無い物ねだりでままならない(目次)

キャラ名ありません。全19話。
大学生の可愛い系小柄後輩(視点の主)×頼りになる系大柄先輩。
2学年差で先輩は4年生。

見た目の可愛さからお前なら抱けると言われがちな視点の主が、性的な目で見ないという理由で懐いていたサークルの先輩が実はゲイネコ(抱かれたい側のゲイ)で、しかも可愛い視点の主を羨ましがっていると知って、恋人に立候補して可愛がってあげたくなる話。
先輩は過去に出会い系で抱かれた経験はあるものの、恋人が居た過去はなし。先輩の過去の男関係の詳細はないものの、過去の行為を匂わすような態度や発言はあります。
視点の主は童貞です。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 月曜2限の空き時間
2話 最後のランチ
3話 クリスマスデート
4話 先輩の親友襲来
5話 しんどい鍋パ
6話 2人きりの帰り道
7話 先輩のカミングアウト
8話 初詣デート
9話 いろいろ準備
10話 開封済みローション
11話 まだ恋人になりたいか
12話 童貞貰って下さい
13話 舐めてくれるの?
14話 そろそろ脱いで(R-18)
15話 おねだりしてよ(R-18)
16話 やらかした(R-18)
17話 先輩と恋人に(R-18)
18話 最高!(R-18)
19話 手を繋いで

おまけメモ。
本編に出せなかった先輩の過去の出会い系ですが、親友に恋人が出来たのをきっかけに自分も恋人が欲しくなって利用しました。しかし、2〜3人であっさり挫折。
自分に出会い系は向かないし、もう恋人を作ろうなんて考えるのはやめよう。と思うようになった決定打は、抱かれたい側なのに抱く側をやらされる羽目になったことで、つまり、先輩は実は非童貞でもある。という設定でした。

 
 
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無い物ねだりでままならない19(終)

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 冬の夜空の下、先輩と並んで自宅へ向かう道を歩く。
 昼を食べそこねたまま先輩の家になだれ込んで致してしまったから2人ともかなり腹ペコで、先輩の家の冷蔵庫に2人分の腹を満たす食材はなく、ピザのデリバリー案や惣菜買い出し案も出たが、そこで先輩を自宅へ連れ込む用に作ったカレーの存在を思い出したからだ。
 じゃあちょっと家に行って取ってきます、と言ったら、先輩が一緒に行くと言って付いてきた。わざわざ持ってくる手間を考えてくれたのと、お前の部屋も見てみたいという理由らしい。
「ね、先輩」
 セックス中ほどではないが、充分に甘ったれた声で呼びかけながら、隣を歩く先輩の手を取って握る。逃げるように軽く引かれた手をギュッと掴んで引き止めた。
 振り払われることはなかったけれど、明らかに一度は逃げた手に、言葉で嫌かと問いかける。
「嫌ですか?」
「嫌、というか……」
 こんな近所で、と戸惑う声が続く。
「もう暗いですし、誰も居ませんけど」
「このまま誰とも会わずにお前の家まで辿り着くかわからないだろう。俺はもう卒業するが、お前はもう2年、ここで暮らすんだぞ?」
「あ、恥ずかしいから、って理由じゃないのか」
