そっくりさん探し11

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 自分ばかりがどんどん好きになるのが怖い、というのが払拭されたのは、触れる体の反応からも有り有りと感じ取れた。次は気持ちよくなれたら気持ちよくなれた分だけ嬉しい、の言葉通り、どこか怯えを含んでいた反応はすっかりとなくなり、うっとりと甘えた反応を見せてくれる。
 もちろん、勃起したペニスを握っても、嫌がられたりしなかった。イカせてしまわないように気をつけながら、同時にアナルの中の前立腺も柔く刺激する。
「ぁっ、ぁっ、きもちぃ」
「ここで気持ちぃの、怖くない?」
「へぇき、です」
 でも強くされたらまたイッちゃいそう、と続いた言葉に、次は繋がってから一緒にイキたいと思ってると返せば、安堵した様子でやっぱり嬉しそうに笑う。安心してとろけた顔が愛しい。
「可愛い」
 思わずこぼせば、ふふっと更に笑われて、好きですと返ってきた。
「俺も好き。可愛くて、愛しい」
「んふふっ、大好き、です」
 そう返して笑う顔は楽しげだ。
「俺も、大好きだよ」
 言いながら埋めていた指を引き抜いて、とうとう自身の準備にかかる。といってもとっくに完勃ちなので、ゴムを付けてローションをまぶすだけだけど。
 それをじっと見つめる視線には、当然気づいていた。
「今からこれが入るんだけど、大丈夫そ?」
「大丈夫じゃなかったら、入れてくれないんじゃ? って気がするから、ダイジョブ、です。けど」
「けど?」
「ちょっと触ってみても、いいですか?」
「もちろん」
 既にローションを掛けてしまったので、触れたらその手が汚れてしまうけれど。でもそんなの拭けば済む話だし、相手も一切躊躇わずに手を伸ばしてくる。
「おっきぃ、くて、熱い」
 独り言みたいな小さな呟きが漏れている。顔は股間に向いているのでその表情は読めないが、ふふっと笑う気配がして、間違いなく、握られて反応する様子を楽しまれている。
「俺が反応するの、楽しい?」
「ですね。あと、嬉しいです」
「うん、わかる」
「俺に触られて、興奮してる」
 ちらっと顔を上げて、ですよね、と言いたげな視線を投げられたから、そうだよと頷いた。
「握ってもらえるとか思ってなかったし、凄く、興奮してる。だから、あんまり強くされたらイッちゃうと思うけど」
 どうする? と聞いたら、えっ、と戸惑ってしまう。さすがに意味が伝わらなかったらしい。
「さっき一回イカせちゃったし、おちんちんの先から白いの溢れてくるのめちゃくちゃ興奮したからさ。君も、その手で俺をイカせたり、俺がイクとこ見たいかも、と思って」
 その方がお相子って感じもするしと言えば、確かにと同意はされたけれど、でもペニスを握っていた手は離れていく。
「いいの?」
「だって手で、じゃなくて」
「うん。次は繋がってから一緒にイこ、って言ったもんな」
「です」
 じゃあ君の中に入らせてとお願いしたら、小さく頷いて起こしていた体を戻す。自ら立てた膝を開いて、待っていてくれる。
 嬉しくて、愛しい。
「俺も、好きです。だから」
 早くきてと甘く誘われて、頷きその膝に手をかけた。
 可愛いと零しはしなかったのに、どうやら態度で伝わってしまったらしい。可愛いと零すまでを待てなかった、なんて理由かもと思いついてしまって、興奮は増していくばかりだ。
「ぁっ……」
 先端を押し当てれば、小さな吐息が漏れる。興奮と期待に、僅かながらの不安が見える。
「もし痛かったり苦しかったり辛かったら、我慢しないで教えてね」
「は、ぁ、ぁああっ、ぅっんんっっ」
 相手が頷くと同時に腰を進めれば、慌てて口を閉じようとする。
「声噛まないで。聞かせて?」
 可愛い声だよと促せばおずおずと口を開いてその声を聞かせてくれたから、その声を注意深く聞きながら、可愛い愛しい気持ちがいいねと繰り返しつつ、とりあえず一度全てを埋めきってしまう。さすがに「好き」とは返ってこなかったけれど、わかってると言いたげに頷く仕草は何度か見せていて、それがやはりとてつもなく可愛くて、愛しかった。
「全部、入ったよ」
 動きを止めて一息ついて、相手が多少落ち着くのを待ってから声を掛ける。
「痛くはない、です、けど」
 お腹いっぱいって感じ、と嬉しげに続いた言葉にまんまと煽られたけれど、反応して彼のお腹の中で質量を増してしまったペニスに驚かれたので、間違いなく狙った発言ではなく素での感想なんだろう。当然、そういうところも彼の魅力の1つではあるのだけれど。
「馴染むまで待ちたいから、今だけちょっと可愛いの禁止で」
「なんですか、それ」
 おかしそうに笑いながらも、どうすればいいんです? と小首を傾げる姿すら結局のところ可愛くて、もうダメだ、と思った。

