兄は疲れ切っている33

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 背後から抱きかかえるように横になって繋がる、いわゆる背面側位でゆるゆると腰を使う。もちろん、あちこちやわやわと撫でさするのも忘れない。
 胸を手の平全部で包み込んで柔らかく揉み、ぷくりと腫れた小さな先端は指の腹でゆっくりと撫でてやる。二度の放出で重く張り詰めてはいない睾丸を掬うように手の中に収めてふにふにと握り、二度放出しても充分に勃起を保っているペニスをゆるゆると扱いて、先端も優しく指先でくるくると撫でていた。
 先程の宣言通り、どれも強い刺激にならないように、力加減には相当気を遣った。少しでも悲鳴じみた高い声が上がれば、すぐさまもっと弱い、優しく柔らかな刺激に変えていく。おかげで、あっあっと小さく漏れ聞こえてくる声も、きもちぃと繰り返し教えてくれる声も、甘やかで陶酔しきった響きをしている。
「ぁ、ぁんっ……きもちぃ、ぁ、おく、おく、が……ぁ、ああ」
「おく?」
「ん、おく、もっと、おく、まで欲しっ」
「こう? ここ?」
 兄の腰を引き寄せるようにして、閉じた結腸の入り口をコツコツと優しく叩いてやる。
「ぁ、うん、そこ、そこ、も、すごい、いい、」
「きもちぃの?」
「ん、きもちぃい」
「痛くない?」
「ん、ちっとも」
 へぇ、と思う。さっきの中出しはこちらの欲望を優先させてしまったが、深く突かれるとさすがに痛い、と言われることが多くて普段は極力避けていた。
「慣れたのかな? それとも、ゆっくり優しく、がいいのかなぁ」
 多分後者かなと思いながら、そのまま奥の壁を優しく叩き続ければ、ぁっ、あっと漏れる声が気持ちよさげに蕩けて震える。
「ぁ、ぁん、なんか、こわ、い」
 こわい、がすぐには怖いだとはわからなかったのは、喘ぐ声の甘さのせいだ。
「こわい? 怖いの? 何が怖い?」
 聞いてもわからない、という返事だった。わからないけれど、確かにすごく気持ちがいいけれど、痛いわけじゃないけど、何かが怖いらしい。
「奥、コツコツするの、やめて欲しい?」
「ん、ぁっ、わか、ない」
「きもちぃんだよね?」
 声だけじゃなく中だって、奥の方までうねってグニグニと絡みついている。
「ん、きもちぃ、おく、すごい」
 きもちぃよぉと甘える声を聞く限り、止めたほうが良さそうという感じではない。けれど怖いという単語が混ざる頻度がじわじわと上がっていく。
 少しは気が紛れるかと、胸やペニスへの刺激を再開した。柔らかに極力優しく、ではなく、しっかりと気持ちがいいを感じ取れるような強さで刺激してやれば、嫌がるように数度首を振った後。
「ぎゅってして。ぎゅって、されたい。ね、おねがい、して」
 もちろん嫌だなんてことは言わず、胸やペニスを弄るのはやめて、請われるままに抱きしめてやる。その状態で更に数度コツコツと奥を叩いた所で、兄に変化が訪れた。
「ぁ、ぁっ、いい、すごいの、きもちぃ、やだっ、こわい、や、くる、きもちぃの、や、こわい、もっと、ぎゅってして、もっと」
 もっと強く抱きしめてという願いに応じながら、ああこれ、このままイクんだ、と思うと胸の中が熱くなる。
「怖くないよ。奥、じっくり愛されるの初めてで、わかんないだけ。大丈夫、怖くないから、ぎゅってしてるから、うんときもちぃの、来ちゃいなよ」
「ぁ、ぁっ、ぁあ、くる、きちゃう、あっ」
「うん、いいよ。きもちぃの、来て」
「ぁああああ……」
「きもちぃの、来たね。すごい、可愛いよ」
 ピンと体を張り詰めるような絶頂ではないけれど、腸壁だけは激しく蠢動していて、ぎゅうぎゅうと絞り込む動きは明らかにイッていた。しかも、思わず確認したペニスから、精液が放たれた気配はない。

続きました→

 
 
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