 思っていた以上に恥ずかしがり屋だった先輩を見てしまった後なので、人に見られたら恥ずかしいって話かと思っていた。ついでに言うと、先輩を抱いている間、恋人繋ぎと宣言して握りこんだ手をちゅっちゅとしゃぶったりしたから、どちらかというと、色々思い出して恥ずかしい的な意味が大きいのかなと。
「違う」
「俺はむしろ、知り合いが通りかかってくれればいいのに、って思ってますけど」
「は?」
「繋いだ手見せびらかして、先輩と付き合うことになったんだ〜って自慢したい」
 言いながら、指を絡ませるように握り直した。
「お、まえ……」
 マジで言っているのかと先輩は愕然としているが、恋人繋ぎはそのまま受け入れられている。
「マジですけど。まぁヒャクパー俺が抱かれる側って思われますが」
「そこは言わないのか」
「え、言うようなことですかね? 先輩が絶対言えって言うなら考えますけど」
 どちらかというと、可能な限り、誤解させ続けたいと思っている。そういう目に晒されるのには慣れている、というのもある。
 散々お前なら抱ける気がすると言われてきたのだから、余計な情報を与えて周りを混乱させる必要はない。逆だと知られたら、何を言われるかわからない怖さがある。
 自分はともかく、先輩がそれで無駄に傷つけられるのは避けたかった。誰がなんと言おうと先輩は可愛いが、理解できないというヤツらにそれを説こうとは思わないし、そんなのは自分だけが知っていればいいのだ。むしろ自分以外は知らないままでいい。
 それに、先輩が抱かれる側だって知られたら、先輩をそういう目で見るヤツが絶対現れる。絶対、誰かしら頭の中で想像する。
 先輩をそういう視線に晒したくないし、想像の中でだって、可愛い先輩を誰にも見せたくなかった。
 独占欲と嫉妬がひどい自覚はある。
「俺がそんなこと、言うはずがないだろう」
「ですよね。じゃ、そこは内緒で。俺たちだけの秘密……にはならないか」
 クリスマスに会った先輩の親友の名前を上げて、彼には言わなくてもバレますよねと確認する。どちらかというと、親友に恋人が出来た報告はするんだよね、という確認に近い。
「まぁ、そうだな」
「可能なら同席したいです」
「会って伝える予定はないな」
 あとでメッセージを送ると言われて、つまらないなと思う。そう思ったことは、どうやら声に滲んだらしい。
「なんだ」
「会いたいのか?」
「そりゃあだって、自他ともに認める先輩の親友でしょう? 恋人になった俺に助言とか忠告とかくれるかもだし、先輩のことは目一杯可愛がって大切にするから心配しないでくださいねって言っておきたいですし」
「わかった。会いたがっていると伝えておく」
「あ、それは嫌がらないんですね。余計なこと言わなくていいとか言われるかと思いました」
「あいつには色々と心配掛けたからな。きっとお前が自信満々にそんな事を言ったら、大笑いして喜んでくれると思う」
 きっと出会い系の色々も親友には話しているんだろうなと思ったけれど、それを確かめることはしなかった。
 それよりも、自信満々に告げる自分が、先輩の中に居ることが嬉しい。そうイメージして貰えるのが嬉しい。
 その日が来たら、その想像通りに胸を張って、先輩を幸せにしますと、先輩の親友に宣言してやろうと思う。
「会えるの、楽しみにしてます」
 そうこうしているうちに、もう自宅アパートは目の前だ。
 結局、繋いだ手は家のドアの前に着くまで、放されることはなかった。