続きました→

 
 
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エイプリルフールの攻防・エンド直後11

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「おまっ、も、ほんと」
「あああっっ」
 ぐぐっと押し込む圧が増えて、とうとう、ぬぽっと一番大きな部分が通ったのがわかる。しかしホッとする間もなく、そのままローションの滑りを借りてグッグッと奥にまで入り込んでくる。
「ぅあっっ……ぁ、……あ……っく、……ぅ、……」
 強い痛みは感じないけれど、圧迫感はどうしようもない。指では届かなかったその先まで押し込まれると、さすがに少し恐怖した。どこまで入ってくるんだ、これ。
「ぁ、あっ、すごっ。ふか、ぃっ」
 怖いとは言えなくて、言っちゃいけない気がして、でも声はちょっと震えてた気がするし、半泣きだった気もする。
「だぁから、煽んなっ、てぇ」
「んぁあっっ」
 今回のは意図的に煽ったわけじゃないけど、どうやら相手は煽られてしまったらしい。グンッと勢いよく突き込まれて、悲鳴に似た声を上げてしまったし、目尻からは涙が落ちていった。
 それが呼び水となってしまったのか、次々涙が溢れてくる。苦しさはあるけど痛みはないし、悲しいわけじゃないはずなんだけど。
「ちょっ、えっ、どっか痛くしたか?」
 慌てる相手の声が聞こえて、滲む視界の中、相手の顔が寄せられる。
「い、痛く、ないっ、けど」
「けど?」
「お腹、なか、熱くて、お前が俺ん中、いる」
 言ったらお腹の中の相手の存在を、より実感した気がする。
「俺いま、お前と、セックス、してる」
 これもだ。はっきり言葉にすると、実感が増す。
「そうだな。お前がいっぱい準備してくれたから、初めて同士なのに、ちゃんと繋がれたな」
 お前のおかげ。ありがとう。って言われながら、ちゅっちゅと涙の滲む目元に交互に唇が落ちた。
 胸の奥から溢れてくる好きを口に出したら、すぐに、俺も好き、って返ってくるのが嬉しい。
 嬉しくて、ホッとして、なのになんだか余計に泣けてくるから困る。
「ご、ごめっ。ホント、痛いとか、悲しいとか、ってわけじゃない、から」
「いいよ。両想いセックスに感極まって泣かれてんのかと思ったら、嬉しい以外ないだろ。それに焦って肝が冷えたから、三こすり半の即イキも回避できたしな」
 どこまで本気かわからないけど、バキバキに興奮してたペニスを見ているので、あながち嘘ではないのかも知れない。
「ふはっ、お前に即イキされたら、満足できなかったからまたしたい、ってすぐ言いそうだもんな」
 笑ったら、相手が安堵するのがわかったから、やっぱり冗談だったのかもだけど。
「俺としては、気持ちよくて最高に幸せだったからまたしたい、って言わせたいけどな」
「それは、俺も、言わせたい」
「既にもう、好きだ、好きだ、可愛い、愛しい。って気持ちが、胸ん中に溢れて、最高に幸せだし、お前の中、めちゃくちゃ気持ちぃよ。これから先もずっと、お前が嫌がらない限り、何度だってお前を抱きたいって思うよ」
 熱烈な告白にまた少し笑ってしまう。
「お前の言う、ずっと、は重みがすごいよな」
「だろ。だから信じていいぞ」
「うん。嬉しい」
「これに嬉しいって返ってくるのが、もうホント、俺的には奇跡っていうか、そういうお前がたまらなく好きだし、お前のことしつこく好きで、諦めなくて、良かったって思うよ」
 心の底から、なんて付け加えてくるから、やっぱりまた笑いがこみ上げてくる。大げさって思う気持ちと、そこまで想われているという嬉しさや安堵があるからなんだろう。
「涙、止まったな」
「うん」
「体はどうだ? 動いても平気そう?」
「多分、だいじょぶ。けど」
「けど?」
「えと、指が届かない奥の方は、その、ちょっと怖い、かも」
「わかった」
「あと、いっぱい」
「好きっていうよ。何度だって言う」
 更に、可愛いも言うし愛しいも言うと宣言されて、うへへと笑ってしまう。頬が緩んでしまう。

