土曜の朝は帰宅した彼と一緒に軽く食事をして、その後昼頃までは外で過ごすことが多い。いくら週末はこちらの生活に合わせてくれるとはいっても、夜まで起きっぱなしではさすがに彼も辛いだろうから、午前中くらいは彼が眠れるようにという判断からだ。
しかし、彼に扱かれイカされるだけの遊びが始まって、三回目の土曜の朝は違った。自分にとっては朝食を、相手にとっては軽い夜食を食べ終え、いつもなら彼が眠る支度をする間に自分は出かける支度をするのだが、着替えの途中で彼が敷いた布団の上に引き倒されしまった。
狭い部屋を有効的に使うために自分はロフトベッドを使っているが、彼はラグの上に布団を敷いて寝る生活をしている。大学時代には何度か友人を泊めたりもしたが、夜通しゲームだの飲み会だのに部屋を提供していただけだったので、まともな来客用の布団なんて所持していなかった。彼との同居を受け入れるにあたって最初に購入したのがこの布団と言ってもいい。
ただ、彼との遊びはラグの上でしかしたことがなく、布団の上で触れられたことはなかった。つまりは初めてで驚きも戸惑いも酷い。
「遊んでいい?」
「い、今から?」
「そう。ダメ?」
「けど、眠ったほうがいいだろ?」
「大丈夫だから」
言いながら既に片手が下着越しに股間を撫でてくる。ちょうどズボンを履き替えようとしていた所だったから、下半身は下着だけだ。
彼の手に触れられることにあっさり慣れたペニスが、期待で膨らんでしまうのがわかる。小さな溜め息に諦めを乗せてわかったと返せば、相手は嬉しそうにありがとうと言って、早速下着を脱がしに掛かる。
いつも通り自分だけあっさり裸に剥かれて、あちこち彼の手が肌の上を這って、ところどころ彼の唇が落ちた。簡単に昂ぶっていく体を楽しげに弄っている相手の顔を確認してから、やっぱりいつも通り、快楽に身を委ねるように目を閉じる。
後は相手の手に任せたまま、気持ちよく上り詰めていけばいい。はずだった。
「ひゃぁぅっ」
予想外の場所に相手の指が伸ばされ、慌てて妙な声を上げてしまう。
「あ、悪ぃ。驚かせた」
口だけは謝罪を述べながらも、アナルに触れた指が離れていくことはなかった。
「な、なに、を?」
混じる期待がないとは言わないけれど、それよりも焦る気持ちのほうが断然強い。
「ここ、もしかして、感じるようになったのかと思って」
「な、んで……」
「んー、ほら、この前、俺の荷物増えてきたから、ちょっとクローゼットに入れさせてって言ったろ」
確かに言われた。いいよと返した。
「もしかして、み、見つけた?」
アナニー道具はきっちりしまってあるし、勝手に中に置かれた荷物を漁るような真似はしないと信じていたのだけれど。でも、彼の言葉と気配から、見られたのは確実という気がした。
「ごめん。実は、荷物置くスペース作ろうとして中の箱移動してたら落としちゃって、何か壊してないかって、中、確認したんだわ」
自分で使う用って思っていいんだろ、という指摘に似た質問に、迷いながらもそうだと肯定を返せば、アナルに当てた指先を軽く揺らされる。
「ぁっ、」
「なぁここ、弄っていい?」
「な、なんで……」
勃たないならそんな場所をわざわざ弄って広げる理由がないはずだ。高校時代、穴を弄ることそのものへの興味や興奮なんて、彼から感じたことはない。
「なんで、って、ここ弄りながらのが、お前、もっと気持ちよくなれんじゃないの?」
「それは、でも、」
「俺にいじられるの不安なら、お前が一人であれ使ってるとこ、見せてくれるんでもいいけど」
「そんなの見て、楽しいのかよ」
「それはどうだろ? でも俺がする時の参考にはなると思うし」
「するの、確定してる」
「うん。したい。ちんぽ勃たない代わりに、指、入れさせてよ」
お願い、と頼まれてため息を吐いた。
「本気で言ってんなら、準備するから待って」
ローションならあるよとポケットから小分けのパウチを出されたけれど、そういう意味じゃない。というかそんなものまで用意済みだったのか。
「中、洗ってくるって意味なんだけど」
「あー……ああ、うん、じゃあ、よろしく」
「本気なんだ?」
聞けばやっぱり頷かれて、わりと真剣な声で本気だよと返ってきた。
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