<終>

最後までお付き合いありがとうございました。
1ヶ月ほどお休みを貰って、更新再開は5月10日(水)を予定しています。

 
 
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無い物ねだりでままならない18

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 今できる範囲で、先輩を気持ちよくしてあげるしかない。というわけで、慎重にゆっくり、けれど確実に、先輩のイイ場所を狙って腰を振る。
「ん、……ん……ぁ……っ」
 恥ずかしそうに顔を横に背けた先輩の口から、堪えきれない喘ぎが控えめに漏れていた。激しく突き上げて、もっとはっきりとした嬌声が聞きたい気持ちもあるが、どうせまた途中で力尽きる可能性のが高い。そう思うと躊躇ってしまうし、緩やかな刺激にトロトロに蕩けた顔を晒す先輩が可愛いので、今はこの顔を堪能しておこうと思う。といっても、見えるのはずっと横顔だけなんだけど。
「俺のちんこで気持ちぃ先輩、めっちゃ可愛い、す。ん、ふふっ、すげぇ、嬉しぃ」
 先輩は蕩けた顔をしているけれど、こちらは発する言葉が随分と蕩けている。その自覚があるから、胸の深いところから溢れるみたいに、小さな笑いが治まらない。
「うぅっ……」
「ね、俺のことも、もっと見て?」
「むり、だっ」
「そう言わずに。顔、こっち、向けてくだいよ」
 嫌だと言うように、先輩が首を横に振る。正面から、その蕩けた顔をもっとじっくり見つめたいのに。多分それがわかっているから、嫌がっているんだろう。
「だーめ。手は離しません」
 ぐいと繋いだ手が引かれる感覚に、逆らうように引き戻してギュッと握りこんでやる。
 両手とも指を絡ませるように繋いでしまったから、どんなに恥ずかしくても、手や腕を使って顔を隠すことが出来ないのだ。もちろん、先輩が本気を出せば、繋いだ手なんて簡単に振り解けてしまうんだけど。でも、恋人繋ぎ、とわざわざ宣言して握った手を、先輩は力技で振り解きには来ていない。
 そういうところも可愛くて、やっぱり幸せが溢れてくる。
 先輩を押さえつけて無理やり気持ちよくしたり、強引に顔を向けさせることは出来ないけれど、でも言葉や態度で、先輩の行動を多少は制限できている。そうすることを、許されている。恥ずかしくて隠れたい気持ちを抑えて、先輩自ら晒してくれている。
「あー、先輩とちゅーしたい。上からも下からも先輩の中入り込んで、先輩の中、全部俺でいっぱいにしたい」
 言いながら、繋いだ片手を口元に引き寄せて、代わりとばかりに人差し指の先にちゅっと吸い付いた。
「舌絡ませて、……ん、きつく吸って……」
 人差し指に舌を絡ませ存分に舐め上げた後、少し深くまで咥えてちゅうっとキツく吸い上げる。
「んんっ」
 きゅっとお尻が締まるのに気を良くして、残りの指も順にペロペロチュッチュと舐め吸っていけば、その度毎に、きゅうきゅうとお尻が締まって気持ちがいい。
「ん、ぁ……ぁっ……」
「っはぁ、気持ちぃ。けど、全然足りない、です。いつか絶対、キスしながらズコズコ続けられるようになるんで、期待して待っててください、ね」
 我ながらバカな宣言をしていると思うが、バカかと呟くような声に批判の色は殆どない。
「本気ですよ、俺。先輩だって、指ちゅーちゅーされるより、舌吸われて、弱い上顎舐められたくないです? それと一緒に前立腺ゴリゴリ擦られて、って考えたら興奮しません?」
 言われて想像しただろうか。今までは肛門あたりがキュッと締まる感じだったのに、腸内がぐにゅっと蠢く感じがした。