続きました→

 
 
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可愛いが好きで何が悪い42

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 安堵と喜びを漏らしながら、良かったと言って足の間に収まった相手が、挿れるねとペニスの先端を穴へと押し当ててくる。
「あ、その前にキス、していい?」
 多分、触れたペニスの感触に身構えたのを察知したんだろう。へにゃっと笑いながら、許可される前提で前かがみに近寄ってくる顔に向かって手を伸ばす。
 正確には顔ではなく肩に向かって伸びた手は、無事に相手の肩を捉えた。引き寄せるのと同時に軽く上体を起こして、こちらからも顔を寄せていく。
 相手とのキスは気持ちがいい。与えられる快感に任せて体の力を抜いていけば、あっさり再度布団に背中が着いた。
「大丈夫だから、そのままで、ね」
 唇は離れてしまったが、まだかなり近い位置から見つめられつつ、甘やかな声が身構えるなと囁く。わかったと頷いて、身構える代わりになるべく深めの呼吸を心がけた。
 見つめ合う瞳の中、相手から愛しさが溢れて「んふふ」と小さな笑いがこぼれ落ちるのを聞きながら、相手の熱を体の中に受け入れていく。
「んんっ」
 大丈夫と言われた通り、広げられる穴に痛みは感じない。ただ指とは違う質感と質量と熱さに、とうとう相手のペニスを受け入れているのだという実感が伴って、ぞわりと肌が粟立っていく。
 散々しつこく慣らされた穴は、どうやらちゃんと快感を拾っていた。
「はぁ、……やっばい」
 ぬぽっと一番太い部分が入り込むのを感じれば、相手がそんなことを呟きながら熱い息を吐く。
「なに、が?」
「気持ち良すぎて、やばい。気持ちぃのと、嬉しいのとで、これ、持たない、かも」
 痛いとか苦しいとかはないかと聞かれて、むしろちゃんと気持ちいいと答えれば、そのままぐぐっとペニスが奥に潜り込んできて思わず呻いた。気持ちいいに反応してか、若干質量が増したような気もする。
「ううっ」
「ごめ、我慢できなくて」
 ほんとすごく気持ちよくてどうしよう、などと言いながら、また興奮しきって泣きそうな顔を晒している。今度は素直に、可愛いなと思ってしまった。
 バッチリ決めたメイクは汗でだいぶ崩れてしまったけれど。気持ちよくて幸せでたまらないと、とろけるような笑顔を見せているわけでもないけど。
 あちこちで揺れる髪飾りは彼にとても似合っていたし、気持ちよくて我慢ができないと泣きそうになった顔だって、間違いなく可愛いくて、愛しい。
 愛しさが、胸の奥から溢れてくる。
「んふっ」
「もういくらでも笑ってくれていいよ」
 ここまできてこんな情けない姿晒してごめんねと謝られてしまったので、可愛いからいいよと言っておく。まぁ、信じて無さそうだったけど。なんだかもう、愛しい気持ちは過ぎれば何でも可愛い、という境地に至っているんだけど、それを説明してやる気はさすがにない。
「てか、そんな気持ちぃなら先イッてもいいけど」
「さすがにそれは、って、ちょ、余計なことしないで。ちょ、もぅ、煽んないで!!」
 軽く腰を揺すってみれば、慌てた様子で相手が腰を掴んで止めてしまう。なので尻の穴を意識しながら力を込めたり弱めたりを繰り返してみれば、相手が情けない顔でやめてと懇願してくるので更に笑ってしまう。
 経験豊富なはずの相手が、こんなにも余裕をなくすとは思っていなかった。
「やっとやっと繋がれたんだから、もうちょっと堪能する時間ちょうだいよ。てかこんな気持ちぃとか聞いてないんだけど」
 はぁあと大きく息を吐き出すが、大げさなため息なのか、体の熱を少しでも吐き出そうとしてるのか、いまいち判別し難い。
「まぁ、俺も想像してたよりは全然苦痛感じてないどころか気持ちぃまであるけど、どう考えたって、お前がしつこく慣らした成果ってやつだろ」
「アナルセックス嵌るやついるのわかる気持ちよさ、ってのも間違いじゃないんだけど、したくてしたくてしょうがなかった相手と、今セックスしてるんだ、って高揚感もめちゃくちゃやばい」
