないが、歓迎だってしない。抜いてもらう時だって極力局部しか出さなかったのだから、体を洗いたいと言われたら嫌がりはしただろう。
「キモいって言わないだけで、していいと言うかは別」
「ちょ、……あー、もう、ほらぁ。やっぱダメなんじゃん」
「今はして良いって言ってんだから良いだろ」
「そーだけど」
 じゃあ洗うよと言いながら、泡立てられたスポンジが肌に触れる。人に体を洗われるのなんて子供の頃以来だけれど、適度な強さでゴシゴシ擦られると普通に気持ちがいい。
 一通りあちこち擦られた後、スポンジを置いた相手が触るよと言いながらペニスを手のひらで包み込んでくる。
 先程キスだけでかなり反応していたペニスは、少し萎んでいるがまだ緩やかな硬さを保っていた。それを石鹸の滑りを借りて手のひらで擦られるのはどうしたって気持ちがいい。
「んぅっ」
「エロい顔。気持ちぃ?」
「あ、ったり前っ」
「あーこのまま弄り回してイカせたい」
 そう言いながらも相手の手が離れていき、体についた泡をシャワーで落としていく。残念な気持ちが強いのはきっとあまりに久々だからなんだろう。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった31

1話戻る→   目次へ→

 キスをしながら互いの服を脱がせ合えば、嬉しそうに積極的だと笑われる。恋人相手に流されっぱなしの受け身じゃいられないだろと返せば、ますます嬉しそうだ。
「もう恋人って認めてくれんの?」
「だって、なぁ」
「んふふ、キスで期待しちゃった?」
 既に双方下着姿なので、ゆるく反応している股間にも当然気づかれている。
「ぁ、はぁ……」
 下着の上から軽く撫でられるだけで熱い息がこぼれて、相手の手の中で形を変えていくのがわかってしまう。
「これ、本当に彼女には反応しなかったの?」
「そーだよ」
 現状、嘘みたいに元気に勃起しているけれど。相手がこの男というだけで、こんなにあっさり反応されるとなんだか悔しい気もするが、でも想像通りという気もしている。
「責任取れよな、マジで」
「当然でしょ。俺にしか反応しないとか、可愛すぎるんだけど」
 体から落とそうとか思ってたわけじゃないけど、めげずに愛で続けたかいがあったよね。などと言いながら、ぺろりと下着をおろして、すっかり上を向いて存在を主張しているペニスの先端をヨシヨシと撫でられた。
 軽く触れる程度の接触がもどかしく、ぞわぞわと腰に甘い痺れが溜まっていく。一年半ぶりの既に知った快感に、期待せずにはいられない。
「舐めて欲しい?」
「そりゃあ……」
「ローション出せる?」
「ローション?」
「俺が、抱いていいんだよね?」
「あー……」
「あれ? さっき抱いていいって言ったよね?」
 こちらの微妙な反応で、抱かれる気がないのは伝わったらしい。
「いや言ってないだろ」
「えっ、嘘、言ったでしょ?」
「最悪、勃たなかったら尻弄られるのも有り、とは言った」
「ええー……なにそれぇ」
 詐欺じゃないのと言われたけれど、尻穴にこいつのアレを突っ込まれるのなんて、出来れば避けたいに決まってる。マジマジと見たのなんて卒業前の一度くらいだけど、端的に言えば立派すぎて怖い。
 勃起できてペニスで気持ちよくなれるなら、別に尻穴は使わなくったって良いんじゃないの。
「男同士の恋人が、必ずしもアナルセックスしてるわけじゃないらしいぞ」
「でもお尻、感じられるよね? 俺に抱かれて感じちゃっても、もう問題なくない?」
 人生変わっても俺が責任取るんだしと続けられると、確かにあの日、そう言って拒否したのを思い出す。こいつに抱かれたら気持ちよくなってしまうんだろうなと思ったこともだ。
「いやでも1年半以上弄ってないし、指しか突っ込まれたことないのに、お前のナニじゃサイズ違い過ぎっていうか、普通に怖いだろ。てか勃ったんだから尻穴弄るのはない方向で」
 代わりに俺もお前気持ちよくさせるから、と手のひらを突き出しながら口を開けて舌も出してやる。ゴクリと相手の喉が上下して、本気で? と問う声は興奮のせいか少し掠れている。
「頑張る気はある。マジに」
 まぁ抵抗感がないわけではないので、目の前にしたら怖気づく可能性は高いし、上手く出来るとも全く思えないが。でも前と変わらず一方的に気持ちよくして貰うだけ、というのを避けたいと思っているのは本当だ。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった30

