お題箱より「スレンダーな兄が、自分より体格が良い弟に襲われ、快楽に逆えず兄としての尊厳をへし折られる、的な短編。年齢差は3歳位」な話その2
その1はこちら → 知ってたけど知りたくなかった
ぐじゅ、だとか、ちゅぷ、だとか。下腹部で発している湿り気を帯びた卑猥な音を聞きたくない。しかしどんなに耳を塞ぎたくても、両手は背の後ろで脱ぎかけた衣服でもって拘束されている。
ノックもなく部屋に押し入ってきた弟の顔を見た瞬間に、両親が泊まりで出かけると知っていたのに、自分もどこかへ外泊しなかった事を後悔したが遅かった。
三つ下の弟は長いこと運動部で鍛えてきたからか、身長はそこまで差がないものの、細身体型の自分と違ってガッシリとした筋肉をまとっている。つまり体格的にも筋力的にも、最初からこちらに勝ち目なんか欠片もない。
弟の気持ちにはなんとなく気付いていながら長いこと放置していたのも、半月ほど前に意を決した様子でなされた告白を手酷く振ったのも自分だ。だが、それ以降あからさまにこちらを避け続けていた弟が、親の留守を狙ってこんな真似を仕掛けてくるとは、さすがに予想できなかった。
あっという間に詰め寄られて、引きずられるようにベッドの上に投げ出された後、無理やり服を剥ぎ取られて行く間に、敵わないとわかっていながらも一応は抵抗した。身を捩って手足をばたつかせれば、早々に腕も足も手早く拘束されてしまったが、それでもなお、やめろ、バカ、正気に返れ、俺はお前の兄貴だぞと、必死に声を上げもした。
けれど弟は手を止めることなく、黙々と作業に没頭している。視線を合わそうとはしないから、酷い真似をしているという意識はちゃんとあるんだろう。
何をする気かという目的は、尻の谷間にローションを垂らされ、尻穴に指を突っ込まれればさすがに理解しないわけには行かないが、到底受け入れられるわけがない。自分の想いが受け入れられなかったからと言って、こんな強行が許されるはずがないし、許してはいけない。
なのに。
しつこく尻穴をかき混ぜられて、時折、ありえない感覚に襲われている。腰が甘くしびれるような、いわゆる快感と呼べそうなもの。
わざとらしくクチュクチュと音を立てられるのに合わせて、あああと溢れてしまう声だって、だんだんと嬌声じみている。
嘘だ嘘だ嫌だダメだと思うのに、体は間違いなく、この行為を気持ちがいいものとして捉え始めていた。
「ひぅっ!」
ずっと尻穴ばかりを弄られていたのに、突然さらりとペニスを撫でられ息を飲む。
「ぅっ、ぁっ、や、めっ、やだぁっ」
尻穴を弄られながら勃起している、という事実を知らしめるように、何度か育ったペニスを根本から先端まで往復していた手が、とうとうそれを握って扱き出す。そしてすぐさま、尻穴に突っ込まれた指が、同じリズムで穴を前後しだした。
「ぁっ、やっ、ぁあっ、だめだめだめっ」
たぶん数分も保たなかった。あっという間に弟の手の中で射精すると同時に、尻穴をきゅうきゅうと締め付けてしまうのがわかって恥ずかしい。
大きく息を吐いて、終わった、と思った。こんなこと許してはいけないのに、弟の手でイカされてしまった。
じわりと浮かぶ涙を隠すようにシーツに顔をすりつけながら、意識的に深めの呼吸を繰り返す。
「気は、済んだのか。済んだなら、ぁ、えっ、ちょっ」
まずは拘束を解かせて、それから説教を。なんて考えを嘲笑うかのように、また尻穴に埋められた指がグニグニと動き出す。
そこから先、弟の手で何度絶頂させられたかわからない。
手足の拘束は弟と繋がる直前には解かれたが、それはつまり、弟を受け入れたのと同義でもある。黙々とこちらの体を弄り回していた弟は、こちらが確実に快感に抗えなくなった辺りから少しずつ言葉を発するようになったが、諦めて受け入れろと繰り返すそれはまるで洗脳だった。
尻穴とペニスとを同時に弄られて上り詰める快感を知った後、追い詰められてイキたくてたまらなくなったところで刺激を止められるのを繰り返されたら、頼むからイカせてくれと泣いてねだってしまったし、そこに、弟の恋人になればなんていう条件を出されて突き返せはしなかった。
こんな強引な方法で、と軽蔑する気持ちも、叱りつけたい気持ちもあるが、弟に抱かれて絶頂する自身を、随分と愛しげに見つめる目を前にしたら何も言えそうにない。
それでもちょっとした意趣返しで、絶頂時に縋り付く弟の肩や背に、思い切り爪痕を残してやった。弟は痛いと言いながらも満足げに笑っているから、ちっとも仕返しになっていない可能性のが高いけれど。
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