ツイッタ分(2020年-2)

ツイッターに書いてきた短いネタまとめ2020年分その2です。
その1はこちら→

有坂レイへのお題は「君がいる日常」、アンハッピーなBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。
#140字BL題 #shindanmaker https://shindanmaker.com/666427

この気持ちに気づく前は、当たり前に君がいる日常はただただ幸せだった。でも気づいてから先は違う。一緒に過ごす時間の幸せが、少しずつ恐怖の感情に塗り替わっていく。結局嫌われるなら、気持ちを知られての嫌悪より、勝手に消えたことへの怒りがいい。だから君がいる日常を捨てる俺を追いかけないで

有坂レイへのお題は「実らなくても恋は恋」、あからさまなBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。
#140字BL題 #shindanmaker https://shindanmaker.com/666427

これはもう恋なのだと思う。相手は実の弟で、自分は兄で、つまり血が繋がっている上に同性だ。実るはずがないどころか、そもそも実らせる気など欠片もない。だからせめて、この好きって気持ちが恋だってことを、自分だけでも認めてあげたい。


クリスマス(ツイッタ分2019年「一次創作BL版深夜の真剣一本勝負 第287回」の二人です)

 随分疲れた顔をしてるから、なんて理由で差し出された袋の中にはカップケーキとか言うらしいものが入っていて、明らかに手作りとわかる見た目と包装だったけれど、めちゃくちゃに美味しかった。もっと食べたくてまた持ってこいよと言ってみたら、渡されたのはカップケーキではなくクッキーだったけれど、それもやっぱりすごく美味しくて更に次をねだった。
 お菓子作りが得意な彼女持ちなんだと思っていたし、羨ましさと妬ましさも含んでのタカリだった自覚はある。くれと言えばそう強い抵抗もなく渡されるから、こんな不義理な男がなぜモテるのだと不思議に思うこともあった。まぁそれに関しては、結局顔かと、一応は納得していたのだけれど。
 それがまさかそいつ本人の手作りで、菓子作りが趣味と知ったのは数ヶ月ほど前だ。その時に、彼女の手作り菓子を巻き上げてるつもりだったのを知られてドン引かれ、菓子のおすそ分けを停止されそうになったけれど、食い下がって謝って止めないでくれと頼み込んでなんとか事なきを得た。
 既に彼の作る菓子の虜なのだと、彼自身に伝わったせいだろう。頻度も量も変わらず、いろいろな菓子を渡してくれる。
 しかも、貰った菓子はだいたいすぐにその場で食べるのだけど、美味いと言って食べる姿を見る目は、以前よりもはっきりと嬉しそうだ。
 作った相手が目の前にいるということで、こちらも前よりは詳細に味の感想を言うようになったせいか、得意げにこだわりの部分を話してきたりもするし、リクエストに応じてくれることもある。
 キラキラと目を輝かせて楽しげに語ってくれる様子から、本当に菓子作りが好きなことは伝わってくるのだけれど、顔の良さでモテてるんだろうと思っていたような美形の、キラキラな笑顔を直視するはめになったのだけはどうにも対応に困っている。
 好きなのはお前が作る菓子だけと断言した際に、対抗するように、好きなのは菓子を作ることだけだからご心配なくと断言されているのに。最近は菓子を食べながらドキドキしてしまうことがあって怖い。美味い菓子が好きなだけのはずが、美味い菓子を作ってくれる相手のことまで好きになっている可能性を、そろそろ否定しきれない気がするからだ。
「メリークリスマス」
 そう言って差し出された透明な袋の中には、いかにもクリスマスな感じの型で抜かれたクッキーが数枚入っていて、やっぱりクリスマスを意識したらしい赤と緑のリボンが掛かっている。ただ、思っていたよりはシンプルだ。もっと気合の入りまくったものを作ってくるかと思っていた。
「まぁそれはオマケみたいなものだからね」
「は? オマケ?」
「ガッツリデコレーションしたケーキとか、学校持ってこれないし」
「つまりこれの他にデコレーションケーキを作ったって事か?」
「だけじゃなくて、ほかも色々。だってクリスマスだし、僕の趣味家族公認だし」
 彼が自宅で作る菓子の大半は、家族が消費しているというのは聞いたことがある。
「ああ、なるほど。家でパーティーとかするタイプか」
「しないの?」
「しない」
 大昔はそんなこともしていたような記憶があるが、両親は共働きで一人っ子となると、家族揃ってクリスマスパーティーなどもう何年も記憶にない。イベントという認識はあるようで、少しばかり渡される小遣いが増える程度だ。
「じゃあ来る?」
「は?」
「うちの家族に混ざってパーティーする?」
「え、なんで?」
「いやだって、なんか、食べたそうな顔したから」
「そりゃ興味はあるけど」
 彼が作る、学校には持ってこれないという菓子を食べてみたい気持ちはある。それを食すなら、彼の家に行かねばならないのもわかる。わかるけど。
「無理にとは言わないけどさ。でも実は、お前に予定ないなら誘おうと思って、お前の分のゼリーとかも用意してある」
「……行く」
 そこまで言われて、行かないという選択肢は選べないだろう。
 自分の分が既に用意されていると聞いた上で、楽しみだとキラキラな笑顔を振りまかれたら、なにやら期待しそうになる。でも相手は、作った菓子を美味しいと絶賛する人物に食べさせたいだけなのだとわかっているから、零れそうになる溜め息を隠すように、貰ったクッキーを口に詰め込んだ。


