無い物ねだりでままならない15

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 服を脱がせた後、再度布団に転がした先輩の足を開かせて、奥まった窪みに向けてローションで濡れた指を這わす。
 本当はもっと腰を押し上げて、尻タブを広げて、先輩が既に自分で慣らしたといういう、ペニスを迎え入れてくれる予定の穴をじっくり観察したいんだけど。絶対に嫌だダメだと強固に拒まれたので、仕方なく、手探りで目的の穴を目指している。
 誘いをかけた時に、先輩の可愛いとこが色々見たいって言ったはずなのに。
 まぁ、お尻の穴を「可愛いとこ」扱いされる想定がなかった、というのはわからなくもないんだけど。でも丁寧に可愛がってあげたい場所、という認識で間違ってはいないはずで、それを訴えてみたら一応は理解を示してくれたけれども、理解はしても許可できるかは別問題って感じだった。
 照れまくってしどろもどろに、想定外すぎると逃げ腰になる先輩がちょっとかわいそうで、でもそれも結局は可愛いなと結論づける自分の思考に、我ながら感心する。
 先輩が可愛いって言って欲しいなんて言うから、はりきり過ぎてるんだろう自覚もないわけじゃないんだけど。結果、先輩は喜ぶよりも戸惑って照れて大変そうなんだけど。でも嫌がってるわけじゃなさそうだから、このまま突き進むつもり満々だ。
 いずれは慣れて、素直に喜んでくれるようになるかも知れないし。慣れないままでもそれはそれで可愛いなって思えるんだから、きっとなんの問題もない。
 なんてことを考えながら、辿り着いた窪みに指の腹を押し付ける。
「んっ…………はぁ……」
 身構えるように先輩の体に緊張が走ったので、そのまま動かずジッと待っていれば、やがてゆっくりと息が吐き出されてきた。
 いくら自分で慣らし済みと聞いてたって、さすがにいきなり突っ込むわけがないのに。それどころか、丁寧にじっくり可愛がってあげたい場所なんだって、訴えたばかりなのに。
「ヤダって言うから穴の観察はしないですけど、だからって、ここ、いっぱい可愛がってあげたいのまで、無くなるわけじゃないんですよ?」
 言いながら、トントンと軽く穴を叩く。指にまとったローションの影響か、指の腹にちゅっちゅと吸い付いてくるみたいな感触が、めちゃくちゃイヤラシイ。
「ぁっ、……わか、ってる。言わなくて、いい」
「じゃあ、そんな怯えないでくださいよ〜」
「怯えては……ちょっと、緊張してるだけ、だ」
「それ、どういう方向の緊張なんです?」
「んっ……どういう、方向?」
「童貞に好きにさせて痛かったらやだなぁ、とか、お尻で感じちゃうとこ見られるの恥ずかしいなぁ、とか、感じまくって淫乱なのバレたらどうしよう、とか。てか聞きそびれてましたけど、先輩、お尻でオナニー……あ、アナニーって言うんだっけ? それ、してるんですよね?」
 俺の指で弄られても感じられそうですかと聞きながら、穴の周りをゆるゆると撫で擦る。指の腹で感じ取るシワを広げて、その隙間にローションを塗り込むイメージで、くにくにと指先を動かした。
「ん、ぁあ、感じられる、と、ぁ、思っ……」
 既に今現在、気持ちよさそうではあるけれど。
「中も? 前立腺ですっけ、そこも感じられます?」
 再度穴に指の腹を押し付ければ、きゅうと窄まって指先を食もうとしてくる。早く挿れてとねだられてるみたいで、たまらない。
「ぅうっ、そこっ、も、ちゃんと感じる、と、思う」
 赤裸々な質問にずいぶんと恥ずかしそうにしてるくせに、それでも正直に教えてくれるから、ますます期待が膨らんで興奮が増してしまう。んふふと笑いが溢れてしまう。
「ね、前立腺弄られるの想像して、期待しました? 穴がきゅって指先に吸い付いて来てるの、凄くえっちなんですけど。これ、先輩も自覚あったりします?」
 早く挿れてって言われてるみたいだと口から溢れる音が、自分の耳にも甘ったるく響く。ねだられているのではなく、こちらがねだっているのだ。そう自覚せざるを得ないし、先輩だってきっとそれをわかっている。
「ううっ……」
「ね、言って?」
「は、やく……」
「うん」
 待てば絶対、挿れての言葉も聞けるはずだ。ニコニコ笑って頷いて、軽く指先に力を込めはしたが、でもそのまま押し込むことはしなかった。
「ぁ……」
 期待が外れて少しがっかりする先輩も可愛くて、さすがにこれはちょっとヤバいかもしれない。意地悪がしたいわけじゃないのに、本当に何かに目覚めそうだ。
 ただの先輩と後輩では見られない色々な姿を、もっとたくさん引き出したい。先輩が簡単には見せない姿を目一杯可愛がって、グズグズに蕩かせてしまいたい。
「ね、せーんぱい」
 大丈夫だからちゃんと言って、という気持ちを込めて、甘く甘く呼びかけた。
 間違いなく、緩みまくったデレデレの笑みを浮かべているだろう。
「ん、ふふっ」
 口角にしまりがないから、先程から小さな笑いがたびたび溢れまくってもいる。
「その顔は、ズルい、だろ」
「えへへ、知ってて、やってます。だから、ね」
 おねだりしてくださいとはっきりおねだりしてしまえば、先輩が小さく息を吐く。
「ぁ、もぉ、早く、中も弄って欲しい。焦らしてないで、早く、挿れてくれ」
「ふっ、ふふ、りょーかい、です」
 若干やけくそ気味だったのも、それはそれで柔らかな笑いを誘う。おねだり慣れしてないのが丸わかりで、可愛いを通り越してなんだかもう愛おしい。
「じゃあ、ご期待に応えて、中もたっぷり可愛がってあげますね」
「そっ、なの、言わなくて、いい、から」
「却下です。先輩はもっと、俺に可愛がられてる真っ最中なんだって自覚、持って下さい」
 ウキウキで反論しながら、穴に押し当てた指を中へ向かって押し進める。
「んんっ」
 ぬぷぷと入り込んでいく感触と、括約筋の絞め付け。加えて、目を閉じてそれを受け入れる先輩の、安堵と期待を含むどこかうっとりした表情に、股間のペニスがドクリと震えた。

続きました→

 
 
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