1話戻る→   目次へ→

「なんでもなくないだろ。よくわからなかったからもっかい言って」
 躊躇うように視線をうろつかせるから、睨みつけて「言えよ」と繰り返せば、諦めたように口を開く。
「だから、一回だけでいいから、みたいなしつこい誘いを断りきれなかったことが何度かあって、でも、お前が側に居てくれた大学時代はちゃんと全部断れてたの」
「あー……ギラギラした女の子からは、確かに俺が守ってやったもんなぁ」
 反感を買うのをわかっていて、いい加減にしろと仲裁に入った記憶が何度かある。なんでこいつが愛想を振りまいた尻拭いをしてるんだとうんざりしながらも。
「それもあるけど、断りきれなくてやっちゃったら絶対嫌われると思ってたっていうか、きっともう触らせてくれなくなるって思ってて、必死でお断りして逃げてた」
「そうか? お前、最初っから童貞じゃなかったし手慣れてたし俺が好きでって感じでもなかったから、誰にでも気軽に手ぇ出してんのかと思ってた。こともある」
「ないよ!」
 酷いと言われたって、そう見えるような軽薄さで愛想を振りまいたのはこいつだ。
「ただまぁ、モテんのに彼女作る気はなさそうだったし、俺なんかに手ぇ出すのは女より男相手のが良いんだろうなとも思ってて、疑ってたのは他の男友達ともこういうことやってんのかもな、って方向だけど。肉食系女子に食われるお前とかは全く想像したことないわ」
 やたら押しの強い女子がいたのは事実だし、目の前でこいつがきっぱり断れずにオロオロしてたらつい助けもしたが、それは自分の目につくところで繰り広げられるのが嫌だったのが大きい。だから自分が関与しないところで、そういう女子と関係を持ったと後から知ったところで、それを理由に相手を拒絶はしなかったと思う。
 なんせ、きっとゲイよりのバイで女より男がいいんだろうと思ってたから。女相手じゃやっぱ満足できないんだな、程度に考えたはずだ。
「男相手もないってば!」
 お前とするようになってから卒業するまでお前一筋だった、というのを否定するつもりはない。否定できる材料を持っていない。
 そういう現場を目撃したこともないし、共通の男友達相手に確かめたこともないし、わかりやすく怪しい素振りやらをされた記憶もないのだから、勝手にそう疑ってた事があるってだけだ。
「あの頃お前が誰と関係してようと、俺を気持ちよくしてくれんのを拒否ったりはしなかったと思うけど、でもまぁ、恋人になるなら話は別だよな。本気で逃げればお断りできるってのはわかったし、もうよその女になんか食われるなよ」
「わかってる」
 神妙な顔を見せてはいるが、でも口元がにやけかけているのを隠せていない。どうやら、恋人って単語に浮かれているらしい。
「まぁ、本当にお前と恋人になるかはまだ決まってないけど」
「えっ!?」
 意地が悪いのは承知で口にすれば、思ったとおりに焦りだす。なんで、と言いたげな顔は焦りと不安と混乱とで、随分と情けなくなっている。
 ははっと笑いながら、イケメン台無しな顔を素直に楽しめている事に気づいて、なんだかますます楽しくなった。気持ちに余裕があると、こいつのこんな顔を知っている人間がどれほど居るかなんてことにも気づいて、ちょっとした優越感まで味わえてしまう。
「だってお前相手に勃つか、まだ確認できてないし」
「え、じゃあ、もし勃たなかったら、恋人になる話とか今までの全部白紙なわけ!?」
「ばぁか」
 触られたら勃つと思ってるし、責任取らせるつもりだし。
 最悪勃たなくても、こいつが相手なら尻穴で気持ちよくなれる可能性だってあるし、それすら既に提示済みだと言うのに。その場合だって当然、突っ込んだ責任を取らせるに決まってる。
 つまりは、好きって認めさせたんだから今更逃がすわけがない、ってことだ。
「酷っ! だってそこ、めちゃくちゃ重要なとこじゃん」
 興奮して声を大きくする相手に、吠えるなよと苦笑しながら腰を上げる。
「さっさと確かめて、さっさと恋人になろうぜ。って意味だろ」
 ベッドまでの短い距離を詰めながら、もう一度バカめと罵ってやった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった29

