兄は疲れ切っている8

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 確かに、その体だけでも手に入れてしまおうという考えから、兄を追い詰めるような真似はしているかもしれない。でも惨めな思いをさせたいなんて思っていない。
 優しくするのも、可能な限り一緒に気持ちよくなろうとするのも、体だけ手に入れば満足だなんて欠片も思っていないからだし、いずれはその心ごと手に入れてやろうと思っているからだ。こんなの、絆されてくれる可能性をわずかでも上げたい下心に他ならない。
 でも兄は絶対にそんな下心には気づいてないだろう。嫌がらせで抱かれるのだと思わせてしまったのは、本当に失敗したと思う。
「その、嫌がらせとか言って悪かったよ。彼女できそうって言われたからこんなことしてるのは事実だけど、彼女作られる前に俺のものにしたくて焦ったってのが理由、だから」
「ああ……」
 納得と絶望が混ざるような息を吐かれた後、今日だけで終わりじゃないんだ、と呟くように告げられた。
 胸が痛いのは、兄にとってはこちらの想いなんて絶望の材料にしかならない、という現実を突きつけらたからに他ならない。そんなのわかっていた。わかっていたけれど、それでもやっぱり胸は痛んだ。
「そりゃ、ここまでやって、そう簡単に逃がすわけない」
 彼女作るのは諦めてと言えば、困った苦笑顔のまま、それでもわかったとあっさり了承された。
「なんか、ずっとものわかりいいよな。もっとブチ切れたり罵られたり、敵わないのわかってても暴れられたりするかと思ってたんだけど」
「だってお前、俺が逆らったら乱暴にするんだろ。結果同じなら、なるべく酷くされないようにするだろ」
 何がオカシイのか、ふふっと笑った後で、兄がゆるっと抱きついてくるから驚く。驚きながらも、抱える腕に力を込めて抱き返してしまえば、腕の中から再度ふふっと笑いが漏れた。
「俺をお前のものにする気だったから、優しくしてた?」
「まぁ、そう」
 ああ、笑われたのはそのせいか。そう思いながらも肯定を返せば、相手はそっかと言って腕を解く。体を離そうとする力に従ってこちらも腕を緩めてやれば、少しだけ体を離した相手から、近距離の真正面から見つめられる。つい先程ふわっとした笑いをこぼしていた割に、全く笑っていない、やっぱりどこか苦しげな真顔だった。
 ドキリと心臓が嫌な感じに跳ねて、けれどそっと目を閉じながら近づいてくる兄の顔を、避けることも押し止めることも出来ない。柔らかに唇が押し付けられるのをただただ受け止めてしまう。
「続き」
 軽いキスを繰り返されるのを呆然と受け止めていれば、焦れた様子で唇が僅かに離れたタイミングでそんな囁きがこぼされた。
「俺を、お前のものにするんだろ?」
「ああ」
 肯定を返しながら、触れた唇が離れていかないように相手の頭に腕を回す。引き寄せてもっと深く触れ合いたいと舌を伸ばせば、すんなりと相手の口の中に迎え入れられた。
 クチュクチュと互いに舌を触れ合わせて、互いの唾液を吸って啜られ、混乱と興奮とが増していく。再度相手を押し倒しても、もちろん何の抵抗もされない。腿の隙間に手を突っ込めば、自分からゆるく足を開いたし、先程解した尻穴に触れ力を掛けていけば、そこはあっさり指を飲み込んでいく。
「んぅぅっっ」
 さすがに苦しそうに呻いたので、キスを中断して体を起こし、尻穴を弄る方にだけ集中した。相手の抵抗はやはりなく、大きく足を開かせても素直に従い、その体勢を自ら維持までしてくれる。
「ぁ、……あっ、そこっ」
「やっぱここ、いい?」
「ん、ぅん、きもちぃ」
 更には、積極的に良い場所を教えてくれる。気持ちがいいと伝えてくれる。ただ、グズグズにとろけて甘えてくれるような気配は、逆に一切なくなった。

続きました→

 
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