今年は6月の5周年を機に不定期更新となり、結果、殆ど更新のない状態ですが、それでも覗きに来て下さっている皆さんにはとても感謝しています。本当にどうも有難うございます。
結局、不定期更新になってから先に書けたものは少ないですが、最悪1年の長期休暇になる覚悟もしての隔日更新停止だったので、チャット小説という新しいことにチャレンジできたり、名前を呼び合うカップルが書けているという点では結構満足してたりです。
CHAT NOVELさんに納品済みの残り2作品の後日談はすでに書き上げてあり、年明け6日と8日にそれぞれ公開されるそうなので、それを待っての投稿となります。これは年明けのご挨拶でもう少し詳しく色々お知らせ予定です。
今年は新型コロナの影響で生活が大きく変わりましたし、この年末年始も色々と制限がありますが、感染対策を取りつつ少しでも楽しく過ごせればと思っています。
今年もあと残り数時間となりました。来年もどうぞよろしくお願いします。

 
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それはまるで洗脳

お題箱より「スレンダーな兄が、自分より体格が良い弟に襲われ、快楽に逆えず兄としての尊厳をへし折られる、的な短編。年齢差は3歳位」な話その2
その1はこちら → 知ってたけど知りたくなかった

 ぐじゅ、だとか、ちゅぷ、だとか。下腹部で発している湿り気を帯びた卑猥な音を聞きたくない。しかしどんなに耳を塞ぎたくても、両手は背の後ろで脱ぎかけた衣服でもって拘束されている。
 ノックもなく部屋に押し入ってきた弟の顔を見た瞬間に、両親が泊まりで出かけると知っていたのに、自分もどこかへ外泊しなかった事を後悔したが遅かった。
 三つ下の弟は長いこと運動部で鍛えてきたからか、身長はそこまで差がないものの、細身体型の自分と違ってガッシリとした筋肉をまとっている。つまり体格的にも筋力的にも、最初からこちらに勝ち目なんか欠片もない。
 弟の気持ちにはなんとなく気付いていながら長いこと放置していたのも、半月ほど前に意を決した様子でなされた告白を手酷く振ったのも自分だ。だが、それ以降あからさまにこちらを避け続けていた弟が、親の留守を狙ってこんな真似を仕掛けてくるとは、さすがに予想できなかった。
 あっという間に詰め寄られて、引きずられるようにベッドの上に投げ出された後、無理やり服を剥ぎ取られて行く間に、敵わないとわかっていながらも一応は抵抗した。身を捩って手足をばたつかせれば、早々に腕も足も手早く拘束されてしまったが、それでもなお、やめろ、バカ、正気に返れ、俺はお前の兄貴だぞと、必死に声を上げもした。
 けれど弟は手を止めることなく、黙々と作業に没頭している。視線を合わそうとはしないから、酷い真似をしているという意識はちゃんとあるんだろう。
 何をする気かという目的は、尻の谷間にローションを垂らされ、尻穴に指を突っ込まれればさすがに理解しないわけには行かないが、到底受け入れられるわけがない。自分の想いが受け入れられなかったからと言って、こんな強行が許されるはずがないし、許してはいけない。
 なのに。
 しつこく尻穴をかき混ぜられて、時折、ありえない感覚に襲われている。腰が甘くしびれるような、いわゆる快感と呼べそうなもの。
 わざとらしくクチュクチュと音を立てられるのに合わせて、あああと溢れてしまう声だって、だんだんと嬌声じみている。
 嘘だ嘘だ嫌だダメだと思うのに、体は間違いなく、この行為を気持ちがいいものとして捉え始めていた。
「ひぅっ!」
 ずっと尻穴ばかりを弄られていたのに、突然さらりとペニスを撫でられ息を飲む。
「ぅっ、ぁっ、や、めっ、やだぁっ」
 尻穴を弄られながら勃起している、という事実を知らしめるように、何度か育ったペニスを根本から先端まで往復していた手が、とうとうそれを握って扱き出す。そしてすぐさま、尻穴に突っ込まれた指が、同じリズムで穴を前後しだした。
「ぁっ、やっ、ぁあっ、だめだめだめっ」
 たぶん数分も保たなかった。あっという間に弟の手の中で射精すると同時に、尻穴をきゅうきゅうと締め付けてしまうのがわかって恥ずかしい。
 大きく息を吐いて、終わった、と思った。こんなこと許してはいけないのに、弟の手でイカされてしまった。
 じわりと浮かぶ涙を隠すようにシーツに顔をすりつけながら、意識的に深めの呼吸を繰り返す。
「気は、済んだのか。済んだなら、ぁ、えっ、ちょっ」
 まずは拘束を解かせて、それから説教を。なんて考えを嘲笑うかのように、また尻穴に埋められた指がグニグニと動き出す。
 
