親父のものだと思ってた27

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 ベッドに腰掛け来てと誘えば、少し困ったような顔をしているものの、何も言わずに近づいてくる。
 真正面に立った相手の手を引けば、やっぱり大人しく隣に腰掛け、顔を近づければ察して瞼が下ろされた。キスをしながらゆっくりと相手の肩を押していけば、またしても察した様子で上体を倒していく。
 多少は抵抗されるかと思っていたので若干拍子抜けだ。
「俺が今から何しようとしてるか、わかってる?」
「まぁ、多分」
 俺がどれだけ自己開発したか指突っ込んで確かめたりするんだろ、という、割とド直球な返答に面食らう。というかそれをわかっていて抵抗しないのがいっそ不思議だ。
「嫌がらないの?」
「色々恥ずかしいとか、お前に触られてどうなるかわからない不安とかはあるけど。いやまぁ、嫌かといえば嫌なんだけど」
「嫌なんじゃん」
「そ、だけど。でも、俺が頑張るから俺の好きにさせて、ってのはお前が嫌なんだろ」
「そーだけど。でも、大人しく譲ってくれるとも思ってなかったっていうか」
 絶対に抱く側がいい、などの譲れないことは主張しても、いつだって、相手の気持ちの準備がしっかり出来るまで待ってきたつもりだ。嫌なことを無理強いする気はない。
 それは相手にも伝わっているはずで、だから嫌だと思っているのに受け入れようとするのは、少し違和感を覚えてしまう。というか無理して付き合ってくれた結果、途中で派手に拒絶されたり、2度目が来なくなったりするのは避けたい展開だと、つい考えてしまう。
「恋人なのに相談もなく勝手に自己開発した、という後ろめたさがあるのと、こうなるのもある程度予測済みだったから、かな」
 抱かれる覚悟が出来てきたって言ったろ、と続けた後、恥ずかしそうに目を伏せて口元をきゅっと引き結ぶ。
「寝そべってちんこ勃てとけってだけじゃなくて、俺にお尻弄られてアンアンする姿見せてもいいって、思ってくれてたんだ……」
「アンアンできない可能性も高いけどね」
「どういうこと?」
「多分問題なく入る、という開発はしたけど、自分で弄っててお尻気持ちいいってなったわけじゃないんだよ」
「あー……そういう感じか」
「そう。そんな感じ。ただ、俺としては、お前が入れて気持ちよくなれるかを試してみたかったけど、お前はきっとそうは考えないだろうな、ってのもわかってたっていうか、俺がお前に弄られてアンアンするようになるまで抱かない、とか言い出すんだろうな、みたいな予感はあって、だからまぁ、そういう覚悟も一応してる」
「ああ、うん、言うね。てかそれっぽいこと既に言ったね」
「ただほんと、絶対恥ずかしいし、気持ちよくなれても、なれなくても、色々不安はあるから、手加減はして欲しい。てか待ってって言った時は、できれば一度、待って欲しい」
「わかってる。あと、これ以上は本気で無理って思った時は、もう無理って言って。でもほんと、本気で中断するときだけにして。それ以外はヤダって言って」
「ん、わかった」
「じゃあ、脱がしていい?」
「いいけど、お前も脱いで」
「俺も?」
「お前が興奮してるか、見えたほうが安心できそう。てわけで、お前が興奮してないって理由で、無理って中断になる可能性もあるから」
「なにそれ!?」
「なにがなんでも抱く側って主張して、30オーバーのおっさんにお尻差し出させてるんだから、気合で勃たせてくれないとこっちの立場がないっていうか、お前が萎えてたらあまりにいたたまれなさすぎて、もう無理ってなるのも仕方ないと思うよ?」
「わかった。ギンギンに勃たせてやるから、そのおっさんの体に俺がどれだけ興奮するのか思い知ればいいよ」
 自信満々にフフンと笑ってやれば、相手はどこか安堵を滲ませながら、ぜひ思い知らせてくれと笑った。

続きました→

 
 
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