お前のそういうとこも好きだと、セックスするような関係になってからこれ聞くの何度目かなと思ってしまうような事を言われながら、互いに相手のアナルを弄り合う。
既に一度そこを擦られながら達している自分と、抱かれる側の経験が自分より早くそこで快感を拾うことにすっかり慣れている相手と、どちらが不利かは難しいラインだ。というか、さすがにどちらも後ろだけの刺激でイケるような体にはなっていないので、互いに快感を煽り合うような楽しさはあるものの、この後どうする気なんだろうとも思う。
抱いたり抱かれたりが出来るようになったのだから、どちらかの体に突っ込むことをつい考えてしまうけれど、もしかして、抜き合いに互いの穴を弄るのが追加されただけ、と考えたほうがいいんだろうか。どうしようもなくイキたくなったら、自分で自分のペニスを握ってしまうか、ペニスも扱いてくれと口に出すか、相手のペニスを握って扱いて、こちらにも早く触れて欲しいと誘ってやればいいのか。
なんて思いがなら、その三択ならどれにするかを割と本気で考え出すくらいには切羽詰まりだした頃になって、相手がそろそろいいよと言って手を引いた。
「え、何が?」
「何が、って、俺の後ろ慣らすのがだけど。次はお前が抱くんだろ?」
思わず聞いてしまえば、何を聞いてるんだと言わんばかりにそんな言葉が返ってきて、驚かずにいられない。
「このまま抜きあって終えるつもりかと思ってた」
「お尻弄られながらイキたい?」
「そうは言ってない」
ここまでされたら、そういう気持ちがゼロってわけでもないけれど。だって、実のところ、アナルを弄られながらイッた経験がほぼない。というか、先程のあれが初めてと言ってもいい。
前戯でアナルを弄られるようになってから先、その場所をじわじわと拡げられながら前立腺をじっくり刺激されて来たけれど、それらはいつか抱かれるための準備であって、その場所を刺激されながらペニスを弄られ果てるようなことまではされていなかった。体が興奮しだしたら彼は満足気に手を引いたし、その後は立場を変えてこちらが彼を抱いていたからだ。
先に昂ぶってしまった体を若干持て余すみたいにして、性急に彼を求めてしまうことも多かったけれど、間違いなく、彼はそれを狙っていたし、それが嬉しいのだともわかっていた。もちろん、多少がっつく抱き方をしてしまっても、抱かれ慣れた体を傷つけるようなことだってなかった。
「言っていいのに」
「いやだって、言ったところでどうする気だ、っていうか」
「それはさ、」
ちゃんと考えてあるよと言って相手が笑う。
「考えてるって、何を……」
「背面騎乗位で、俺がお前に乗っかるの」
「は?」
「腰降る元気ないとか言ってたし、ちょうどいいと思うよ」
「まじか」
とりあえずやってみせるから指抜いて仰向けに寝て欲しいと言われて、おとなしく従えば、背中向きに腰をまたがれる。
何度も抱いているので、騎乗位だって向き合ってにしろ今みたいに背中を向けられてにしろ、全く初めてではないのだけれど、相手の方からすすんで乗ってくれたことはない。促せば嫌がらなかったけれど、だからと言ってその体位を気に入っている様子でもなかった。彼は普通に正常位か、背面側位が好きそうだった。それを言葉で確かめたことはないけれど。
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■
HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