 そこから先、弟の手で何度絶頂させられたかわからない。
 手足の拘束は弟と繋がる直前には解かれたが、それはつまり、弟を受け入れたのと同義でもある。黙々とこちらの体を弄り回していた弟は、こちらが確実に快感に抗えなくなった辺りから少しずつ言葉を発するようになったが、諦めて受け入れろと繰り返すそれはまるで洗脳だった。
 尻穴とペニスとを同時に弄られて上り詰める快感を知った後、追い詰められてイキたくてたまらなくなったところで刺激を止められるのを繰り返されたら、頼むからイカせてくれと泣いてねだってしまったし、そこに、弟の恋人になればなんていう条件を出されて突き返せはしなかった。
 こんな強引な方法で、と軽蔑する気持ちも、叱りつけたい気持ちもあるが、弟に抱かれて絶頂する自身を、随分と愛しげに見つめる目を前にしたら何も言えそうにない。
 それでもちょっとした意趣返しで、絶頂時に縋り付く弟の肩や背に、思い切り爪痕を残してやった。弟は痛いと言いながらも満足げに笑っているから、ちっとも仕返しになっていない可能性のが高いけれど。

 
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知ってたけど知りたくなかった1

お題箱より「スレンダーな兄が、自分より体格が良い弟に襲われ、快楽に逆えず兄としての尊厳をへし折られる、的な短編。年齢差は3歳位」な話

 終電で帰宅した夜遅く、音に気をつけながら静かに上り終えたアパートの階段上で、ギクリとして足を止めた。
 自宅のドア前に座り込んでこちらを睨んでいた塊が、ゆっくりと立ち上がる。三歳下の弟だ、という事にはさすがにすぐに気付いたが、なぜここに居るのかはわからない。
「今日は、帰ってこないのかと思ってた。おかえり」
 掛けられた声は穏やかだけど、顔は不満げで怒っているようにも見えた。ポケットから取り出して思わず確認してしまった携帯には、やはり弟からの来訪を告げるような連絡はない。
「あんま脅かすなよ。めっちゃビビった。で、なんで、居るの?」
「ちょっと、今日中に確かめたいことがあって……」
 様子がおかしいのはあからさまだから、余程の何かを抱えているらしい。親のことか、就活か、大学関係か、バイト先関係か。別に相談に乗るくらいは構わないけれど、もう実家を出ているのだから、いきなり部屋に押しかけてくるのはどうなんだ。
「だとしたって、連絡くらいしろよ。週末だし、帰ってこないことだって、あるんだぞ」
 実家と同じノリで、帰ってきたなら話聞いてよと押しかけてくるには、今は互いの部屋の距離が有りすぎる。もう数歩で行き来できる隣の部屋ではないのに。
「ほら、入って」
 鍵を開けてドアを引き促せば、大人しく家の中に入っていく。勝手知ったるとばかりに暗い中をどんどん部屋の奥へと進んでいく相手を、廊下や部屋の明かりをつけつつ追いかける。
「今日はもう、帰ってこないのかと思ってた」
 テーブルセットもソファもない部屋なので、座る場所がそこしかなかった、というのはわからなくもないのだけれど、何の断りもなく部屋の奥に置かれたベッドに腰を下ろした弟が、疲れた様子で大きく息を吐く。会った最初も同じことを言われたが、どうやら、なかなか戻らない自分によほど焦らされていたらしい。
 連絡もなく来るからで、自業自得だ。でも、ギリギリ終電に間に合って良かったなと思う程度には、この勝手な弟の来訪を受け入れてしまっている。
「まぁ今日は、泊まりになるほど盛り上がんなかったからな」
「へぇ。てことは、今日一緒に居たのって、恋人とかではないんだ?」
「週末に恋人と過ごしてたら、間違いなく帰ってきてないだろ。良かったな、俺に恋人居なくって」
「そうだね」
 うっかりアパートの廊下で一夜を過ごさなくて済んで、という意味の自虐だったのに、相手はムスッとしていてそっけない。