「ん、はは、お尻の中、今すごいえっちに動きましたよ。はぁ、俺に口もお尻も同時に気持ちよくされてイッちゃう先輩、想像するだけでヤバい」
 そんな想像をしてしまったせいか、さすがに限界が近い。まずは先輩が気持ちよくなるように、という気持ちから、自分が気持ちよくなる方へ意識が向かってしまう。
「あ、あっ、あっ、ん、んんっ」
 自身が果てるための動きに変わって、先輩が漏らす声が少し大きく、絶え間なくなって、それがまたこちらの興奮を煽っていく。
「あーイキたくないなぁ。ずっと先輩と、こうして繋がってたいのに」
「あ、あっ、ま、まって」
「ごめんなさい、それは、むり」
 だってさっきからお尻の中が本当にエッチな動きをしていて、ペニスを包んでぐにぐにと蠢いているのだ。まるでさっさと射精しろと促しているみたいで抗えない。
 再度、繋いだ先輩の手を引き寄せて、その指にしゃぶりつきながら腰を振る。
「あ、あ、やっ、まっ、ま、ああっ」
 先輩の少し辛そうな声に申し訳なくなりながら、それでも。先輩のお尻がきゅううと強い収縮をするのに合わせて、薄い膜越しではあるが先輩の中に精を放った。
「あ、ああ……」
「はぁ、すご……」
 めちゃくちゃ気持ちが良かったけれど、先輩を置いてきぼりにして自分だけが快感を貪ったのは事実だ。さすがにこのまま、はぁスッキリと、つながりを解いてしまうわけにはいかない。
「あれ……?」
 軽く息をついたあと、先輩をイカせるために先輩のペニスへと手を伸ばして、腹の上に散った白濁に気づく。それを掬って目の前まで持ってきて、軽く匂いを嗅いだ後、ぺろりと舐めてみた。
「ばかっ、やめろ」
「さっき口に出されたのより薄いですけど、せーえきの味がします」
「わかっててやってるんだろう?」
「だって、ところてん無理って言ってませんでした?」
「初めてだっ」
「それ、俺めっちゃ喜んでいいとこですよね?」
 気持ちよかったですかと尋ねる声は弾んでいて、間違いなく、顔はしまりなくニヤニヤと笑っているだろう。
「俺はめっちゃ気持ちよかったですし、最高でした。先輩は? また俺に抱かれたいなって思うようなセックスでした?」
「それも、わかってて聞いてるんだろう?」
「まぁそうなんですけど。でも、出来れば言ってほしいじゃないですか〜」
 言いながら先輩の中から抜け出て、手早くゴムを外していく。体を起こした先輩も、用意していたティッシュやタオルで自身の汚れを拭いている。
「で? 言ってくれないんです?」
 互いにざっと後始末を済ませてから、改めて、先輩の顔を覗き込みながら訪ねてみた。先輩は少し困ったように笑った後、観念したように口を開く。
「俺も、最高だった。いろいろな意味で、な」
「色々な意味?」
「そうだ。ずっと諦めてたし、憧れだったんだ」
「あ、可愛い抱きたい恋人になりたい、って言ってもらう的な?」
「全部叶ったどころか、過剰なくらい可愛いって言われまくったしな」
「だって可愛かったんですもん。今も、可愛いですよ?」
 顔を寄せればそっと瞼が降ろされる。ちゅっちゅと軽いキスを何度か繰り返していたら、先輩がうっとりするように、初めてだったと口にする。
「ところてん?」
「それもまぁそうだが、印象的なのは、抱かれてて酷く安心したのとか、ずっと穏やかに気持ちが良かったとか、だな」
「あ、それ、詳しく聞きたいけど、聞いたら嫉妬でムキーってなるかもしれないやつ!」
 先輩の過去の経験は気になるし、先輩が話せるって言うならいつか絶対聞きたいけど、それはもうちょっとたくさん、お前が最高だよって言葉を聞いた後にしたい。という訴えに、先輩は笑って了解を告げた。

