兄は疲れ切っている4

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 連れ込んだラブホテルの大きなベッドに兄を転がし、取り敢えずでシャワーを浴びて出てくれば、兄はすっかり夢の中の住人だった。警戒心なさすぎだし無防備すぎだし隙だらけだけど、実の弟相手に貞操の危機だのを感じろという方が無理な話だというのはわかっているので、むしろこんな簡単に油断してもらえる立場を有難がっておくほうがいいだろうか。
 下着ごとズボンを脱がせても、大きく足を開かせてローションまみれの手をそっと尻穴に触れさせても、深い眠りに入っているのか兄の反応はない。皺をなぞるように何度も撫で、押し当てた指先を揺らしてクチュクチュと音を立ててやると、やっと小さく、むずかるような鼻音が漏れる。指の動きを止めれば、尻穴が蠢き指先に吸い付いてくるようだった。
 ふっ、と笑うような吐息を漏らしながら、そのままゆっくり指先に力を込めていく。最初だけわずかな抵抗を感じたものの、そこを抜ければ後は楽だった。むしろ指が飲み込まれていくような感じさえする。
「ん……っ、……ふ……」
 兄は途中何度か微かに音のある息を吐いていたが、体の力は抜けたままで、目が覚めたわけではないらしい。結果、ローションの滑りを借りて、思いの外あっさり、中指が根本まで兄の尻に埋まってしまった。
 しばらく中指を埋めきったまま動かさず、兄の様子を探る。尻穴に指を突っ込まれているなんて全く気づいてない様子で、相変わらず健やかな寝息を立てているくせに、不規則にキュッキュと中指の根本が締め付けられるのが不思議だった。
 ここを拡げてペニスを突っ込んでも、こんな風にキュムキュムと根本を喰んでくれるのだろうか。そんな想像に、下腹部がズンと重くなる。締め付けられているのは指だけなのに、その指だけでももうかなりキモチイイ。
 学生時代からの彼女とは随分長いこと付き合っていたし、その彼女と別れて1年足らずで次の彼女が出来そうだと言っているのだから、兄にとっては男なんて完全に性対象外だろう。先程触れる前に眺めた尻穴だって、綺麗に放射状にシワが寄っていて、そこを弄って遊んだ様子なんてなかった。
 とはいえこちらも、兄に対して可愛いなどという感情を揺さぶられるようになってから、慌ててゲイセックスに関する知識を詰め込んだので、他人のアナルをしげしげと眺めるのも触れるのも指を突っ込むのも、全部が初めてだった。なので、酔い潰して寝てる間に慣らして拡げるというのは、ある意味正解なのかもしれない。反応が薄いので良し悪しがわかりにくいという難点はあるけれど、暴れて嫌がるのを無理やり押さえ込んでことに及ぶよりは断然マシだろう。
 まぁ、まさかこんなにあっさり次の彼女候補が現れるなんて思ってなかったし、本当はもっと時間を掛けてゆっくり落とす気でいたんだけど。というか実際、雄っぱい求めてすり寄ってくる兄をめちゃくちゃ甘やかしてやってたのは、下心込みだったんだけど。どうやらそれは全く効果がなかったようだ。
 もちろん、仕方がないことだ、というのもわかってはいる。だっていくらグズグズと甘えるようになっていても彼は兄で自分たちは血の繋がりがある兄弟だ。兄が求めているのは、優しい女の子の柔らかなおっぱいで、弟の柔らかな雄っぱいはしょせん偽物のまがい物だ。そしてそもそも、女代わりに抱いてくれって話でもない。弟の下心になど気づけなくて当然だった。
 あの話を聞いた瞬間、取り敢えず既成事実を作ってその体だけでも手に入れてしまおう、なんて事を考え、即座に酔い潰す方向で兄に酒を注ぎまくった判断は、我ながら上出来だったと思う。本人にその気はなかっただろうけれど、雄っぱい雄っぱいと胸に懐かれうっとりされて、どれだけ煽られていたと思っているんだ。初めてその存在を聞いたような会社の女に、横から掻っ攫われるのを指を咥えて見ていられるほど、間抜けでもお人好しでもなかった。

続きました→

 
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