「なぁ、お前、ホント、どうしたの?」
 自分もベッドに近づいて、真正面から相手を見下ろしてやる。弟といいつつ、とっくの昔に背を抜かれ、ずっと運動部だったせいか横幅だって下手したらひょろい自分の倍くらいありそうなので、いつもは見上げなければいけない相手を見下ろせるのはちょっとだけ気分がいい。
「兄ちゃんが聞いてやるから、話してみ」
 久々に兄貴風を吹かしている気分の良さと、相手の不機嫌さに釣られて、相手の頭に手を乗せてヨシヨシと撫でてやれば、じっとこちらを見上げていた目がゆるっと細められて、口の端が上がっていく。しかし、頭を撫でられて多少なりとも機嫌を良くするなんて、図体はデカくなってもなんだかんだ可愛いとこはある、なんて思ったのもつかの間、頭に乗せていた手を掴まれ引かれて慌てる。
「おわっ、ごめっ、え、ちょっ」
 前のめりに弟にぶつかった体はあっさり抱きとめられて、気づけばベッドに背中が付いていた。
「えっ……?」
 こちらをベッドに押さえつけるようにして上から見下ろしてくる弟の顔は、もちろん欠片も笑っていない。ジッと見つめてくる顔に焦るのは、そこに紛れもなく男の欲を感じ取ってしまったからで、早く逃げなければと思うのに、こんな体勢を取られて逃げられるわけがないとも思う。
 力で無理なら冷静に言葉で、とも思うけれど、焦る頭の中はヤバいだとかマズいだとかどうしようばかり浮かんでいて、相手を引かせる言葉なんて全く思い浮かびそうになかった。

続きました→

 
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兄は疲れ切っている(目次)

キャラ名ありません。全40話。
雄っぱい持ち大学生弟(視点の主)×疲労困憊社会人兄。どちらも女性経験ありで男性経験なし。
同情から雄っぱいを揉ませたことで兄を意識するようになった視点の主が、彼女ができそうという兄に焦って、酔い潰して先に体だけ手に入れたら大失敗だった話。
目一杯優しくしても一向に絆されてくれないどころか心を閉じていく兄と、最終的には恋人同士になります。
21話から先はダラダラと恋人同士の甘ったるいセックスをしているだけですが、S字結腸まで突っ込んじゃったり、後始末でお湯の排泄させたりが混ざってます。描写は控えめ。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 1分百円
2話 酔った兄に絆されて
3話 兄の奢りで居酒屋へ
4話 ラブホ連れ込み(R-18)
5話 兄覚醒と抱く宣言(R-18)
6話 とにかく諦めて(R-18)
7話 泣かれて一時中断(R-18)
8話 再開したけど(R-18)
9話 その後の迷い
10話 上手くいかない(R-18)
11話 兄だけ先に(R-18)
12話 兄の口奉仕(R-18)
13話 精飲と湧き上がる怒り(R-18)
14話 嫌だと言えば開放する
15話 兄の告白
16話 ポンコツなりに必死
17話 兄の惨めさの正体
18話 土下座で謝罪
19話 セックス前から好きだった
20話 やっと恋人同士
21話 初デートの余韻を残して
22話 ちっぱい堪能(R-18)
23話 襲っていいよ
24話 嬉しくて仕方がない(R-18)
25話 いつもと違って(R-18)
26話 耳元に甘い声(R-18)
27話 ゴムを口で着けてみたい
28話 初の対面座位(R-18)
29話 兄が自分で(R-18)
30話 初トコロテン(R-18)
31話 もっと、愛して(R-18)
32話 中出しマーキング(R-18)
33話 奥までじっくり(R-18)
34話 奥のその先(R-18)
35話 これから先はいつだって
36話 抱っこで風呂場
37話 後始末のお手伝い了承
38話 排泄中だって可愛い(R-18)
39話 湯船でうとうと
40話 おやすみ

