抱かれたら慰めてくれんじゃないのかよ19

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 足を抱えられて、再度、受け入れる穴に先端が押し付けられる。ハッとして思わず開いた股間の間を覗き見てしまったが、最後の方は尻穴だけ弄られていたのにしっかり反応している自身の息子が邪魔をして、相手の状態はよくわからない。
「どうかした?」
「あ、いや……」
「まだ怖い?」
「じゃなくて。お前、」
「俺が?」
「あー……ゴム、着け直したり、しないんだ、って、思って」
 それはつまり、結構長々と弄られていたはずのその間、着けたゴムが緩んだり外れたりはしなかった、って事なんだろう。
「まぁ、着け直す必要なさそうだから。てかもしかして引かれてる?」
「ひく、っていうか……」
「好きな子に受け入れて貰うための準備で、相手が少しずつ感じてくれるようになるのを目の前にして、萎える要素なんてないんだけど?」
「あー、うん、うん、まぁ、それは」
 そうなんだろう、というのはわかる。頭では理解できる。でもなんか、実感が湧かないというか、この体を弄っているだけで興奮が持続するらしいという事実が受け入れがたいというか、要するに、どうにも気持ちが落ち着かない。
「俺としては、俺が全く萎えなかったことを、自分にはそれだけの魅力があるんだって自信を持つか、俺にそれだけ愛されてるって喜ぶかして欲しい所だけど」
「あ、いされ、て……!?」
 好きだとは言ってもらったが、愛されているって何事だと慌ててしまえば、そんな驚かないでよと苦笑された後。
「俺の好きは、恋情ってより愛情だよ。とっくにね」
 照れるでもなくシレッと、愛してるよと柔らかに零す相手に思わず見惚れてしまったその瞬間、グッと相手の腰が押し付けられて、散々弄られた穴が相手を迎え入れるようにクプッと開くのがわかった。
「ふぁあっっ」
 耐える準備が全く整って居なかった口から、押し出されるまま声を上げると同時に、多分、先端の膨らみが通り抜けた。思ったよりすんなり入ってしまった、というのが正直な感想で、入っているという違和感はもちろんあるけれど、痛みなどはない。
「大丈夫そうだね」
 一旦止まって様子を窺う相手も、こちらのダメージのなさにはすぐに気付いた様子で、すぐにそのままググッと押し込まれてくる。たっぷりローションを使われているせいか、感覚的にはヌププと滑り込んでくるようだったけれど。
「ぁぁあああああ」
 やっぱり閉じ忘れた口からは、押し出されるみたいに声が漏れてしまったけれど、反射的なもので痛いとか苦しいとかはあまりなかった。さっきまで散々指で弄り回されていたからか、指程器用に動かない分、ただ、そこにあるのを感じているだけに近い。
 慣らした所で苦しい目にはあうんだろうと思っていたせいで、安堵よりも若干拍子抜けなのは否めなかった。しかもそんなこちらの気持ちは、相手にもだだ漏れらしい。
「ねぇ、これ、間違いなくただの俺の劣等感のせいなんだけど、なんだこんなもんか、みたいな顔されると、結構困る」
 根本まで埋めたのか、相手の腰が尻タブに密着した後、相手の顔が近づいてきてそんな事を言う。言葉通り、少し困った様子の苦笑顔で。
「あ、いや、ゴメン。お前がいっぱい慣らしてくれたから、ってのは、わかってる、から」
「ああうん、それは理解してくれてありがとう。ただ、困るってそういう話じゃないっていうか」
「え、じゃあ、何が?」
「大きけりゃ大きいなりの使い方があるんだろうけど、それはこっちも同じなんだよね、っていう」
「え? は? 何の話?」
「つまり、こんなもんか、なんて顔されたら、そのコンナモンで、うんと感じさせてやりたくなるから、困ったね、と思って」
 意地悪されたって泣かれたくないんだけど加減が難しいなんて続く言葉に、全く想定外の不安が湧き出す。ここにきて、テクには自信あります的な宣言に近いものを出されても、こっちこそどうしたらいいかわからなくてめちゃくちゃ困る。

続きました→

 
 
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