 まぁそれもわからなくはない。したくてしたくて、とまでは思っていなかったけれど、慣らす段階で結構焦らされたせいか、ようやく繋がれたという安堵と喜びで気持ちが高揚しているのを感じている。それに加えて、相手がこんなにも余裕をなくして、気持ちがいいとか嬉しいとか言って興奮しきっているのを見せられているのだ。
 興奮は間違いなく自分だってしている。ただ、相手の方がより感じているのを見せられて、自分が気持ちよくなりたいよりも、もっと相手が気持ちよくなるところが見たい気持ちのが膨らんでいる気もする。
 この場合、相手が気持ちよくなるには自分の尻穴を使われることを意味するわけだけど、ここまでで酷い苦痛は感じてないので、多分、大丈夫なはず。ワンチャン、自分も一緒に気持ちよくなれるかもしれないし。
「お前が俺で気持ちよくイクとこ、早く見たい」
「ん?」
「2回戦無理なら後で手ぇ貸してくれればいいし」
 言いながら、緩んでいた手を振り切ってまた腰を揺する。
「にかいせん……」
「とりあえず、今は俺を気持ちよくしようとか考えなくていいから」
 お前がイクとこ見せてと再度ねだれば、なんでそんな事言って煽るのと、やっぱり泣きそうな顔で文句を言われたけれど。でも今度は腰を掴まれ止められるのではなく、足を抱えて更に腰を押し出してくる。
「ぐ、ぅっ」
 さすがに奥の方まで突かれるのは圧迫感で苦しかった。ほんのりと鈍い痛みもある。ただ、やっぱ待て、などと言う気にはちっともならない。
「ぁ、ごめっ」
「いーから。もっと、気持ちくなれよ」
「ううっ、こんな時までカッコイイ〜」
 ごめんもうホント我慢できない。すぐイクからちょっとだけ我慢して。でも早漏とか言わないでね。などと余計なことをベラベラと喋りながらも、だんだんと腰の動きが早くなる。
「ぁ、ぁっ、あっ」
 突かれる衝撃に合わせて、閉じきれない口から音が漏れていく。幸い、先ほど感じた鈍い痛みも、もうあまり感じない。
 もしかしたら、先程上げてしまった苦しげな声に、相手が加減してくれているのかも知れない。気にしなくっていいのに。
「ん、ね、ちょっとは気持ちぃ? いいの? 平気? 痛くない?」
 やはりこちらの様子を気にせずにはいられないらしい。だがその問いには答えず、突かれて漏れる声に混ぜて笑ってやった。
「ひどっ、もう、もうっ」
 不満げに頬を膨らませてみせるのですら、可愛く思える。ぺらぺらとあれこれ喋りながらも、結局ずっと腰の動きが止まらないのも、この快感に抗えないのが手に取るようにわかってなんとも愛おしい。
「かわいいから、だいじょうぶ」
「意味分かんないんだけど!?」
「お前がイクとこ、みたい」
 きっとめちゃくちゃ可愛い。そっと囁いた言葉は、きっと相手にも聞こえていただろう。もう、と再度不満げに漏らされた声が、なんだかさっきよりも甘く聞こえる。
「あっ、あっ、そんな言われたら、イク、いっちゃう」
 意図的にだろうか。しつこく可愛いと繰り返してしまったし、先程よりも明らかに高めに聞こえる声は、彼なりのサービスなのかも知れない。
 抱かれているのに、そんな声でイクと繰り返されたら、なんだかこちらが抱いているような錯覚さえしてしまいそうだ。
 不満げに膨らんでいた頬ももうすっかり引っ込んで、ひたすら快感に溺れる緩んだ顔をしている。
「ははっ、やっぱほんと、かぁわいい」
 こちらだって突かれて揺すられて喘いでいるのに、その合間に、口から気持ちと言葉があふれていく。愛しさで半分以上笑っていたと思うが、視線が絡んでも相手に不満そうな表情は浮かばなかった。それどころか、快感に浸った顔のまま、目だけが愛しげにこちらを見て細められる。
「だいすき」
「俺も、すき」
 伝わってくる愛しさに頷いて見せれば、その口からはもっと直球に想いがこぼれてきた。こちらも躊躇うことなく応じてやれば、今度こそ、とろけるみたいな笑顔になる。
「ああ、いいな、それ」
 その笑顔にうっとりと見惚れてしまえば、とうとう相手に限界が訪れたらしい。
「も、ほんと、イッちゃう」
「ああ」
 イケよと促せば、小さく頷いてぐぐっと腰を押し付けてくる。
「あ、でるっ、んんっっ」
 相手が小さく震えて、腹の中ではペニスが脈打っている。
「めちゃくちゃ気持ちよかったけど、想定してたのとなんか全然違うセックスした……」
 一息ついた後、呆然とそんなことを呟くように漏らした相手には、やっぱり笑うしかなかった。