 
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ツイッタ分(2018)

ツイッターに書いてきた短いネタを纏めてみました。

有坂レイへのお題は「爪痕」、ぬるいBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。

爪痕とか残してくれても良いんだよと君は言う。まだ僕らがただの友人だった頃、君は彼女の残した爪痕を誇らしげに見せつけてくれたっけ。つまり君にとっては、恋人から貰う爪痕は愛の証なんだろう。ねぇ、でも、男の握力でその背に縋ったらどうなると思う?
だからこの手に握るのはシーツでいいんだ。


有坂レイへの3つの恋のお題:可愛いにも程がある/試してみる?/ありふれた言葉だけど
https://shindanmaker.com/125562

好きだと言ったら俺もと返った。友情じゃなくて恋愛感情でと訂正すれば、やっぱり俺もと返ってくる。本当にわかってんのか。なら俺とセックス出来るっての?と聞けば、なら試してみる?と言って相手が笑った。近づいてくる彼に、心臓が跳ねる。

ありふれた言葉だなと思いながらも、なら試してみる?と笑いかければ、目の前の男の顔が赤く染まった。距離を詰めるように踏み出せば、逃げるように後退る。逃がすわけない。腕を掴んで引き寄せてその顔を覗き込む。少し怯えるみたいに揺れる瞳。自分で誘ったくせに可愛いにも程があるだろ。


有坂レイのクリスマスへのお題は『背中越しに感じるぬくもり・やわらかい唇・カラフルな世界』です。

ぼんやりと電車の中の釣り広告を見ていたら、今から行こうか、と隣に立つ男が言った。嫌だよ、と言えば、なんでと返される。いくら恋人という関係だって、男二人でクリスマスイルミネーションを見に行くのはなんとなく抵抗がある。けれど気にする必要ないって返ってくるのはわかっていたから、理由は言わなかった。言わなかったのに、誰も気にしないって、と返ってくる。
結果、抵抗しきれず連れて行かれたカラフルな世界に圧倒されて、やっぱりぼんやりと立ち尽くしてしまえば、ふいに背中に暖かなぬくもりと重みが掛かる。ビックリして肩を跳ねたけれど、やっぱり誰も気にしないって、という優しい声音と共に、耳にやわらかな唇がそっと触れたのがわかった。

年下攻めにカウントダウンされ追い詰められてく年上受け見たい、というたまたまTLに流れてきた人様のツイートに反応してしまった結果

 目の前の青年とは、親子ほども年が離れている。なんせ同い年の友人の息子なので。
 数年前のあの日、幼いながらも友人と良く似た真剣な顔で、好きだと言われ、付き合って欲しいと請われて魔が差した。
 遥か昔、まだこの彼が生まれるよりも前、友人の結婚報告を聞いた時に枯れたはずの想いが、胸の奥で疼くのを感じてしまった。もとより告げる気などなかった癖に、枯らしきって捨てる事すら出来ないまま見ないふりを続けてきた、どうしようもなく臆病で卑しい自分を知っている。
 十年後も同じ事が言えたら付き合ってやるだなんて、言うべきじゃなかった。きっと友人そっくりに育つのだろう目の前の少年に、少しだけ夢を見てしまったのだ。
 昔、叶うことのなかった想いを掬い取られ、大好きだった男の顔と声が、自分に好きだと告げてくれるかも知れない、なんて。  
 年々、出会った頃の友人に似ていく彼に、年々、あと何年だと嬉しげにカウントダウンされるたび、追い詰められていくのがわかる。このまま彼の想いが続いてしまったらどうするんだと、今更ながら焦りが募る。子供の想いを甘くみて、続くはずがないと思ったからこそ、そこにチラリと夢を見ただけだった。
 いつか友人にこの約束を知られて失望されるのは怖くて、なのに約束をなかったことにして目の前の彼に失望されるのも嫌で、身動きが取れないまま、またひとつ、カウントダウンの数字が減った。


