さすがに中洗うのを手伝われるのは嫌だと言った相手は、でも拡げるのはお前に任せるからと言い残して一旦風呂場に消える。
なんだそれなんだそれとドキドキしっぱなしで出てくるのを待っていたせいか、やがて戻ってきた相手には、すごい顔してるねと驚かれたし笑われた。すごい顔ってどんな顔だ。
その後、どっちの部屋でやるかでまたちょっと少し揉めてしまったけれど、お前の部屋だと緊張しすぎるなんて言われたら、自室に連れ込むのを諦めるほかない。もちろん、いずれは自分のベッドに引き入れて、お前の匂いに包まれてる気がするとか言われながら致す野望は捨てないけれど。
そんなこんなでなんとかたどり着いたベッドの上、そっと押し倒して何度もキスを繰り返す。風呂あがりなのになぜかきっちり着こまれている服をめくり上げても、もちろん制止する声は掛からなかった。
そっと忍ばせた手のひらの下、肌が時折小さく震えるのがわかる。その手をゆっくり奥へ奥へと進ませて、狙うのはもちろん胸の突起だった。
「んっ……」
指の先で引っ掻けば、少し鼻にかかった吐息が小さく漏れる。そのまま指先でこね回せば、それはすぐに指の腹を押し返す固さに成長した。おおお凄い。
けれど吐息が漏れたのは触れた最初だけだで、見下ろす顔は感じているというよりは困惑の色合いが強く、どこか申し訳無さそうでもある。嫌がっている様子ではないものの、その顔にやはり不安は煽られる。
「ご、ごめん……」
こちらの不安に気付かれたのか、ますます困ったように眉尻を下げた相手の口が開いて、なぜか謝罪を告げられた。
「え、ごめんって何が?」
「さすがに胸まで慣らしてないから、弄られても、その、あまり感じられないというか……」
「ちょっ、何言ってんだお前」
「だってつまらないだろ?」
「待って待って待って。お前またなんか先走ってる」
はいちょっと一回落ち着こうか。
突っ込んでいた手を引き抜いて、よいせと相手の体ごと上体を起こした。
「俺に胸弄られるの、嫌?」
「いや、ってわけじゃない、けど」
「嫌じゃないなら触らせて。それだけでいいから。つまんなくないから。むしろめちゃくちゃ楽しいから」
「反応ないのに楽しい?」
「楽しいですけど。てかさ、ようやくようやくようやくお前の生肌触れてる俺のこの興奮、お前わかってないよな多分」
「えっ、興奮、……するの? こんな無い胸触るだけで?」
「あのさ、セックスしたいって、お前のケツ穴に突っ込みたいってだけの意味だとでも思ってたの?」
「違うの?」
ああああもう、ホント、何言ってんのこいつ。
「ちがいますー。好きな子に触りたいの。今までキスまでしか許されなかったんだから、まずはあちこち触りたいの。触ってるだけでめっちゃ嬉しいし興奮だってすんの」
相手の手を握って自分の股間に導いてやれば、固くなったそこを確かめるように服越しに軽く揉み込まれて、思わず自分のほうが甘い吐息を零してしまった。恥ずかしいなぁもう。
でもそんな気持ちも、相手の心底驚いた顔を前にすれば苦笑に変わる。
「後さ、お前、自分が言うほど無反応ってこともないから。俺に触られて肌ビクビクしてたし、おっぱいだってちょっと弄っただけで乳首ビンビンになってたから。興奮して当たり前の反応くれてるから」
「えっ……? ええっ??」
ぱぁぁと頬を真っ赤に染めていく様子に、いっそ感動した。
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