続きました→

 
 
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無い物ねだりでままならない17

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 相手のイイところに当たるように腰をふるのは少し難しかったけれど、落ち着いてゆっくり動けば、狙って刺激することも一応ちゃんと出来ているようだ。
 一度イッておいて本当に良かった。一度出してなかったら、きっと自分の快楽ばかりを追いかけてあっさりフィニッシュしていただろう。
 足を抱え続けるのはやはりちょっとキツくて既に下ろしてしまったが、空いた手で、代わりとばかりに先輩の腹や胸を撫でる。
 おへそはくすぐったいと言われて、身を捩って逃げられかけたから慌てて手を離したけれど、胸の尖りはそこそこ感じるみたいで、とくに左右同時に弄られるのがたまらないらしかった。
 色々試した結果、爪の先でカリカリと掻いてやるのが一番反応が大きかったのだけれど、でもこれもしつこく続けすぎたのか、最後は先輩に両腕を取られて止められてしまった。残念。
「無い物ねだりなのわかってるんですけど、先輩の妨害を振り切って、押さえつけて弄り倒せるパワーが欲しいっ」
 掴まれた手はあっさり離されて、その手はまた先輩の胸を嫌がられない程度に揉み撫でているのだけど、その嫌がられない程度を見極めるのが大変で、いっそこちらにもっと力があればと考えてしまう。先輩の体を押さえつけられる筋力を考えるととんでもないマッチョになりそうだから、先輩が小さくなってくれるんでもいいけど。
「んっ、お前、は、自分より体格が優れたものに、押さえつけられて、無理やり気持ちよくされたいと、思うのか?」
 聞き捨てならないと思ったのか、ドMの才能があるぞと告げる先輩の声は、快楽に身を浸している最中とは思えない冷ややかさだ。
「いえ、全く。言い過ぎました、すみません」
 確かに、自分がされる側だったら、そんなの絶対勘弁して欲しい。
「それに、先輩は身体がおっきいからこそ可愛い、みたいなとこありますもんね。ギャップ萌え? みたいな」
 何を言い出してるんだと変な顔をされて、そういや先輩が小さくなるのもいいなと思ったことは口に出していなかった。
 先輩の身体が小さければ〜、なんて、お前が羨ましいと言った先輩に言っていいはずがないので、余計なことを口走らないで良かったと言う他ないし、わざわざ説明する気もないけれど。
「あー、あれですよ。俺は体もちんこも先輩に比べたら小さいですけど、小さいからこそ発揮できる何かがあったらいいなぁ、っていう希望? みたいなもんです」
「もう、充分に、気持ちがいいが?」
「それはまぁ、わかってんですけど」
 言いながら、とろとろと先走りをこぼす先輩のペニスを軽く撫でてやる。触れるとキュッとお尻が締まってこちらも気持ちがいいけれど、まだまだ先輩と繋がっていたいので、それ以上弄るのはやめておく。
「でももっとこう、また俺に抱いて欲しいって思ってもらえるような、何か凄いの、残したいじゃないですか」
 だってもうすぐ卒業してしまうのだし。絶対恋人になってやるつもりでいるけど、一応はまだ、恋人ではないのだし。
「うやむやになってますけど、俺、先輩の恋人になるの、諦めてませんし」
「……そぅ、だったな」
 言われて思い出した、みたいな気まずそうな顔に、ピンとくる。
「もしかして忘れてました? 俺、先輩の中で、もう恋人扱いになってたりします? しますよね? だって今、そんな顔してる」
 そうだと言って、という気持ちを思いっきり出しつつ迫れば、困ったように苦笑する先輩が、そうだなと肯定を返してくる。
「やったぁ!」
 にっこり笑って、再度先輩の両足を抱えあげる。腕だけでなく、つながる腰も使ってぐっと持ち上げるようにしながら前傾していけば、途中で何をしようとしているかわかったんだろう。
 無理な体勢をさせているだろうか。苦しいのか少し顔をしかめながら、それでも先輩自身も上体を持ち上げてくれる。それどころか、最後は、先輩に引き寄せられるようにして唇が触れ合った。
 こうしてキスをしながら、気持ちいいところを責めてイカせてあげられたらいいのに。という脳内イメージから少し大きめに腰を振ったら、ギュッとしがみつかれて嬉しかったんだけど、いかんせん、そのイメージのまま腰を振り続けるパワーが足りない。
「ううっ、もうちょい筋トレします」
 足を下ろして項垂れれば、先輩の大きな手が、慰めるみたいに頭を撫でていった。