BLサイコロ「来年のカレンダー記念日にこっそり印をつける」

 弟の部屋に早々と来年のカレンダーが飾られているのを知ったのは偶然だ。先日、夕飯だと呼んでいるのにちっとも降りてこないから、直接呼んで来いと母に言われて部屋まで行った。
 ドアを叩けばすぐにチョット待ってと返ってきたから、寝ていて気づいていないとかではないらしい。一応、開けるぞと宣言してから、内鍵などない部屋のドアを開けたら、弟は腕組みの仁王立ちで壁を睨んでいるようだった。正確には、壁ではなく、壁にかかったカレンダーをだ。
「何してんの?」
「んー、カレンダーの位置、決めてるだけ」
「いやまだ早くない?」
「そうなんだけど。でもせっかく届いたし、早く飾りたいなって」
 表紙もいいから、1月になっていきなり表紙を破って捨ててしまうのが勿体無いらしい。そもそも自分の部屋には壁掛けのカレンダーなど置いていない身としては、わざわざ好みのカレンダーを通販してまで部屋に飾る、という弟の嗜好が今ひとつわからない。でも相当真剣にカレンダーを飾る位置を悩んでいるのはわかった。わかったが、夕飯の時間だということも分かって欲しい。
「それはわかったけど、でも先に夕飯食っちゃってよ」
 夕飯後にゆっくり決めてといえば、確かにと苦笑してやっとこちらに振り向いた。
 そして今現在、弟は外出中で家に居ない。鍵の掛からないドアを開けて、ペンを片手に弟の部屋に忍び込む。カレンダーの記念日に書き込みしてやれという小さなサプライズだ。
 だって今年の夏の終わり、ふと気づいて一年経ったなって言ったら、めちゃくちゃ慌てた様子でケーキを買いに走っていった。別に記念日を祝いたいなんて気持ちで言ったわけではなかったのだけれど、それでも、兄弟で恋人だなんて関係になったことを欠片も悔いていないどころか、一周年を共に祝おうとしてくれる態度にホッとしてしまったのも事実だった。
 来年は絶対に忘れないから、また一緒にお祝いしようと言い切る弟が、頼もしくて大好きだ。でも記念日をしっかり覚えていて祝う、というのにあまり向かない性格なのも知っている。なんせ、自分の誕生日すら忘れきっている年がある。
 だからこそ、カレンダーに書き込んでおいてやろうと思った。その月になったらちゃんと気づけるように。
 けれど、目的の月の頁をめくれば、そこにはすでに印が付いていた。日付の端に付けられた小さな赤いハートに違和感はあるものの、意味がわかっていれば照れくささが半端ない。
 しばしそれを見つめてひとしきり一人で照れたあと、別の月のページを捲った。そこには何も印がない。だから用意してきたペンで、目当ての日付のマスにHappy Birthdayと書き込んだ。


これで今年の更新は最後になります。
一年間お付き合い下さりどうもありがとうございました〜
連載中の「兄は疲れ切っている」が年内にエンド付かなかったので、今の所、2日から通常通り更新していく予定でいます。

