「なぁ、いつから俺を好きだった?」
「ただの友達じゃヤダって思ったのは、大学1年目の秋頃、かな」
「つまり、俺を好きだったから、俺に手ぇ出した?」
「そう」
「なんで、そういうの一度も言わなかったんだよ」
大学時代からもっとわかりやすく好意を示してくれてたら、絆されて恋人になっていた可能性だってあったと思うのに。でもこいつは好きだと言わなかったし、自分も確かめることはしなかった。
「少なくとも、4年の終わり頃なんてだいぶお前に毒されてたつーか、最後に一回抱かせてとかじゃなく、あのタイミングで真剣に恋人になってとか頼まれてたら、絆されてオッケーしたかも知んないのに。なんでただの友達に戻ろうみたいな提案した?」
「それは、まぁ、考えなかったわけじゃないんだけど」
でもさぁと続く声はどこか不満げだ。
「俺が真剣に頼み込んだらお付き合いはしてくれたかもだけど、それって俺を好きで俺を選んでくれるのとは違うじゃん。俺に抱かれるのは本気で嫌そうだったし、童貞気にしてたっぽいし、卒業したら今度こそ彼女作るって意気込んでたし、そういう未練残した形で付き合ってもうまく行かないで別れるか浮気されるだろうなって思ったし、だったら友だちとしてでいいからずっと続けていける関係のが良いなって。というかそもそも好きになった最初から、卒業までに好きになって貰えなかったら諦めるつもりだったってのもある」
好きって言って口説いたりはしなかったけれど、好きになって貰う努力はこれでもそれなりにしてた。という言い分を否定する気はない。そんな努力、言われなきゃわかんねぇよと言いたい気持ちはあるけれど。
でもわからないなりに、その努力によって絆されまくっていたのは確実だ。だってズルズルとキスもフェラして貰うのも当たり前になって、酔ったら尻穴弄られて喘いだし、抱かれはしなかったけど素股まではした。
「いやそこは諦めずに、つか好きになってとか言えばよかったろ」
「なら、言ってたら女の子と付き合う未来諦めてくれたわけ? 童貞捨てれないままお尻の処女喪失しても良かったの?」
さすがにそれには頷けない。うっと言葉に詰まれば、ほら見ろと言わんばかりのため息を吐かれてしまった。
「どっちかというと、あの頃って、俺のことは絶対好きになりたくないんだな、という強い意志を感じてたんだけど?」
「いやだって、それは……」
相手がチラとも恋愛的な意味をもたせた好きを言わないのに、自分ばっかり好きになるとかどんな地獄だと思ったって仕方がないと思う。
「今俺を好きみたいに言ってくれるのだって、リアルの女の子相手に勃たなかったという事実があるからで、妥協と諦めなわけだし?」
「んなの、お前がモテモテなイケメンなのが悪いんだろ!」
ひどい言いがかりだ、という自覚はあったが、それが正直な気持ちでもあった。
「は? え?」
強い語調で吐き捨ててしまったので、相手は驚いた後でどうやら戸惑っている。
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