続きました→

 
 
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無い物ねだりでままならない16

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 噂の前立腺は結構すんなり見つかったし、事前申告通り先輩はその場所でかなり感じているようだった。けれど、宣言通りにたっぷり可愛がってはあげられなかった。少なくとも、自分自身の感覚では。
 先輩自身の感覚では、もう充分ってくらいに可愛がって貰った、らしいけど。というか、これ以上はしつこすぎると逃げられたのが正解ともいう。
 ところてんなんて無理って言うから、そこはちゃんと妥協して、ペニスを一緒に弄ってあげたのに。先輩のが口もペニスも体同様に大きいから、先輩がフェラするよりも自分が先輩のを口でする方が大変だと思うのに。喜ばれるより先にかなり驚かれた上に、相当嫌がられてしまった。
 そこはまぁ先輩もしてくれたんだし、もともとが異性愛者だろうが特に抵抗感もなかったし、へーきへーきと押し切ってしまったんだけど。先輩だってそこまで強固には拒まなかったんだけど。
 ただ、自分でもやらかしたかなと思うのは、先輩の射精をそのまま口で受け止めたことと、途中から我慢できなくて、自分自身のペニスを握って扱いていて、先輩が出したあと、追いかけるように自分もイッてしまった点だろうか。
 出るから口を離せと、かなり切羽詰まった声で何度も言われたのに強行したのは、自分の快楽を追うのに必死だったせいもある。片手は先輩の前立腺を弄るのに使われてて、もう片手が自身のペニスを握っているのだから、先輩のペニスを刺激するのに使えるのは口だけだったというのも大きい。
 さすがに飲むのは無理で吐き出してしまったが、それを見つめる先輩の顔は泣きそうだったどころか、多分ちょっと泣かせてしまった後だった。それに、こちらが先輩のをフェラしながら自分で弄ってたのもだいぶ想定外だったらしく、自身の吐き出したものを拭き取っている時は、なんだかショックを受けたような呆然とした顔をしていた。
 先輩の顔を見てやらかしたのを悟ったのと、一度吐き出して少し興奮が収まったのとで、今度こそただただ先輩を可愛がってあげようとしたのだけど、それは実現できなかった。最初は充分可愛がってもらったからと言われたけれど、こっちが足りてないのだと食い下がったら、これ以上指でしつこく弄られるのは嫌だとかなり強固に拒まれてしまったから、多分、そっちが本音だと思う。
 途中から自分の快感を追ってしまったのもあって、先輩への加減を考えること無く責めすぎた、というのもあるのかも知れない。ますます反省したが、再チャレンジはさせて貰えないので、別の方法を考えるしかない。
 といっても、考えるまでもなく、やるべきことはすぐに見つかった。だって後はもう、体を繋ぐだけなのだから。
 多少興奮が収まったとは言え、しっかり勃起を維持している自身のペニスにゴムを被せて、その上からローションを馴染ませる。その間に、先輩も自身のアナルにローションを追加したようだったが、先輩が自分で自分のお尻の穴を弄って広げるのを見せてもらえる的なサービスシーンはもちろんなかった。
 でも先輩の表情の僅かな変化で色々と想像してしまうし、煽られてしまうから、股間のペニスが大きさと硬度を増してしまう。一度出したから大丈夫だとは思っているけど、こんなんで先輩をちゃんと気持ちよく出来るだろうか。
 挿れた瞬間に暴発とかなってしまったら……
 まぁ、そのときは再チャレンジを意地でももぎ取ればいいかと、嫌な想像に怯える心を奮い立たせる。
「せーんぱい」
 先輩が足の間から手を抜いたので、甘ったれた声で呼びかけながら、にじり寄って顔を近づけた。避けられること無く唇同士が触れ合って、それはすぐに舌同士を絡ませる深いものへと変わる。
 唇を触れ合わせたまま軽く相手の肩を押せば、察した様子で身を後ろへ倒していくから、途中までは追いかけて、キスを終えた。
 体位は正常位と決めている。正確には、この短時間で、固くそう決心するに至った。
 体格差を考えたら、後ろから挿れさせてもらった方がこちらは間違いなく楽だろうけれど、でも先輩の顔が見れないのは絶対イヤだなと思ったからだ。感情表現が豊かな方ではないけれど、見つめていればわかることは多いし、先輩が気持ちがいいのも恥ずかしいのもなるべく見逃したくない。
 それに、先輩にも、なるべく自分を見ていて欲しい気持ちもある。先輩を可愛がりたくてたまらないこの気持ちも、先輩を間違いなく可愛いと思っているこの気持ちも、隠す気なんかさらさら無いのだから、先輩に興奮してデレデレにやに下がっている男の顔を存分に堪能すればいいと思う。というか、先輩にはどれだけ伝えても、イマイチ信じてもらえてない気がしている。
 もっといっぱい、思い知ればいいのに。
 そんな気持ちを込めながら、先輩の両足を抱えあげる。先輩は何か言いたそうな顔をしたけれど、正常位で抱こうとするこちらを止めることはしなかった。

