二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった35

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「ひぁあっ、ぁあ、だめ、だめっ」
 軽く吸い付いた乳首に舌を這わせれば、悲鳴に似た高い声を上げ、背をしならせるほど反応する。口からははっきりとダメだと零しているが、その響きが甘やかで、どうにも拒絶に聞こえない。
 頭を押しのけようとしてか、肩から外された手が頭に触れてはいるけれど、力が入らないのか別の理由か、そこまで強く力が掛かっては居なかった。
 先程胸を弄った時は本気で引き剥がそうとされた事を思うと、これはやはりイヤよイヤよもの範囲だろうか。そう思いながらも一度頭を上げて、相手の様子をうかがった。
 目があった相手は戸惑いと不安との中に、興奮と期待とを滲ませている。少し残念そうにも見えるのは、あっさり止んでしまった刺激のせいかもしれない。
 だから、続けていいか、なんて聞くことはしなかった。
「もーちょい声、抑えられないか?」
 ハッとした様子ですぐに片手で口を覆ったから、いい子だと告げながらもう片方の手に自分の手を絡ませた。いわゆる恋人繋ぎで、シーツの上に縫い止めてしまう。本気で嫌がられたときに、本気の力で頭を押しのけられるのは避けたいと思って。
 そうしてから、再度相手の胸の先に唇を寄せた。
「んんっっ、んっ、んっ」
 やはり相当感じているのか、口を覆う手により食い止められているが、ひっきりなしに声を上げているのがわかる。絡ませた手も、ずっとぎゅっと握り返されている。
 ついでに言えば、殆ど動かさずに相手の中に留めているペニスも、キュッキュと何度も締め付けを繰り返されて酷く気持ちがいい。
「お前ほんと可愛いなぁ」
 その言葉に反応してか、再度キュッと締め付けられる中、ゆっくりとペニスを押し込んでいく。さすがにそろそろこちらも限界だ。
「んぅっ」
「一緒に気持ちよくなろうな」
 一旦胸を開放して身を起こし、絡めていない方の手を相手のペニスへ伸ばした。ずっと萎えずにゴムが着いたままのそれを握って扱く。
「んんっっ」
「気持ちぃ? イケそう?」
「ん、んっ」
 口を手で覆ったまま、必死に頷いて見せるから、その声が聞けないのは残念だなと思う。
「な、手ぇ外して。気持ちぃって声、聞かせて」
 今度はイヤイヤと首を振るから、声の大きさを気にしているのかも知れない。
「声大きすぎって思ったら、俺がキスで塞ぐから。な?」
 それでもまだ迷っているようで、首はふられなかったが、口元を覆う手が外れることはなかった。
「好きだよ。だからお前にも、さっきみたいに、好きって言いながら、気持ちよくなってほしい。お前からの好き、聞きたい」
「ぁ、も、そんな、ぁ、ぁんっ、ずる、い」
「でもほら、手ぇ外してくれたし」
 好きだよと告げれば、すぐに好きですと返されて、こみ上げる愛しさと共に、んふふと笑いを溢す。
「少し激しくするから、もし痛かったら、それは教えて」
「は、ぁあっっ、ぁ、あっ」
 はいの返事を聞く前に、自身がイクための動きを開始してしまう。視界に相手の手が彷徨うのが入り、口を覆う手を外したくなかったのは、手のやり場に困るというのもあったのかも知れないと思った。
 しかしその手を導いてやる余裕がない。片手は繋がれているし、もう片手は相手のペニスを扱いている。相手のアナルを穿ちながら相手のペニスを握る体勢では、肩を掴むようにと身を寄せるのもなかなか難しかった。
「ぁ、ぁっ、いぃ、ぁ、すきっ」
「ああ、俺も好きだ」
 反射的に応じながらも、頭の中はどうしようかと考えている。しかしこちらが対応するより早く、相手が身を捩って、空いた手を繋がれた手の上に置くのが見えた。

続きました→

 
 
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