生きる喜びおすそ分け26

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 痛くはない。けれどさすがに少し苦しくて、熱い。
 もしかして相手のペニスに擦られて摩擦熱が生まれてるんじゃ、なんて思ってしまうくらい、彼のペニスと触れ合う部分が熱かった。特に、相手のペニスにずりずり擦られるアナルの縁とか、カリの段差に引っかかるのかコリコリ刺激される前立腺とか、グッと奥まで入られた時にペニスの先端がグニグニと撫でていく腸壁辺りとか。その辺りが中心になって、じくじくと熱を生んでいる気がする。
「ぁっ、あっ、あんっ、はぁ、ぁっ」
 突かれるたびに、連動して押し出されるみたいな声を上げながら、なるべく彼の顔に視線を送る。真面目で真剣な観察者の顔が、どう変わっていくのか気になった。なにより、少しでも気持ちが良さそうだとか、余裕がなさそうな顔が見れたらいいなと思う。
 だんだんと相手の息も上がっていくのが嬉しい。
「きもちぃ、です、か?」
「ん? ああ、うん」
 ニヤリと笑って聞けば返答はそっけなかったけれど、でもむしろそれが余裕のなさっぽくて良かった。
「ふへっ、へへっ、もっと、よく、なって?」
 アンアン言わされながらもヘラヘラと笑っているだろう自分は、彼の目にどう映っているんだろう。こんなでも、ちゃんと安堵してくれているんだろうか。
 そんな中、足を肩に掛けるようにしてグッと前傾された。また腰が高く持ち上げられて、ペニスに突かれる角度や深さも当然変わってしまう。
 試すように少しゆっくり目に何度か腰を前後させた後、またズポズポと激しめに擦られて、体の中を痺れるみたいな快感が走る。
「ひぁあっ!? ま、ま、って、それっ、はっ」
「きもちいい?」
 ニヤリと笑い返されてドキリとした。
「ぁんっ、はい、でもっ、ぁっ、あんっ」
 間違いなく気持ちがいい。怖いくらいに気持ちがいい。だけど。
「ゃっ、やっ、だめっ」
「何がダメ? 一緒に気持ちよく、なってよ」
「でも、ぁっ、でもっ、そこっ」
「うん、凄く、イイとこ」
「ぁ、ぁあっ、やっ」
「このまま一緒にいこうか」
 お尻だけでイクとこを見せてと続いた言葉に慌てる。でも慌てたからって、相手の動きをどうこう出来る力はない。上から抑え込むみたいにのしかかられて、お尻の穴をズポズポ擦られている状態から、起き上がったり相手を押しのけたりする方法なんてわからない。
 それでも身を捩りながら、必死に無理だと訴えた。
「ぁんっ、むり、ぁ、むりっ、やっ、できなっ」
「本当に出来なかったら、その時は触ってあげるから」
 チャレンジはさせてと言われて、更に動きが激しくなる。前立腺を狙うみたいにその近辺ばっかり何度も亀頭を前後されたり、かと思えば、グッと奥まで押し込まれて体が跳ねる。
 射精感はたしかにどんどん高まって、でも、触れられずにイッた経験なんて無いから、気持ちいいのが体の奥にどんどん溜まって燻って、どうしようもなくイキたいのにイケなくて、苦しくて怖かった。
「ゃっ、やぁ、イキ、たいっ、イカせて、も、触って、イカせてぇっ」
 すすり泣いて懇願すれば、仕方ないなとでも言うみたいにペニスを握られホッとする。
 なのにほんの数回だけ扱いてすぐに手を外されてしまい、がっかりというよりは焦燥感が募っていく。
「ぁんっ、なんでぇ、も、っとぉ」
「一緒に、イク、んだろっ」
「んんっ、ぁ、も、ね、イッて、はやくっ、ね、おれで、きもちく、なって、ぁ、ぁあっ、あああっ、ゃっ、やぁっ、あんんっ」
 激しく腰を打ち付けられて肌が鳴る。ああ、これは射精するための動きだ、という認識のもと、煽るつもりで精一杯甘えた声を上げれば、また弱いところをゴリゴリと擦られて甘い悲鳴に変わってしまう。
「俺で、きもちく、イッてくれ」
「ひぁあああっっ」
 切羽詰まった声音に促されて、頭の中が白く爆ぜた。

続きました→

 
 
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