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親父のものだと思ってた32

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「はぁ……」
 詰めた息を吐きだして、体の力を抜こうとしているのがわかる。
 チラりとこちらを窺った視線と一瞬だけ目があったけれど、その目はすぐに伏せられて、ついでに顔も俯けてしまう。じわりと赤くなっていく耳先に相当恥ずかしいのだとわかって、俯かないで欲しいとは言えなかった。
 まぁ、顔が見れると喜べたのはわずかな時間でしかなかったけれど、向かい合っているのだからチャンスはまだある。それに相手の状況は、表情以外からだって色々伝わってくるのだから。
 ひっそりと繰り返される深呼吸に相手の緊張が伝わってきて、こちらも息を潜めてその先を待った。
「んっっ!」
「うっ……」
 クッと腰が沈んで、小さな呻き声とともに相手の体が硬直するのを見ながら、こちらもたまらず小さく呻く。
 相手は動きを止めているのに、ペニスの先端の膨らみが入り込んだ穴は、キュウキュウと何度も収縮している。先端部だけなのに、肉の筒に包まれ揉まれている快感と興奮とで、あっという間に射精欲が湧き上がった。
 それを鎮めるために、硬直したままの相手の体をじっと見つめる。相手の体の状況へ意識を向ける。
「どっか、痛い?」
 吐き出す自分の声こそが、痛みを堪えているかのように苦しげだ。痛いわけではないが、快感をこらえる苦しさは確かにあった。
「へ、いき。でも、ちょっと、待って」
 ゆると頭を左右に振った相手が、再度チラッとこちらに視線を走らせたあとで、深めの深呼吸を始める。ひっそりと行う余裕はないようで、その息遣いははっきりと耳に届いた。
「ぁ……」
 声を漏らしたのは相手ではなく自分の方だ。
 深呼吸を繰り返しながらタイミングを図っているのか、止まっていた腰がゆっくりと落ちていく。
 締め付けが一番強いのは入口付近で、上から順にキュッ、キュッ、キュッ、っと竿の根本までをゆっくり締め付けられていくのが、たまらなく気持ちがいい。
 深呼吸は繰り返されていて、相手はきっと快感なんて拾っていないと思うのに、一生懸命にその体内に迎え入れてくれる姿に胸の奥が熱くなった。
 より強い刺激と快感とを求めて腰をゆすりたいのを、こらえるのが難しい。どうにか耐えていられるのは、相手の必死さが伝わってくるせいだ。
 やっと好きな相手と体を繋いでいる、という感動や興奮ももちろんあった。しかも、相手がこんなにも頑張ってくれている、という喜びやら愛しさやらが混ざって、更に、体が直接受け取っている快感までが混ざって、頭の中がグチャグチャだ。グチャグチャだけど、幸せで、嬉しくて、気持ちがいいのは間違いなくて、こみ上げてくる何かで視界がぼやける。
「はい、った」
 むにっと相手の尻タブが肌に触れたとほぼ同時に、相手がホッとしたようにそう呟き、顔を上げた。
 ずっと相手を見つめていたこちらと目があって、滲む涙に気づいて驚いた後。おかしそうに、幸せそうに、嬉しそうに、笑う。それが最後のひと押しだった。
「あっ! あ、……あぁ……」
 体の中でグチャグチャに絡み合った幸せと喜びと快感が弾けて、次に押し寄せてくるのは絶望だ。
 肉の筒に包まれたペニスがピクピクと震えるのを感じながら、持ち上げた両腕をクロスさせて顔の上に置き、一転して情けなさで溢れる涙を隠した。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった49

