前立腺とペニスとを同時に刺激されると弱い。しかもラブホで一度経験済みだからか、相手の手に迷いがない。
さっきまでこの体をあちこち撫で擦ってキスを落としていたのは、こちらの性感帯をあれこれ探っていただけで、本気で感じさせようとはしてなかっただけなんだというのを思い知ってもいた。だってふわふわとした中途半端な気持ちよさじゃなく、こちらの体を絶頂へ導くための刺激を送られている。
先程ゆるゆると撫で扱かれて、口であれこれ言われはしないものの、なんだか形や大きさを確かめられているみたいだと思っていたペニスも、ちゃんとあれで弱い場所を把握していたらしい。
結果、ラブホでされた時以上に、あっという間に射精を導かれてしまった。
「ほんと、感度いいなぁ」
早すぎってバカにされたわけではないんだろうけれど、残念ながら、感心するみたいに言われたそれが褒め言葉には聞こえない。
「だって……」
「というか自分でも何かした?」
「なにか、って?」
こんなにあっさり射精してしまうのは相手が上手いからだ、という文句なのか褒め言葉なのかを言うべきかで迷っている間に、相手から問われた言葉の意味がわからずそちらに意識が逸れてしまう。
「ここ、最近自分で弄ってるでしょ」
「うぇえっ!?」
「この前よりかなり柔らかくなってる」
二本目も挿れるよという言葉とともに、一度ぬるりと指が抜かれて、けれどすぐにまた指先が押し当てられて、今度は揃えた二本の指先がアナルを押し広げてくる。倍の太さに変わっても、あっさりヌプヌプと沈んでしまう指先に、自分で弄ってなんかいないとはとても言えない。かと言って、弄りましたと肯定するのも躊躇われる。
「ぁんっ」
「お預けされて、自分で慰めてた?」
自分で自分を慰めてた、なんて思われたくなくて弄ったと認めるのを躊躇っていたのに、やっぱり真っ先にそれを考えたらしい。
「ち、ちがっ」
「違うの? じゃあ俺が挿れやすいように、かな」
慌てて否定すれば、この前も自分で弄って拡げながら待っててくれたもんねと指摘された。
「そ、です」
「うん、ありがとう。おかげでここを拡げるって方に、あまり意識向けなくて済んでる」
指増えたけど気持ちよくなれてるよね、と言いながらぬるぬると前後に出し入れされる。
「ぁあっ、は、はいっ、ぁっ」
前立腺にも触れはするけれど、今度はそこを狙うような弄り方ではない。ただ揃えた指先を、速度や角度を変えながら何度も出し入れされて、多分それもこちらの反応をあれこれ探っているんだろうけれど、やっぱり段々とキモチイイが大きくなっていく。どうすれば気持ちいいのかが、相手に伝わっている。
「お尻だけでも、かなり感じられるんだね」
いつの間にやら再度フル勃起していたペニスを握られ扱かれながら、前後される指先で前立腺を突かれれば、二度目の射精もあっという間だった。
「このまま指増やしても大丈夫かな?」
昇り詰めて荒い息を吐き出しながらも、大丈夫と頷いて見せれば、今度は三本に増えた指がアナルを押し広げてくる。さすがに少し苦しい。
「ちょっとキツイか」
「だいじょ、ぶ、です」
「いや、少しゆっくり慣らしていこう。時間たっぷりあるしね」
弄って拡げてきてくれたおかげで、と言われたけれど、これはどこまで本気で言っているんだろう。だって褒められてるのか感謝されてるのか、少なくとも非難めいた響きはない程度にしかわからない。そして、なるほどこういう所かとぼんやり思った。
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