早く彼のペニスで奥を捏ねられたい期待は早々に挫かれて、彼のペニスは浅い場所ばかりを何度も往復する。けれど、射精手前までみっちり前立腺を刺激されていた体だ。カリの段差でゴリゴリと擦られれば、あっという間に射精感が高まって、いとも簡単にトコロテンしてしまった。
「はっや。そんな焦れてた?」
驚きとからかいとが混じる声が背中に落ちたが、荒い息を吐き出す背中から腰にかけてを撫でてくれる手付きは優しい。もちろん、腰の動きもとめて、こちらが落ち着くのを待ってくれている。
「イクときってさ、中がめちゃくちゃうねって、ちんぽしゃぶりつかれてるみたいで、めちゃくちゃ気持ちぃのな」
奥でイク時が楽しみだな、なんて言いながら再開した動きは、けれどやっぱり浅い場所を擦るばかりだ。しかもイッたばかりのこちらを気遣ってか、酷くゆるやかな動きで。
「な、んで……」
早く奥まで来てみて欲しいこちらの気持ちは、多分ちゃんと伝わっている。たったこれだけの単語でも、なぜ前立腺ばかりを狙ってくるのかという答えが返された。
「んー、だって、前立腺も好きだろ?」
「すき、だけどっ」
「まぁ、あれだよ。お前にとっては今日のも結腸開発の延長上にあるのかもだけど、俺にとっては違うからだな。お前が俺のちんぽ気持ちぃって思ってくれてるの、初めて実感できてんだから、最大限堪能してやろうって思うだろ」
苦笑交じりに告げられ、最後に、お前が好きだからだよと甘やかな声音が降ってくる。胸の奥がキュンと疼く気がした。なお、連動して腸壁もキュンと締まる。んふっと飲み込めきれなかったらしい笑いが相手から溢れて、さすがに恥ずかしい。
「かぁいい反応するよな、お前の体」
笑われた後だけれど、からかわれていると言うよりは、ただただ愛しくて仕方がないと言いたげな甘い声に、ますます体の熱が上がっていきそうだった。
「後でちゃんと奥もするから、もーちょっと俺に付き合って」
そんなことを言われてしまえば、早く奥まで入れてくれなんて言えなくなる。それに、結腸開発の延長上と指摘されて、確かにそうだと思ってしまってもいた。
惚れてるだとか好きだとか、できれば惚れて欲しいと言われて開始した行為なのに、彼のペニスで奥を突かれる快感ばかりを想像している。開発用のアナルパールは一種類しか所持していないから、別のを体験できる、みたいな興味と興奮が先行していた。
相手はこんなにも、愛しさを込めて抱いてくれているのに。
なんてことが頭の隅をよぎって、それは確かに事実ではありそうだけれど、そんなことを考えた自身に驚く。そしてそれは、これは彼に愛される行為なのだと、認識してしまった瞬間であったようにも思う。
「ぁ、あぁ、ぁつっ、ぁああ」
彼のペニスの先端が擦れる辺りがぐわっと熱を持った気がして、優しくゆるりと前立腺をこね続けるペニスに、蠢く腸壁がぎゅうぎゅう絡みついてしまうのがわかる。まるで体が喜んでいるみたいだと思って、そんな思考が恥ずかしくて、なのに恥ずかしいと思うほどに、気持ちよさが増していく。
「ぁあ、ぃい、きも、ちぃ、ぁ、ああ」
「ああ、俺も、きもちぃ。すっげ締まる」
もっかいトコロテン出来るか、という問いかけに迷わず頷けば、緩やかだった動きが加速する。ペニスの先端で優しく捏ねられていた前立腺を、先ほどみたいにカリの段差に引っ掛けるようにして何度もゴリゴリと擦られる。
「ぁあああ、いくっ、いっちゃう」
イッていいよの声を聞きながら、ペニスの先端から白濁がこぼれ出ていくのを感じていた。
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