夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい5

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5章 忘れられなくて

【颯真の自室】
翔とのセックスを思い返しながらの自慰に耽っている。

颯真:ぁ、ぁ、はぁ、翔さん好きぃ
  :んっ、ん、気持ちぃ
  :もっと、あ、ダメっ
  :だめ、イッちゃう、も、イッちゃう
  :あ、ああ、んんっ……

ビュクビュクと白濁が溢れ手を汚した。

颯真:はぁあああ……
  :(虚しすぎる)
  :(でも最近は)
  :(翔さんとのエッチ考えないオナニーじゃ上手くイケないし)
  :(てかあんなの忘れられるわけない)
  :(テクないとか言って嘘ばっか)
  :(結局気持ちよくイカされちゃったし)
  :翔さんに会いたいよぉ
  :好きって言いたいしもっかい抱いてって言いたい
  :翔さんの恋人に、なりたい……
  :(でも一回だけ特別にって抱いて貰ったんだもん)
  :(好きになっちゃったって言われても困るだろうし)
  :(家知ってるからって押しかけたら絶対迷惑だし)

【翔の自宅玄関ドア前】
壁に寄り掛かりながら翔の帰宅を待っている。
靴音が聞こえてそちらを向けば、驚いて目を瞠る翔と視線があった。

:なんで颯真くんがここに?
 :って、聞かなくてもわかる気がするからやんなるなぁ

颯真:俺が来た理由、わかってるの?

:当たってないといいなとは思ってるよ
 :とりあえず上がって
 :想像通りならこんなとこで話せる内容じゃないだろうし

颯真:はい

移動したリビングで促されるまま椅子に腰掛ける。

:で、またエッチしたくなっちゃったから抱いてって話?

颯真:なんでわかるの!?

:俺が想定してた以上に
 :いい思いをさせてあげられたみたいだから?
 :あと、他にも色々と試したい事があるみたいだったからな
 :またしてって言われる可能性はあるかもって思ってた

颯真:してって言ったらしてくれる?

:あの日、俺はちゃんと
 :今回だけ特別だと念を押しただろう?

颯真:わかってるけど
  :でも翔さんのこと好きになっちゃったんだもん

:いやそれ、思い込みだから
 :BLの読み過ぎだから

颯真:そんなことは

:本当にないって言い切れる?
 :優しくされて気持ちいいセックスして貰って
 :あの日、帰る前に何言ったか覚えてるか?

颯真:俺、何か変なこと言った?

:俺のことを理想の攻めだとかなんとか言ってたろう

颯真:それは、言った、けど
  :(だって本当に理想の攻めだなぁって思ったし)
  :(初エッチの余韻で浮かれまくってたし)

:初めてでも気持ちよくなれたのは
 :俺のテクがどうこうより
 :颯真くんが自分で慣らしてたからだと思うし
 :本当の俺は理想の攻めなんかとは程遠いから
 :俺を好きになったなんて言ってないでさ

颯真:でも俺、翔さんのこと考えながらじゃないと
  :オナニーでイケなくなったんだけど

:ちょっ、ええ……

大きなため息と共に頭を抱えこんでいる。
やはり相当困らせてしまったようだ。

颯真:(こうなるのはわかってたろ)
  :(でもここまで来て今更引けないよ)
  :(迷惑承知で押しかけてるんだから)
  :俺、本当に翔さんのこと
  :好きになっちゃったんだって思ってるんだけど
  :また抱いて欲しいし、恋人にだってなりたい
  :どうしたら信じてくれる?

:どうしたら、って言われても……

颯真:俺は翔さんじゃなきゃ嫌だし
  :他の人で満足なんて出来ないって思ってるけど
  :でも翔さんだから気持ち良くなれたんじゃなくて
  :俺が自分で弄ってたせいだってなら
  :他の誰かで試してくればいい?

:は?

颯真:他の人に気持ち良くして貰った後
  :それでもまだ翔さんが好きだったら
  :俺の好き、信じてくれる?

:待て待て待て
 :はぁ、もう、なんでそうなるんだ

颯真:だって諦めたくないから
  :出来そうなことは何でもしようと思って

:だからって他の誰かを試そうとか
 :よくそんな事を思いつくな

颯真:そんなにオカシイかな?

:それもBLの影響か?

颯真:どうだろ、そうかも?

:全くもう……
 :そんなに言うなら抱いてあげるから
 :他の誰かを試そうとするのはやめてくれ

颯真:抱いてくれるだけ?

:恋人云々は保留で

颯真:俺の好きが信じられないから?
  :それとも、俺じゃ翔さんの恋人にふさわしくない?

:そうじゃない
 :すぐに夢から覚めるだろうと思ってるだけだ

颯真:夢から覚める?

:俺を理想の攻めだと思って夢見てるんだよ
 :色々試して抱かれるのに慣れたら
 :きっと満足して興味をなくすと思ってるよ
 :もしくは、理想なんかじゃなかったって気付く方が早いかもな

颯真:(恋人にはならないけどセックスだけはしてくれるって)
  :(つまりセフレにならなるよって言われてるの?)
  :(まさかこんな話になるなんて思わなかったよ)
  :(セフレでも抱いて貰えるだけマシなのかなぁ)

:考え込んでるが、もちろん断ってくれても構わない
 :ただ、保留が不満なら諦めて他を探して欲しい
 :今の俺に、君と恋人になる選択肢はないよ

颯真:わかった
  :保留でいいから、抱いて下さい
  :(セフレなんてやだけど)
  :(でも諦めるのはもっと嫌だ)

続きました→

 
 
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