Wバツゲーム12

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 もし恋人になったらしたいエロいことって何ですかと再度聞かれて、だから別にエロいことが出来ないから罰ゲームの延長を断ったわけじゃないんだけどなと思いながら、逆に何が出来るのと問い返す。ついでに、男相手なんて無理って思うことは何かとも付け加えておいた。
 相手が無理だと思っていたから手を出さなかっただけで、してみたい気持ちが自覚出来るレベルで興味があるのは事実だから、こんな据え膳じみた状態をみすみす逃すつもりはない。でも自分が傷つくのは嫌なヘタレな屑だから、やっぱ男相手なんて気持ち悪いですって言われるのは避けたかった。
「キスとか、手で抜くのは多分出来ます。フェラはちょっと、やってみないとわかんないっすね。後、突っ込まれるのだけは絶対無理す」
「俺、突っ込むセックスはしてないって言わなかった?」
「だってそれ、妊娠したら困るって理由だったじゃないすか」
「ああ、まぁ、確かに男は妊娠しないか」
 女の子との突っ込まないイチャイチャに慣れすぎているのか、さすがに目の前の男を抱きたいという方向で考えたことはない。そうか、男相手なら突っ込むセックスも有りか。チラリと想像した感じでは欠片も無理そうではなかったから、相手さえ望めば喜んで抱いてしまいそうだけれど、本人が絶対に無理だと言っているのだからこれは考えるだけ無駄だろう。
「それ、俺に突っ込みたいとは思ってなかったって事でいいんすよね?」
「うん。考えたことなかった」
 正直に肯定すれば相手は酷くホッとした様子を見せた。
「じゃあさ、俺に触られたり舐められたりするのはどうなの?」
 彼に対する興味はどちらかというと、その体を撫で回して気持ちよく善がる姿が見てみたいという気持ちが強かったから、触られるのなんて気持ち悪いと言われたら残念だなと思いながら聞いてみる。
「先輩が俺を触るんすか?」
「うんそう。というか、お前が考える俺のエッチって、相手に色々して貰ってるイメージのが強い?」
 自分が触られるスキンシップももちろん好きなのだけれど、相手に触れたいスキンシップ欲求も強いということを、彼はきっと知らないのだろう。だって抱っこされる時に抱き返す程度のことしかしてこなかった。
「割と。だって先輩、すっげ甘えたがりじゃないすか」
 まんまと肯定されて苦笑する。しかも凄い甘えたがりだと思われてたのか。
 慣れてしまってからは自分から抱っこをせがむ事も多かったから、そう思われていても仕方がないのかもだけど。
「それはお前だからだよ。お前が抱っこなんかして俺を甘やかすから甘えちゃうの」
「なら女の子には甘えないんすか?」
「そりゃ甘える事もあるけど。でも甘えっぱなしってことないし、甘やかすのだって好きだよ?」
 甘えてくるならお前のことだってちゃんと甘やかすよと言ったら、先輩優しいっすもんねと納得顔で返されてなんだか照れくさい。
「と、とにかく、俺を好きって言ってくれる子相手に、そこまで受け身な態度取らないんだって。お前とは罰ゲームだったから積極的に手ぇ出したりしなかっただけなの」
「そういや、エロいことしちゃうよって、言ってたっすね」
「言ったね。でもお前は、俺がしたいならしてあげたいって言ったんだよな。俺がお前に何かするイメージもなかったみたいだし、俺にアレコレされるの無理ってなら、それでもいいよ」
「無理じゃない、す」
「そ、良かった。なら手始めに、今すぐここで、お前にキスしてみてもいい?」
「あ、はい。どうぞ」
 どうぞなんて言われてキスするのはなんだか調子が狂うというか、ムードもへったくれもないなと思いながら、相手の頬に片手を添えてゆっくりと顔を近づけていく。
「目、閉じて?」
 顔を寄せてもジッとこちらを見つめたままの相手に、唇に触れるギリギリのところで仕方なく声を掛けた。すぐさま無言で相手の瞼が降ろされたが、本当にムードがない。
 ムードはないけれど、むしろそれが彼らしいなとは思った。でもだからこそ、色っぽく変わる姿が見たいし、キスだけでどこまで相手の欲を引き出せるかとも考えてしまう。
 瞼が降りきったのを見届けて、まずはそっと唇を押し当てた。
 何度か角度を変えて、ゆっくりと触れ合わせるキスを繰り返しながら、少しずつ相手の唇を吸い上げ啄み甘噛んで解かせていく。そうしてからやっと舌を差し入れれば、まるで待っていたとでも言うように、相手の舌が積極的に絡んできた。されるがままのつもりかと思っていたから、少しばかり驚いた。
 こちらの驚きが伝わったのか、律儀に閉じたままだった瞼が持ち上がり、こちらの様子を窺ってくる。その瞳を超近距離で見返しながら、別に勝負でもなんでもないのに、負けたくないなと思ってしまった。
 きっと、先程中学で童貞を捨てたと聞いたのと、やはりそれなりに経験があるのだろう様子が原因だ。自分の童貞卒業が高校入学後だったなんてのは相手に全く関係がない、なんて事はもちろんちゃんとわかっている。
「んっ……」
 とうとう相手が甘く鼻を鳴らしたのを合図に、ゆっくりと顔を離していく。
 さすがに長いこと続けすぎたキスにお互い息を整えあった後、先に口を開いたのは相手だった。
「先輩のキス、すっげキモチィすね」
 興奮で目元を赤く染めたまま、余韻に浸るようにうっとりと告げられた言葉に、こういうとこでも素直なんだなと感心する。素直に、お前もかなり上手かったよと返せなかった自分の小ささに、勝手に勝ち負けを感じて躍起になって頑張ってしまった事実に、なんだか落ち込みそうだった。

続きました→

 
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