やはり次は相手のペニスと自分のとを合わせて握って扱くべきだろうか。だとしたらまずは立ち上がるか相手の腰を落とさせるかだが、手っ取り早いのはどう考えたって自分が立ち上がる方だ。
素早くそう結論づけて立ち上がった先で見たのは、熱に潤む瞳の中に、どこかギラついた気配を揺らしている相手だった。シャワーの湯は止めてあるので、頬が赤く上気しているのは間違いなく興奮だろう。
思わず見惚れるくらいに色っぽいとは思うが、壮絶な色気を振りまかれて怯んでしまうのは仕方がないと思う。だってこれは、もっと気持ちよくしてやりたいとか、その顔をとろかせてやりたいとか、そういう気持ちを萎えさせるオスの顔だ。
呆然と立ち付くしていると、それに気づいた相手が気持ちを鎮めるように大きく息を吐きだした。目の中のギラつく気配が消えて、うっとりと柔らかな色気だけを残すから、こちらも思わずホッと安堵の息を吐く。
「すごい、興奮した」
「見りゃわかる」
「そっちも、俺の咥えて興奮したの?」
すごい勃ってる、という指摘にどう返していいか迷って口を何度か開閉させてしまった。
しっかり勃っている自覚はちゃんとあるが、相手のを咥えて興奮したと言えるかは微妙だ。というかそれを認めたくはない。どちらかというと、相手にしてもらった時の色々を思い出しながらしていたせいで興奮しているのだと思うが、でもそれを教える気にもなれない。
「ね、触ってもいい? というか、イッてもいい?」
言葉に詰まっているこちらに焦れたのかもしれない。どういう意味だと聞く前に、伸びてきた手に腰を引かれて抱きしめられる。それと同時にもう片手が二人の腹の間に突っ込まれて、慣れた仕草で勃起した二本のペニスを纏めて握られた。
「ぁっ」
「はぁ……ごめん、先に、謝っとく」
うっとりと吐き出される息と、それに似合わない不穏な内容に、何をする気だとまたしても怯んでしまう。
「な、なにを?」
「ゆっくりできない、から」
言うなり、握られたペニスが勢いよく擦られだして腰が震えた。
「ぁ、ああああっっ、やっ、つよっ、ぁあっ」
つまり最初っからイカせるつもり満々のスピードと強さで、という意味の「ごめん」だったらしいと、悲鳴に似た声で喘ぎながらも頭の隅で理解する。
「ぅっ、やっ、ぁあ、ぁっ、む、むりぃ、ぁあっ」
「も、ちょっとだけっ」
強すぎる刺激にこれじゃイケないと訴えるが、その訴えを聞いてくれる気はないらしい。そしてもうちょっとの言葉通り、少しして相手が小さく呻きあっさり達してしまった。
ただ、手の圧もスピードもガクッと落ちたが、止まってしまったわけじゃない。ゆるゆると撫でるみたいに動かされて、じんわりとした気持ちよさが、今度は逆にもどかしい。
「ん、なぁ、それじゃ、イケなっ」
「うん」
「うん、じゃ、なくてっ」
「だって、久しぶりだし一緒にイキたかったのに、失敗しちゃったから」
口でされるのあんなに興奮すると思わなかった、なんて、まるでこっちのせいみたいに言うのはずるい。
「俺のせい、かよっ」
「お前のせい、って言ったら、もーちょい待ってくれたりする?」
次は一緒にイッてくれる? なんて言われたって、相手の回復を待てるわけがなかった。というか、そういうつもりでゆるゆると手を動かし続けていたとは思わなかった。
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