抱かれたら慰めてくれんじゃないのかよ18

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 プライドが高いカッコつけだって思われているのは、ここまでで嫌ってほど思い知っているので、多分、それも考慮した上での話なんだろう。まぁ確かに、悔しいと言ってしまったことが、素直になってと繰り返す相手の誘導により言わされたみたいなもんだって事が、新たな悔しさを生んでいないとは言えないけれど。
「も、いいって。それより、も、さすがに、いーんじゃねぇの」
 一度は繋がる直前まで進んだのだから、そろそろいい加減突っ込んで来てもいいんじゃないかと思いながら、続きを急かしてみた。
「んー……そうだねぇ」
 しかし相手の反応は鈍く、のんびりとした口調で返しながら、またゆっくりと、中の指を揺すってくる。そう派手な動きはしていないのに、小さく前後されて、ゆるゆると中を擦られるだけでたまらない。快感を拾い始めたその場所は、すぐにジクジクとした疼きをお腹の中に生み出した。
「ぁ……はぁ……ぁぁ……」
 優しく捏ねるような動きがもどかしくて、じわじわと息が上がっていく。
 他の場所には触れられていないから、どこで気持ちよくなっているのかもずっと意識させられっぱなしだし、なんだかじっくりと追い詰められているようで、少しずつ不安になる。相手と繋がれる前に、どれだけ感じて見せれば満足なんだ、みたいな事を考え始めていた。
 だって、体の準備が出来ていないだとか、突っ込むには早すぎる、なんて理由で続けているわけじゃない。なんせ、一度はそろそろ入れそうって判断された体だ。
「な、なぁっ」
 必死に呼びかければ、中を弄る動きが止まる。
「なぁ、まだ、」
「さすがに限界?」
 ホッとしつつ、まだ続くのか、後どれくらい続ける気なのかを問おうとしたら、逆に尋ねられてしまった。これに頷けば先に進めるって事かと思いながら、そうだと訴えるように何度も首を縦に振る。
「そっか。まぁ、さすがに焦らしすぎた自覚は有る」
 そんな顔させてごめんねと、申し訳無さそうな苦笑とともに、ようやく中に埋められた指が抜けて行くのかと思いきや、足を押し広げるように支えていたもう片手が、スルッと股間に移動してきてギョッとする。
「ぁあっ、ちがっ、バカ、違うっ」
 快感を拾えるようになったせいでしっかり反応済みの息子を握られ、慌てて身を捩った。といってもそう大きく動けるわけではないし、尻穴に相手の指を嵌められた状態で逃げ出せるわけもないのだけれど、それでも握られたモノはあっさり開放されてホッとする。
「違うって、何が?」
「も、いい加減、突っ込めっての」
「ああ……」
 そういう意味か、という納得はしたらしいものの、どうやら相手にはまだ突っ込む気がないらしい。
「なんで?」
「なんでって、繋がる前に、いっぱい気持ちよくしてあげたいと思って」
「も、いっぱい気持ちよく、なってんだろ」
 思わず肯定してしまったのがおかしかったのか、嬉しかったのか、相手がふふっと優しげに笑った。ただし、優しげなのはその笑みだけで、告げられた言葉は呆れるような内容が含まれていて、でも多分、わざとだ。
「うん、でも、全然足りないかな。焦らして焦らして、頭ん中、イキたいばっかりになって、心も体もドロドロに蕩けて俺が欲しくてたまらない、みたいなの狙ってる」
「バカかっ。てかどこまで本気で言ってんだ、それ」
 何言ってんだという気持ちを素直に吐いてやる。ホント、何言ってんの。
 相手は当然、こちらのそんな反応をわかっていた様子で、ケロリとした顔をしている。
「どこまで焦らされてくれるかなぁ、みたいな事は、まぁ、考えてたけど。今は、上手く行かないなぁって気持ちと、想定通りって気持ちが半々だね」
「なんだそれ」
「うんと切羽詰まったあんたに、早く入れてってねだられるのはちょっと憧れるけど、焦らした結果、さっさと突っ込めってキレてくるあんたに、らしいなとも思ってるんだよね。らしくて、そんなあんたも可愛くてたまんないから、そろそろ本当に、抱いていい?」
 唐突にかなり真剣な顔で見つめられて、ドキリとする。といっても、そんなのは一瞬だけで、相手の雰囲気に飲まれてたまるかと口を開いた。
「だーかーら、俺は、さっきからっ」
 早く突っ込めって言ってるというこちらの主張を楽しげに笑われながら、体の中から相手の指がゆっくりと引き抜かれていく。

続きました→

 
 
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