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 じゃあお言葉に甘えて、なんて言いながら、開いた足の間に身を進めてきた相手に両足を抱えられ、更に開かれるのかと思いきや、軽く閉じるようにして両足とも相手の肩に乗せられる。
 なんで、という疑問は、少し前傾した相手によって肩に掛かった足ごと腰が浮いたことと、同時に相手の両手が尻を下から持ち上げるようにして、更には尻タブを左右に割り開いたことで、なんとなく察することができたけど。つまり、こちらの腰を浮かせるのに肩を使ったほうが楽なのと、両手を開けておきたいってことなんだろう。
 顔を起こして下腹部を覗いたって相手の手元はもちろん見えないが、何をされているかはだいたいわかる。左右に開かれた尻タブの間を相手の指に探られて、穴の位置を把握された後は、そこに熱い塊が押し付けられる。
「はぁ……」
 その熱さに、緊張と期待と恐怖とを混ぜて、震える息を吐き出した。
「深呼吸、出来る?」
「へ?」
「深呼吸。息、深く吸える?」
「あ、ああ」
「じゃあ吸って」
 促されるまま深く息を吸い込んで吐き出す。吐き出す息は最初やっぱり少し震えていたけれど、二度ほど繰り返せば震えは収まっていた。
「入って、いぃ?」
「ん、……ウッ」
 小さく頷けば、尻穴にぴたりと押し当てられていた熱の塊が、ぐっと押し付けられて息が詰まる。けっこう慣らされたと思うのに、やはりそう簡単にスルッと入るものではないようだ。
 相手のペニスのデカさを思い出して、早まったかなと少しばかり血の気が引く中、尻を支える両手がまた尻タブを左右に割り開く。
「ぁ、っく……ぅ」
 穴の近くに添えられている指先まで穴を広げるみたいに引っ張って、大きな塊がそこへ入り込むのを手伝っているのだ。そう認識するとほぼ同時に、ぬぽっと大きな塊が尻の中に入り込むのを感じ取った。
「んぁあっっ」
 実際、ぬぽっ、などという音がその場所から鳴ったわけではないと思う。でも体の中で、そんな音が響いた気がして、軽い衝撃にこらえきれなかった声が喉の奥から押し出されてきた。
「大丈夫? 痛くない?」
 少し焦ったような声に、痛くはないと返して、自主的に何度か深い呼吸を繰り返す。その間、相手はそれ以上挿入してくることはなかったけれど、肩に掛かっていた足を下ろしたり、尻ではなく腿裏を支えるように両手が添えられたりと、着々と次へ進む準備をされていた。
「そろそろ、もっと奥、行っていい?」
 こちらが落ち着くのを待って掛けられた声に黙って頷けば、腿裏に添えられていた手に力が入るのがわかる。
「痛いときは、痛いって言ってね」
 両足を左右に広げながら押し上げられて、ゆっくりと圧迫感が増していく。広がりきった尻穴が擦られて、痛いというよりはなんだか熱い気がして呻いた。
「うぅ、……」
 真剣な目に観察されている。こちらが痛みを感じているかを探っているんだろう。うっすらと額に汗が滲んでいて、歯を食いしばっているようにも見える。なんだかちっとも気持ちよさそうではなかった。
 なんかちょっとガッカリだなと思ってしまう中、ゆっくりとだが圧迫感は増していく。挿入継続の判断が下されたらしいのはわかったが、相手の真剣すぎる目に晒されて、今感じている苦しさが、ペニスの挿入によるものなのかわからなくなった。

