イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった56

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「ああ、そういえば、気になってたことあった」
 話題を探していた相手が、何かを思いついたらしい。
「気になること?」
「そう。さっき、なんで笑ったのかなって」
「さっきって?」
「俺が、心配しなくてもちゃんと気持ちぃよ、って言ったあと」
 ああ、あれか。
「気持ちぃ〜って顔、わざと作れるんだな、って思っただけだけど」
「えっと、変な顔だった? ってこと?」
 なんで笑われたのかその説明ではわからないという顔をされて、確かに説明不足ではあるなと思う。
「そうじゃなくて。お前今日、風呂場でも似たようなことしてたし、なんつーか、気持ちぃって顔作れないほど余裕なくしてんのかなって思ってたのが当たりだったっぽいのとか、余裕ないのに俺が迷ってんの見て、頑張って気持ちぃ顔作ったのかなって思ったら、なんかこう、こみ上げてきたっつうか、多分……」
 あそこで溢れた笑いは、多分、嬉しかった、が正解だ。でも嬉しかったを素直に口に出すのは躊躇われて、そこで言葉を切ってしまう。そして相手の方も、こちらが言いよどんだ続きの言葉ではなく、途中で告げた言葉が気になったらしい。
「あのとき、何か迷ってた? 俺がちゃんと気持ち良くなれてるか不安だったわけじゃなく?」
「いやそこは流していいとこだから」
「いや流せないでしょ。気になる。てか俺、何か重要なこと見逃してない?」
 浮かれすぎてる自覚があるから不安だと、気弱な声で訴えてくるから、ペシッと頭を叩いてやった。
「目ぇ閉じたら俺ももっと気持ちよくなれそうってわかってたけど、お前が必死で腰振って気持ちよくなって、俺に突っ込んでイクとこもこのまま見てたいなぁ、みたいな?」
 お前が気持ちよくなれてんのなんて見てりゃわかるよと言ってやったら、相手が小さく呻いたあと、慌てた様子で体を起こす。こっちは尻穴に相手のペニスが入ったままなんだから、ゆっくり動けって言ってるのに。ていうか。
「でかくすんな、っつったろ!」
「わかってる。わかってるから!」
 抜くからちょっと黙っててと、思いのほか強い口調で言われて黙った。といっても、落ち着いて萎えるのではなく、また硬く大きくなってしまったペニスを抜かれていく感覚に、こちらも否応なく肌を粟立たせてしまう。正直に言えば、気持ちが良かった。
「もしかしてだけど、」
「いや無理」
「まだ何も言ってないんだけど」
「抜かずの2発目じゃなきゃいいってわけじゃないから」
「でもちょっと反応してる」
 抜かれるの気持ちよかったんじゃないのと見事に言い当てられてしまったが、だからってこのまま2戦目になだれ込みたい意思はない。
「今日で最後、ってわけじゃないんだから、今日はもういいだろ」
「うん、まぁ、そうだよね。わかってる。今日は風呂場でもしてるし……」
「しかもお前のが多くイッてる。てかお前、実はかなり性欲強い?」
 こちらがイッた後の体を触られるのが苦手なのを知っていて、いつだって結構あっさり開放されてきたから、一晩に何度も求められる想定はなかったのだけれど。もしかして、考えを改める必要があるだろうか。
「いやそんなことは。てか卒業するときとか彼女出来たって聞いた時とか、何度もこれからは友達って言い聞かせてきたから、恋人になってセックスもして次もあるよって言って貰ってるのに、まだなんとなく不安というか、今日のうちに出来るだけやっときたい、みたいな気持ちがどっかにあるのかも?」
 ゴメンねと苦笑されて、仕方がないやつだとため息を一つ吐き出した。

続きました→

 
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