そのままゆるゆると舌を這わせ、最後にパクリと咥え込んだ。
「うぁ、んんっ」
口の中に広がる苦いようなしょっぱいような味に嫌悪はない。さすがに美味しいとは思わないが、好きな人のペニスを咥えているという事実に感動はしていた。
「ん、ぁ、ぁ、ん、んっ、ぁっ」
手で扱くよりも感じるらしく、堪えきれない様子でひっきりなしに小さな喘ぎが聞こえてくる。噛みしめる口も、それを覆っている手も、力が入らないのかも知れない。ついでに、ずっと落ち着きなく腰が揺れてもいた。
相手の興奮が伝わってきて煽られる。
いつか、自分も口でしてもらえる日が来るだろうか。なんてことを考えながら、自分がされる場面を脳内に思い描いてしまったり、自分だったらどうされたいかを考えながら、結構熱心に舐めしゃぶる。そうしていると、釣られるようにだんだんと自身の欲も高まってしまう。
相手と同時にイキたい、という願いはまだ難しいだろうと思っているのに、我慢しきれずに自分の股間へ手を伸ばした。スボンと下着を摺り下げて、取り出した自身のペニスを片手で扱きながら、咥えたペニスをさらに熱心に愛撫する。というよりも、イカせたい欲求とイキたい欲求が混ざって、扱くのに合わせて頭を上下に動かした。
「ぁ、ゃ、まって、ま、って」
激しい刺激に相手がはっきりと静止を求める声を上げたが、無理とは言われていないから、を言い訳にスルーを決め込む。それどころか、早くイッてくれという気持ちを込めて、更に頭を上下するスピードを上げた。
「ちょ、ま、むりむりむり」
悲鳴に近い声と、両肩を掴んで引き離そうとする力。仕方なく咥えていたペニスは開放したけれど、昂ぶってしまった自身のペニスから手を離すことまでは出来なかった。
「酷っ」
このタイミングで止めるとか、本当に酷いと思う。このまま一人で、相手の前で自身のペニスを扱いて吐精するのかと思うと、なんだか惨めで悲しくなる。
「違くて」
滲み始める涙を隠そうと俯けば、そんなことを言いながら相手がずるっとソファを滑り降りてきた。そして、何が違うんだと思う間もなく、相手の手が股間に伸びてきてこちらの手ごとペニスを握った。
「どうせなら、ちゃんと、一緒にイこう。俺にも、させてよ」
抱きしめられて、相手の体がグッと近づいてくる。
「手、開いて」
耳元の囁きに従って手を開けば、相手のペニスが自身のペニスに添えられて、それを自分の手ごと相手の手が握り込んだ。しかも、最初からラストスパートな勢いというか、イカせる気満々の刺激を送ってくる。
更に言うなら、相手のグチャグチャに濡れたペニスと擦れ合うのは、めちゃくちゃに気持ちが良かった。兜合わせと呼ぶ行為だというのは知っているし、男同士の性行為では割とメジャーな行為という認識だが、こんなに気持ちがいいんだと驚きとともに納得してもいる。
なんでこのタイミングで、相手主導で行っているんだ。という小さな不満はあるものの、気持ちよさの前では些細なものでしかなかった。
「ぁあっ、いく、いっちゃう」
「俺も」
熱い吐息が耳に掛かって、本当に一緒にイク気なんだと、嬉しくなった。
「うれ、しぃ」
そのまま口に出せば、やっぱり俺もと返されたあと。
「キス、したいんだけど」
していい? と窺う相手に、否を返すわけがない。むしろ、直前まで相手のペニスを咥えていた口なんだけど、相手こそ平気なんだろうか。なんて思いながらも、ピタリと寄っていた上半身を離した。
すぐに唇が塞がれてしまったので、じっくり見ている余裕はなかったけれど、相手のこんなに興奮した顔は初めて見る。自分の前で相手がイクのが初めてなのだから、当然とも言えるけど。ただ、随分と嬉しそうにも見えたのが、少し意外ではあった。
けれどそんな疑問も一瞬で、キスの気持ちよさとペニスで直接受け取る快感とで、あっさり上り詰める。相手のペニスを直に握っているので、相手がほぼ同時に吐精したのもわかっていた。
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