1話戻る→   目次へ→

「だから、お前が、そのお綺麗な顔面で!」
 再度、一区切りごとにけっこう強めに吐き出していく。けれど、相手の戸惑いに不安が混じってきたのを察して、そこで一度口を閉じた。何度か深めの呼吸を繰り返し、頭にのぼった血を下げる。勢いで相手を責めたって仕方がない。
「その、お前がアチコチで愛想振りまいて色々引っ掛けてくるから、俺とエロいことするのに、そこまで特別な意味ないだろって思ってたんだっつの」
「はぁ? 俺かなり特別扱いしてたはずなんだけど?」
「知ってる。けどそれも、愛想振りまいて寄ってきた奴等の相手するのが面倒で、俺を特別扱いすることで、余計なトラブル回避に使われてるのかなって思ってたんだよ。寄ってきたのと軽い気持ちで関係持ったりしたら絶対揉めるの、容易に想像できたし」
「えー……まって、まって、それは、かなり……誤解、です」
 違くて、だの、そうじゃなくて、だのウダウダ言いながらも、どうやら何かを考えている。どう言えばこちらの誤解が解けるか、告げる言葉なりを探しているんだろうか。
「その、女の子と出会いがないって嘆いてる奴等が多かったから、ちょっと出会いの場を提供してただけっていうか。円滑な友達付き合い? のために、わかってて利用されてたと言うか、自分の顔に利用価値があるってわかったから、使えるものは使ってただけ、みたいな。でも、女の子集めるのにこの顔を利用したの事実だし、その、俺狙いだった子に嫌な思いさせられたことあるのも知ってるし、トラブル回避のためにとは思ってなかったけど、お前ならどうにかしてくれそうというかギラギラした女の子たちから守ってくれそうっていうか、頼ってたのは、事実、かも」
 大きくため息を吐いてから、情けない声でゴメンと謝られてしまった。
 言われた言葉を脳内で繰り返しながら、頭の中は目まぐるしくあれこれ思い出している。愛想のない孤高のイケメンだった高校時代とか、一転して愛想を振りまき人を集めまくるこいつに度肝を抜かれた大学入学初期の頃とか、レポートが書けないと泣きつかれて聞いた彼の生育環境とか家庭の事情とか。そういや、母親が倒れてから大学に入学するまで、友人と遊んだ記憶がないと言っていなかっただろうか。
 4年も人の輪の中で愛想良く振る舞うこいつを見てきたから気づいてなかったけれど、言われてみれば大半はこいつの顔やら人当たりのよさやらに群がっていただけで、こいつが自分以外の誰かを頼ったり面倒を見られてたりする姿は見ていない気がする。いやでも四六時中一緒にいたわけじゃないし、バイトだってしてたし、自分が居ないところでは自分以外にも頼ることはあっただろう。だって、こいつの世話を焼きたい女なんていくらでもいそうだし。こいつに頼られたら張り切るだろう男だって絶対いる。
 ああ、でも、愛想がいい八方美人と思うことはあったが、要領がいいと思ったことはないかもしれない。その顔と頭の良さを使えば、もっと楽が出来るだろうに。とか、もっと上を目指せばいいのに。なんてことを思っていたのを思い出す。
「お前がいなかったら、断りきれなくて何回かは食われた、とは思う」
「え? なんだって?」
 思考に耽っていたからか、暫くしてポソリと追加された言葉を一瞬聞き逃した。でも相手は余計なことを言ったと思ったようで、なんでもないとごまかそうとする。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった28

1話戻る→   目次へ→

「なぁ、いつから俺を好きだった?」
「ただの友達じゃヤダって思ったのは、大学1年目の秋頃、かな」
「つまり、俺を好きだったから、俺に手ぇ出した?」
「そう」
「なんで、そういうの一度も言わなかったんだよ」
 大学時代からもっとわかりやすく好意を示してくれてたら、絆されて恋人になっていた可能性だってあったと思うのに。でもこいつは好きだと言わなかったし、自分も確かめることはしなかった。
「少なくとも、4年の終わり頃なんてだいぶお前に毒されてたつーか、最後に一回抱かせてとかじゃなく、あのタイミングで真剣に恋人になってとか頼まれてたら、絆されてオッケーしたかも知んないのに。なんでただの友達に戻ろうみたいな提案した?」
「それは、まぁ、考えなかったわけじゃないんだけど」
 でもさぁと続く声はどこか不満げだ。
「俺が真剣に頼み込んだらお付き合いはしてくれたかもだけど、それって俺を好きで俺を選んでくれるのとは違うじゃん。俺に抱かれるのは本気で嫌そうだったし、童貞気にしてたっぽいし、卒業したら今度こそ彼女作るって意気込んでたし、そういう未練残した形で付き合ってもうまく行かないで別れるか浮気されるだろうなって思ったし、だったら友だちとしてでいいからずっと続けていける関係のが良いなって。というかそもそも好きになった最初から、卒業までに好きになって貰えなかったら諦めるつもりだったってのもある」
 好きって言って口説いたりはしなかったけれど、好きになって貰う努力はこれでもそれなりにしてた。という言い分を否定する気はない。そんな努力、言われなきゃわかんねぇよと言いたい気持ちはあるけれど。
 でもわからないなりに、その努力によって絆されまくっていたのは確実だ。だってズルズルとキスもフェラして貰うのも当たり前になって、酔ったら尻穴弄られて喘いだし、抱かれはしなかったけど素股まではした。
「いやそこは諦めずに、つか好きになってとか言えばよかったろ」
「なら、言ってたら女の子と付き合う未来諦めてくれたわけ? 童貞捨てれないままお尻の処女喪失しても良かったの?」
 さすがにそれには頷けない。うっと言葉に詰まれば、ほら見ろと言わんばかりのため息を吐かれてしまった。
「どっちかというと、あの頃って、俺のことは絶対好きになりたくないんだな、という強い意志を感じてたんだけど?」
「いやだって、それは……」
 相手がチラとも恋愛的な意味をもたせた好きを言わないのに、自分ばっかり好きになるとかどんな地獄だと思ったって仕方がないと思う。
「今俺を好きみたいに言ってくれるのだって、リアルの女の子相手に勃たなかったという事実があるからで、妥協と諦めなわけだし?」
「んなの、お前がモテモテなイケメンなのが悪いんだろ!」
 ひどい言いがかりだ、という自覚はあったが、それが正直な気持ちでもあった。
「は? え?」
 強い語調で吐き捨ててしまったので、相手は驚いた後でどうやら戸惑っている。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