CHAT NOVEL(@CHATNOVEL)さんで公開された「夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい」(リンク先は試し読みのWeb版で3章まで読めます)がアプリで読めなくなったので全文公開します。
1章 腐男子仲間
【土曜の昼時】
カフェチェーン店内で若い男が落ち着きなく手元の携帯を弄っている。
颯真:(あーやっぱ緊張する)
:(掲示板ではめっちゃ意気投合したけど)
:(実際にどんな人が来るのかわかんないもん)
:(気持ち落ち着けたいな)
:(もう一回、タクさんとのやり取り読み返そうかな)
慣れた手付きでいつも利用しているゲイ向けの相談掲示板を開いた。
颯真:あ……
:(新しいコメントが付いてる)
掲示板/通りすがり:随分と楽しげな所に水を差す様で悪いが
:タクと名乗っているその男は業者の可能性が高いので
:気をつけたほうが良い
颯真:え?
:(業者ってどういう意味?)
:(気をつけろって何を?)
掲示板/腐男子:今から会うことになってるんですけど
:気をつけた方がいいってどういう事ですか?
タク:えっと、君かな
:君が腐男子くん?
送信ボタンを押した所で声を掛けられ慌てて声の主を見る。
どうやら待ち合わせ相手が来たようだ。
颯真:あ、はい
:(どうしよ、本人来ちゃった)
タク:良かった
:想像してた感じとだいぶ違ってたから声かけるの迷ったよ
颯真:え、そうですか?
:(タクさんも想像とは違うなぁ)
タク:うん、思ってたよりずっとかっこよくて可愛かった
颯真:普通だと思いますけど
:というかどんなの想像してたんですか
タク:腐男子なんて名前で書き込みしてる子だからね
:メガネとかいわゆるオタクファッション的なのとか
颯真:まぁ友達とかには隠してますしね
タク:そっか
:で、俺はどう?想像通り?
颯真:んー……もうちょっと若いイメージでしたね
:あと思ってたよりイケメンでした
:(想像してたよりチャラそうだけど)
タク:お、嬉しいこと言ってくれるね
:これは期待しても良いのかなぁ
颯真:期待、ですか?
タク:だってBLに憧れてゲイ掲示板出入りしてるんだろ?
:BL読みすぎて抱かれてみたくなったのがきっかけ
:って書いてたじゃん
颯真:そ、ですけど
:でもタクさんとはそういうのじゃ……
タク:わかってるって
:俺のBL本目当てだもんな
颯真:そ、です
:さっきも友達には隠してるって言ったけど
:腐男子仲間とかホント嬉しくて
:今日も会うのすごく楽しみで
:でもこんな風に誰かと会うの初めてで
:(しかもさっき掲示板に変な事書かれてたし)
タク:うんうん、わかるよ
:まだ緊張してるかもだけど
:BLトーク始めたらそんな緊張あっという間にどっか行くだろ?
颯真:ですね、多分
タク:掲示板でめっちゃ盛り上がったもんな俺ら
:俺も今日すっごく楽しみにしてたよ
ニコッと人懐っこい笑顔を見せられ釣られて笑ってしまう。
タク:よし、じゃあ、そろそろ移動する?
颯真:あ、はい
タク:ところでさ
颯真:なんですか?
タク:さすがにずっと腐男子くんとは呼びにくいんだけど
:名前、教えて貰えない?
颯真:あ、颯真です
タク:かっこいい名前だな
:それってHN?本名?
颯真:本名、です
タク:そっかそっか
颯真:(なんか凄く嬉しそうなんだけど)
タク:じゃあ行こうか颯真くん
【タクのアパート】
ローテーブルの上やその周りに沢山の本が積まれている。
颯真:凄いっ!
:これ全部BL!?
タク:もちろん
颯真:どうしよ
:この量、絶対読みきれない
タク:泊まりでもいいって言った意味わかった?
颯真:はい
:一応親にも、泊まるかもとは言ってきました
:(さすがに本当に泊まる気はなかったんだけど)
:(でもこれを目の前にしたらなぁ)
タク:なら存分に読んでいきなよ
颯真:本当に?
タク:どうぞどうぞ
颯真:俺きっと読むの集中しちゃうけど
タク:何言ってんの
:そのために来たんだろ〜
:俺は全部一度読んでるし、適当に何か読み直して時間潰してるから
:颯真くんが読み終えたタイミングで感想とか言い合おうよ
颯真:それすげー楽しそう!
タク:だろ?
:一応机の上のが特にオススメのやつな
颯真:じゃあそっちから読みます
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