 
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兄が俺に抱かれたいのかも知れない

 両親共働きで一番先に帰宅する自分が、帰宅時に郵便物を確認することになっている。両親宛のものやチラシ類はダイニングのテーブルに、兄宛のものは兄の部屋の机の上に、自分宛てはもちろん自室に持ち帰るのだが、兄宛のDMを届けた時にふと、兄の勉強机の棚に並んだ参考書の中に漫画本が紛れていることに気づいた。しかもなぜか背表紙が見えないように前後ろに突っ込まれている。
 なんだこれ、と思った時にはそれを引っ張り出していた。
「うわっ」
 肌色の多い表紙に、あ、これ、エロ本隠してたのかということに気づいて慌てたが、すぐに違和感に気づいてマジマジとその表紙を見つめてしまう。
 あれ、これ、もしかしなくても男同士なんじゃ……?
 うわーうわーと思いながらも、手は勝手に表紙を捲り始めてしまう。そして当然の流れとして、そのままそれを読み始めてしまった。しかもしっかり椅子に腰を下ろして。
 読んでいる間にも、脳内にはうわーとかひえーとかの言葉にならない驚きが渦巻いていて、読み終えた後は心臓がバクバクと痛いくらいに脈を打つ。
 知らなかった。兄にこんな趣味があったなんて。というか、他にも隠してたりするのかな?
 部屋を漁ったなんて知られたら絶対に怒られるけど、好奇心には勝てなかった。そんなわけで定番のベッドの下から、数冊新たに発見した漫画を兄の勉強机に積み上げ、黙々と読み耽る。
 やっぱりうわーひえーうわーと思いながらページを捲ってどれくらいの時間が過ぎただろう。
「おい、何してる」
 カチャッとドアノブを捻る音、ドアが開く気配、そして兄の慌てた声が続いた。振り向き兄を見つめる顔は、間違いなく赤くなっているだろう。羞恥でってよりは、興奮で。
「兄ちゃんさ、これオカズに抜いてんの?」
 手にしたままの漫画を掲げれば、多分羞恥で顔を赤くしている兄が、怒ったみたいな険しい顔でドスドスと荒い足取りで近づいてきて、手の中からそれを取り上げてしまう。バンッと音が立つくらい勢いよく漫画を閉じて、それをベッドの方に向かって放り投げる。しかもその後も無言で、机の上に積み上げた漫画を、取り敢えずみたいな感じにベッドへ向かって全部投げてしまう。
 動揺しすぎ。いや、気持ちはわかるけど。
 弟に兄弟ものの、しかもことごとく兄が弟に抱かれてるような描写が入ったエロ本見つかって読まれるってどんな気分? って聞きたい気持ちをどうにか堪える。だって他に聞きたいことがたくさんある。
「ゲイなの?」
「ち、がう……」
「んじゃ腐男子とかいうやつ?」
「は? お前、何言って?」
「あれ? 違った? BLって言うんだろ、ああいう漫画。で、それを楽しむ女子が腐女子で男なら腐男子」
「いや、違ってない、けど。えっ、お前、気持ち悪くねぇの?」
「ビックリはしたけど、気持ち悪かったら部屋漁ってまでして何冊も読まないって」
「いやでも、だって、」
「んでさ、ゲイじゃないなら、あれはそういう漫画のいちジャンルとして楽しんでます、みたいな感じなの?」
「そ……だよ」
 困ったように視線が泳ぐから、これはきっと期待していい。
「なーんだ。残念」
「残念?」
「俺、読んでて結構興奮したけど。兄ちゃんが、あの漫画みたいなこと、俺にされたいのかと思って」
 椅子に座ったままなので、見上げる兄の既に赤い顔が、更にぶわっと赤味を増していく。
「ね、正直にいいなよ。そしたら兄さんのこと、俺がうんと可愛がってあげる」
 さっき読んでた漫画の中のセリフを投げかければ、兄はすぐに気づいたようだった。
「おまっ、それっ」
「あはは。さすがにすぐわかるね。読み込んでるね」
「からかうなよっ。つかもうお前、部屋出てけ。でもって忘れろ。全部忘れろ」
「いやですー。てか、からかってないし」
 もう一度正直にいいなと促せば、うっと言葉に詰まった後、なぜかゲンコツを落とされた。
「暴力反対!」
「お前が悪いっ」
「なんでよ」
「勝手に部屋漁んなバカヤロウ」
「漁ってすぐ出てくるとこに置いとくとか、俺に見つけて欲しかったってことじゃないの」
「違うったら違うっ」
「えーもー漫画と違って全然すんなりいなかいじゃん」
「当たり前だろ。あれはフィクション」
「でもさ、兄ちゃん気づいてる?」
「何を?」
 そんなの、漫画みたいなことをされたいのかという質問に、顔を赤らめただけで否定はしてないってことをだ。

お題提供:https://twitter.com/aza3iba/status/1011589127253315584

 
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