続きました→

 
 
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無い物ねだりでままならない15

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 服を脱がせた後、再度布団に転がした先輩の足を開かせて、奥まった窪みに向けてローションで濡れた指を這わす。
 本当はもっと腰を押し上げて、尻タブを広げて、先輩が既に自分で慣らしたといういう、ペニスを迎え入れてくれる予定の穴をじっくり観察したいんだけど。絶対に嫌だダメだと強固に拒まれたので、仕方なく、手探りで目的の穴を目指している。
 誘いをかけた時に、先輩の可愛いとこが色々見たいって言ったはずなのに。
 まぁ、お尻の穴を「可愛いとこ」扱いされる想定がなかった、というのはわからなくもないんだけど。でも丁寧に可愛がってあげたい場所、という認識で間違ってはいないはずで、それを訴えてみたら一応は理解を示してくれたけれども、理解はしても許可できるかは別問題って感じだった。
 照れまくってしどろもどろに、想定外すぎると逃げ腰になる先輩がちょっとかわいそうで、でもそれも結局は可愛いなと結論づける自分の思考に、我ながら感心する。
 先輩が可愛いって言って欲しいなんて言うから、はりきり過ぎてるんだろう自覚もないわけじゃないんだけど。結果、先輩は喜ぶよりも戸惑って照れて大変そうなんだけど。でも嫌がってるわけじゃなさそうだから、このまま突き進むつもり満々だ。
 いずれは慣れて、素直に喜んでくれるようになるかも知れないし。慣れないままでもそれはそれで可愛いなって思えるんだから、きっとなんの問題もない。
 なんてことを考えながら、辿り着いた窪みに指の腹を押し付ける。
「んっ…………はぁ……」
 身構えるように先輩の体に緊張が走ったので、そのまま動かずジッと待っていれば、やがてゆっくりと息が吐き出されてきた。
 いくら自分で慣らし済みと聞いてたって、さすがにいきなり突っ込むわけがないのに。それどころか、丁寧にじっくり可愛がってあげたい場所なんだって、訴えたばかりなのに。
「ヤダって言うから穴の観察はしないですけど、だからって、ここ、いっぱい可愛がってあげたいのまで、無くなるわけじゃないんですよ?」
 言いながら、トントンと軽く穴を叩く。指にまとったローションの影響か、指の腹にちゅっちゅと吸い付いてくるみたいな感触が、めちゃくちゃイヤラシイ。
「ぁっ、……わか、ってる。言わなくて、いい」
「じゃあ、そんな怯えないでくださいよ〜」
「怯えては……ちょっと、緊張してるだけ、だ」
「それ、どういう方向の緊張なんです?」
「んっ……どういう、方向?」
「童貞に好きにさせて痛かったらやだなぁ、とか、お尻で感じちゃうとこ見られるの恥ずかしいなぁ、とか、感じまくって淫乱なのバレたらどうしよう、とか。てか聞きそびれてましたけど、先輩、お尻でオナニー……あ、アナニーって言うんだっけ? それ、してるんですよね?」
 俺の指で弄られても感じられそうですかと聞きながら、穴の周りをゆるゆると撫で擦る。指の腹で感じ取るシワを広げて、その隙間にローションを塗り込むイメージで、くにくにと指先を動かした。
「ん、ぁあ、感じられる、と、ぁ、思っ……」
 既に今現在、気持ちよさそうではあるけれど。
「中も? 前立腺ですっけ、そこも感じられます?」
 再度穴に指の腹を押し付ければ、きゅうと窄まって指先を食もうとしてくる。早く挿れてとねだられてるみたいで、たまらない。
「ぅうっ、そこっ、も、ちゃんと感じる、と、思う」
 赤裸々な質問にずいぶんと恥ずかしそうにしてるくせに、それでも正直に教えてくれるから、ますます期待が膨らんで興奮が増してしまう。んふふと笑いが溢れてしまう。
「ね、前立腺弄られるの想像して、期待しました? 穴がきゅって指先に吸い付いて来てるの、凄くえっちなんですけど。これ、先輩も自覚あったりします?」
 早く挿れてって言われてるみたいだと口から溢れる音が、自分の耳にも甘ったるく響く。ねだられているのではなく、こちらがねだっているのだ。そう自覚せざるを得ないし、先輩だってきっとそれをわかっている。
「ううっ……」
「ね、言って?」
「は、やく……」
「うん」
 待てば絶対、挿れての言葉も聞けるはずだ。ニコニコ笑って頷いて、軽く指先に力を込めはしたが、でもそのまま押し込むことはしなかった。
「ぁ……」
 期待が外れて少しがっかりする先輩も可愛くて、さすがにこれはちょっとヤバいかもしれない。意地悪がしたいわけじゃないのに、本当に何かに目覚めそうだ。
 ただの先輩と後輩では見られない色々な姿を、もっとたくさん引き出したい。先輩が簡単には見せない姿を目一杯可愛がって、グズグズに蕩かせてしまいたい。
「ね、せーんぱい」
 大丈夫だからちゃんと言って、という気持ちを込めて、甘く甘く呼びかけた。
 間違いなく、緩みまくったデレデレの笑みを浮かべているだろう。
「ん、ふふっ」
 口角にしまりがないから、先程から小さな笑いがたびたび溢れまくってもいる。
「その顔は、ズルい、だろ」
「えへへ、知ってて、やってます。だから、ね」
 おねだりしてくださいとはっきりおねだりしてしまえば、先輩が小さく息を吐く。
「ぁ、もぉ、早く、中も弄って欲しい。焦らしてないで、早く、挿れてくれ」
「ふっ、ふふ、りょーかい、です」
 若干やけくそ気味だったのも、それはそれで柔らかな笑いを誘う。おねだり慣れしてないのが丸わかりで、可愛いを通り越してなんだかもう愛おしい。
「じゃあ、ご期待に応えて、中もたっぷり可愛がってあげますね」
「そっ、なの、言わなくて、いい、から」
「却下です。先輩はもっと、俺に可愛がられてる真っ最中なんだって自覚、持って下さい」
 ウキウキで反論しながら、穴に押し当てた指を中へ向かって押し進める。
「んんっ」
 ぬぷぷと入り込んでいく感触と、括約筋の絞め付け。加えて、目を閉じてそれを受け入れる先輩の、安堵と期待を含むどこかうっとりした表情に、股間のペニスがドクリと震えた。

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