「なぁ、恋愛感情かは微妙とは言ったけど、マジに可愛いって思ってるし、別にリッピサービスで好きとか言ったつもりないんだけど」
実のところ、リップサービスと言うよりは条件反射という気もしていて、そっちのがもっと酷いような気もする。相手が喜ぶだろうから伝えたわけではなく、恋人とのセックス中に好きだと言われたらこちらも好きだと応じる、という慣れ親しんだ仕草の一つでしかない。
そもそも、恋愛感情なんてものとは久しく縁がないというか、やりたい欲求優先で恋人を作っていた男には愛だの恋だのの感情は馴染みが薄い。でも気持ちよさそうに喘ぐ相手に興奮したし、間違いなく可愛いと感じているし、好意がなきゃこいつ相手にこんな事をしてるわけがないので、好きだと返した言葉に嘘はないとも思う。
「別に泣いてるわけじゃ……」
また抱っこが必要かと思って寝転がってしまったが、確かに泣いてる声ではなさそうだ。
「んじゃその腕退けてよ」
「やです」
「なんで」
「恥ずかしすぎて顔見れないし、見られたくない、です」
言葉ははっきりしているし、返答も早い。どうやら、いわゆる賢者タイムに突入中らしいと思う。まぁ吐き出して冷静になってしまう部分があるのは仕方がない。
男の相手をするのが初めてで、そこまで考えが至らなかった。
一度イカせてやってからと思っていたが、もしかしてイカせないまま先に進んだ方が良かったのだろうか。いやでも二十歳の男が、一度吐き出すだけでもう充分だと言いだすとも思えないので、泣かせたと思って中断してしまったのが一番の問題な気もする。そのまま先へ進んでしまえばよかった。
「これからもっと恥ずかしいことするんだけど」
「それは、わかってます、けど。も、ちょっと、待って……」
やはり続けるつもりはあるようなので、わかったと返しながらも相手の体に手を伸ばした。
「ぁ、なに」
「お前が腕退けて顔見せてくれるまで、お尻弄って広げるのは待ってやるよ。でも落ち着いた状態で弄るより、多少は興奮した状態のお前を弄りたいから、待ってる間にお前の興奮煽っとこうと思って」
「んっ、そんな、ぁっ、ちょっ」
肌の上をあちこち撫でて、試しに胸の突起を指先で何度も掻いてやれば、すぐにプクリと膨らんでくる。
「ふっ、思ったより反応あるな」
横になった状態なので片手だけをいたずらに相手の体へ這わせていたが、もっと本気で触れてやろうと、体を起こしてもう片手を反対の乳首へ伸ばした。
「やぁあっ」
左右同時に責めてやれば、随分と高い声を上げながらビクッと背をしならせ、次の瞬間には両手首を掴まれていた。
「もしかして、乳首弱い?」
「ぁ、やっ、だめ。だめです、って」
両手首を掴まれていても指先は動くので、そのままカリカリと乳首を掻いてやれば、逃げるように身を捩らせる。手首を掴む手も必死に引き剥がそうと動いていて、ぎゅうと掴まれた手首にも痛みを感じてきたので、そう執拗に弄ること無くさっさと開放してやったけれど。
「腕外れたな」
笑えば少し不満げな顔で見返されたけれど、ズルいだの酷いだの言われることはなかった。
「先進んでいい? もっと乳首弄ってやろうか? それよりちんこのがいいか」
次は簡単にイカせはしないけどと思いながらも、再度すっかりガチガチに勃ち上がっているペニスへ視線を落としながら聞けば、小さな声が先に進んでくださいと返る。
わかったと返して、ローションをたっぷりと手の平に垂らして捏ねた。
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