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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった33

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 無理に力をかけなくても、押し付ける亀頭の先端がゆっくりと飲み込まれていく。ペニスの侵入が深まるに連れ、見下ろす相手の頬がじわじわと赤く染まってどんどんと息が乱れていったが、挿入が苦しいと言うよりは、どうやら興奮しているようだと思う。
 必死にアナルを開閉させてペニスを迎え入れようとするさまが、どうにも、一生懸命に欲しがられている、という気持ちにさせる。
 相変わらず献身的で、けなげで、可愛いらしい。そんな姿を見ていると、ちゃんと応じてやりたいと思うし、満たしてやりたいとも思ってしまう。
「ぁっ……」
 そんな気持ちに反応して、質量を増してしまったペニスを、相手も敏感に察したらしい。
「ははっ、お前が可愛すぎて、興奮した」
 ごめんなと謝りながらも、あとちょっとだから頑張れと促してしまう。興奮したと言われて嬉しげに口元を緩めるのを見てしまったら、もう少しこのまま、一生懸命に欲しがられて居たいと思ってしまう。
 相手も軽く頷くと、またアナルに意識を集中している。俺を見ながら、と言ったせいで顔も視線もこちらを向いているけれど、だからこそ、意識がこちらに向いていないのもわかってしまう。
「ぁあっ」
 さすがに一番太さのあるカリ部分が抜ける時はキツそうだったけれど、相手に合わせて押し付ける力を少しばかり強めてやれば、無事に亀頭部分全てが相手のアナルに包まれた。
 相手もきっと感じ取れたのだろう。抜ける瞬間には驚いた様子で幾分高い声を漏らし、その後、視線が一度下腹部に落ちた。
「一番おっきいとこ、入ったぞ」
「はい……」
「おっきいとこ抜けた時、痛かったか?」
「あ、いえ、痛いとかじゃなくて。入った、って自分でもわかったから、ちょっと、びっくりしちゃって」
「ああ、なるほど。今も、痛くない?」
「はい」
「ん、ならいい。本当によく頑張ったな。一生懸命お尻広げて、俺のちんこがちょっとずつ入ってくのに興奮してるお前、めちゃくちゃ可愛かったぞ」
 困った様子でううっと唸るが、アナルがきゅっとペニスを締め付けてくるから、やはり小さく笑いをこぼしてしまう。
「はは、可愛い。……って言うと、お尻が嬉しそうに応えてくるよな」
「やっ」
 可愛い、と繰り返してアナルの収縮を楽しんでしまえば、小さな声を漏らしながら恥ずかしそうにそっぽを向かれてしまった。少し意地悪が過ぎたらしい。
「悪かったよ。馴染むの待ってるついでに、つい、な」
「馴染むの……」
「そう。で、そろそろもっと奥に入りたいんだけど。おっきいとこ入るまではお前が頑張ってくれたから、今度は俺が動くよ」
「はいっ」
「ふはっ」
「えっ……」
 こちらが動くというのがそんなに嬉しいのか強く頷かれてしまい、申し訳ないと思いながらも吹き出してしまえば、相手が不安そうに視線を揺らす。
「すまん。お前があんま嬉しそうに頷くから、ちょっと、」
「ちょっと……?」
「可愛すぎて」
 アナルがきゅっと律儀に反応するので、またしても、ははっと小さく笑ってしまう。
「も、可愛い、禁止で」
 本気で嫌がっている顔ならともかく、しぶしぶと仕方なくな感じが余計に笑いを誘う。というよりも、ますます可愛い。

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