彼が興味を持ってくれて良かった。彼と、恋人になれて、良かった。そして、彼が手放したくないと思ってくれる、そんな自分で居続けたいと思った。
「せっくす、してってねだって、ホント、良かった、です」
「そう? それなら良かった」
やっぱりふへへと笑いながら告げれば、相手の気配もはっきりと緩んで、柔らかに笑ってくれる。
「すごく、きもちぃ」
「うん。でももっともっと気持ちよくしてあげたい、って、思ってるよ」
わかってると頷きながら、にやけてしまう顔も、次々とこぼれる笑いも止められない。嬉しいな、と思った。
「ね、きて」
甘えるみたいに相手に向かって腕を伸ばせば、ちゃんと前傾してその肩に捕まらせてくれる。それを更に引き寄せて、ぎゅうと抱きついてやった。
「好き」
相手の耳元に口を寄せて、思いっきり甘やかに囁いてやる。
「好きです」
腕の中に抱えた体を通して、相手の驚きだか戸惑いだかが伝わってきたが、気にせずもう一度繰り返す。もちろん、甘える気持ちをたっぷり込めて。
「ん、俺も、好きだよ」
応じるように吐かれた言葉も、釣られたみたいに甘く響いた。してやったりと思いながら、んふふと小さな笑いを口の中にこもらせる。
甘やかなムードを作るのが苦手だって言うなら、自分で作ってしまえばいいのだ。
「ね、あなたが、俺の体で気持ちよくなってイッちゃうとこ、みたい、です」
「えっ?」
「まだ早いって、言うんでしょ、けど」
相手の言う、もっともっと気持ちよくしてあげたい、とは違うお願いだという自覚はあった。だけど。
「でも、も、イカせて欲しぃ、し、一緒に、イッて欲しぃ、です」
「あー……うん、じゃあ、一緒に気持ちよく、なろうか」
あっさり了承されてホッとしながら、抱きついていた腕を放した。けれどすぐには離れていかず、ちゅっちゅと唇を啄まれる。そうしながら、止まってしまっていた腰を小さく前後されれば、またすぐ気持ちよさに飲まれていく。
「んぁっ」
歓喜の声を上げれば、すぐさま舌が入り込んできて、口の中の気持ちいいところをぬるぬると擦られたまらない。
お尻と口の中とを同時に刺激されて、あっという間に、体が昇り詰めそうになってしまう。ペニスを握られ扱かれたら、今ならそれこそ三擦り半でイケそうだ。
「ん、……ふぁ……ん、んぁ……んむっ……」
必死に相手の舌に自分の舌を絡ませながら、もっとと言うように腰を揺らした。正確には、相手のお腹に自分のペニスを擦り付けようとした。
でもそれに気付いてしまったらしい相手が、キスを中断して上体を起こしてしまう。
「ひゃんっ」
指先でつつっとペニスを根本から先端にかけてなぞられて、おかしな声を上げてしまった。
「可愛い鳴き声あげちゃって。このまま触ってたら、すぐにでもイッちゃいそうだね」
「ぁっ、ぁあっ……えっ……?」
盛大に先走りを零して濡れる先端を、くるくると指先で数度撫でた後、スッとその手は下ろされてしまう。
「ぁ、も、さわ、って……」
もっと触って欲しい。イカせて欲しい。
そんな気持ちで相手を見上げてしまえば、イカせてって言えば先に一度イカせてあげるけどと言われて、選択を迫られてしまった。
「うっ……」
イカせてって言いたいけれど、もっと触って、出来ればちゃんと握って扱いて欲しいけれど、でもイカせてとは言えなかった。一人だけ先にイクのは嫌だ。
「やっぱり一緒にイク方優先?」
「は、い」
「そっか。じゃあちょっと激しく動いちゃうけど、いい?」
大丈夫と頷けば、ぐっと足を抱え直される。
「多分大丈夫、だとは思うんだけど、痛い時は正直に言ってね」
宣言通り先程までとは違う速度と勢いで、相手のペニスがお尻の中を前後し始めた。
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