苦しくて、でも確実にどこかがキモチイイ。どこかって、どう考えたってお尻の中なんだけど。ゆるゆるとした刺激の中で快感を認識してしまった前立腺が、強くなった刺激の中でもちゃんと快感を拾っているらしい。
でも中で激しく動いている指がその場所に触れる時間は短くて、わずかにしか拾えないキモチイがもどかしかった。もっとちゃんとその場所に触れて欲しい。
そんな気持ちが通じたのか、願った通りにその場所を強く圧迫されて、ビリビリとした快感が腰を貫いていく。
「ぁあああっっ」
相手の手に握られているペニスが、連動するように大きく脈打っている。というか、間違いなく盛大に先走りをこぼしたと思う。
一瞬だったが強烈な気持ちよさになんだかぼんやりしていたら、背後で何やら少し焦るような気配がして、お尻の中から指が抜かれていった。慣らすのが終わってようやく本番なのかとも思ったが、でも相手の気配的には違う気もする。
「ねぇ、まさか、イッた?」
「は?」
「ちょっと体の向き変えるよ」
何が何やらと思いながらも、言われるまま体の向きを変えるのに協力してやれば、ペニスを握っていた手と仰向けになったこちらの腹とを交互に眺めている。
あれ? もしかして、先走りをこぼしたんじゃなくて、射精したのか?
相手の発言と行動からやっとそこに辿り着いて、思わず自分の腹を拭ったけれど、手を濡らしたそれが精液なのか先走りなのかはよくわからなかった。少なくとも、腹の上に明確に射精したあとは見られない。相手が見つめている、相手の手の中がどうなっているかはわからないが。
「えっと……」
「なんだよ」
「まだ、俺に抱かれてくれる気持ち、ある?」
「はぁ?」
「いやだって、イッちゃったらもう体弄られたくないだろうし」
「てことは、やっぱ出したのか」
慣れた射精の感覚とは全然違ったけれど、盛大に先走りを零したとは思ったのだから、それが精液だったのならイッたってことなんだろう。そう思ったのに。
「あ、いや、でも」
「なんだよ」
「量が少ないから、イッたってより、ちょっと漏れちゃった的な? ものかも知れないっていうか、いやまぁ、そうだったら良いなって願望かもだし」
考えたら今日二度目だしと続いて、そういや当日中に二回目が初めてで、相手も判断がつかないらしいと気づいた。
「正直、イッたって自覚はないな」
でもそうなると、気持ちよすぎて先走りに混ざって精液漏らしたって話になるんだけど。それはそれでちょっと認めたくないような。でもそうなっても不思議じゃないくらい、あの一瞬、強い快感を得たのも事実だと思ってしまう。
「じゃあ、じゃあ、まだ触っても平気?」
食い気味に聞かれて、必死すぎだろと笑いそうになる。こんな風に思うの、今日、何回目だっけ。
はっきり欲しがられているとわかるのはいい。素直に嬉しいと思えるし、安心もする。
こんな態度でお願いされたら、イッた後でだって、うっかりいいよとか言いそうだ。なんて、許可したあとで絶対後悔するだろう事を思ってしまったことは、忘れたほうが良さそうだけど。
「おう、多分。てか、触る、って、まだ慣らさないとだめなのか?」
そろそろ突っ込んでもいーんじゃねぇのと言いながら、煽るように相手の前で足を開いてやれば、相手の喉がゴクリと上下するのが見えた。
もうひと押しと、下着の中で膨らみきった相手のペニスへ、開いた足の片方をのばす。ペニスの先端辺りの布が色を変えているから、相手も興奮から先走りを零しているのだとわかってニヤけそうだ。直接の刺激なんて何もなくて、ただこちらの尻穴を弄っていただけでそうなっている、という事実が嬉しい。
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