可愛いが好きで何が悪い(目次)

キャラ名ありません。全56話。
大学の同期生で、プリンセスな女装も似合う美形×可愛いもの好き男前(視点の主)。
幼少期の夢の国でのプリンセスコスプレで、相手の性別を勘違いしたまま互いに初恋していた2人が、大学で再会して恋人になる話です。

そこまで重い表現はしてないと思いますが、攻めは継母からの性的虐待経験あり。幼い頃に実母を亡くし、中学時代から父の後妻(継母)と肉体関係を持っていて、弟と妹が実子という可能性があります。
継母との関係の影響から、攻めの女性経験値高め。コミュ力も高めで交際範囲がかなり広そう。
受け(視点の主)は高校時代に彼女が居たので童貞ではないけど、可愛いもの好きな趣味を優先していて交際経験はその彼女一人だけです。夢の国通いという趣味を知られたくなくて、大学での交友範囲はあまり広げない方針。
大学では2人は基本距離を置いてますが、大学生活描写はほとんどないです。

視点の主が男前過ぎて、攻めばっかり泣きます。
抱かれてるのに抱いてるみたいだと感じるセックス描写もあります。
攻めも抱いてるのに抱かれてるみたいと思っているので、精神的には完全にリバ。肉体的には受け攻め固定ですが、攻めが自分で自分のお尻拡張やってた内容有り。
攻めは、抱かれるのは無理でも抱くならできる、って言われたら抱かれる側になってもいいから視点の主と関係持ちたいって思ってるので。
攻めが割と一途に視点の主を好きで、健気な努力してます。
女装もその一つで、視点の主の好みに寄せて少しでも好きになって貰いたいだけで、女装が好きとか趣味とかではないです。
視点の主は攻めのそういう健気さに落ちた所ある。

攻めが女装したままセックス。が一番の目的でしたが、内心受け攻め逆転したようなセックスだけじゃなくて、素のままの攻めに抱かれて気持ちよくなる受けも見たいなと思ってしまった結果、達成後の2回戦もダラダラと書いてしまって相当長いです。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 夢の国と再会と
2話 あのときはありがとう
3話 写真交換
4話 すっかり友人
5話 夏休みの帰省
6話 姉に連れられ海の家
7話 ファミレスお茶会
8話 花火大会へ
9話 迷子ハンター
10話 デートって言うな
11話 夏休み明け
12話 継母との関係
13話 実家脱出
14話 切られたドレス
15話 届いたドレス
16話 育った初恋プリンセス
17話 内緒って言ったのに
18話 誰にも取られたくない
19話 元カノ
20話 拒否はできない
21話 口元を汚したプリンセス(R-18)
22話 恋人になってもいい
23話 周りの反応
24話 助けてあげて
25話 部屋の惨状
26話 勝手に自己開発
27話 情けなさが募る
28話 当たり前、の違い
29話 発想が男前すぎる
30話 甘えている
31話 泣いてたのがショック
32話 ローションは優秀
33話 慣らすとこから全部
34話 準備万端揃ってる
35話 現代コーデのプリンセス
36話 目一杯好みに寄せる
37話 じれったい程ゆっくり(R-18)
38話 延々と興奮を煽り合う(R-18)
39話 確かめずに居られない(R-18)
40話 手の中で脈打つ熱(R-18)
41話 69(R-18)
42話 可愛くて、愛しい(R-18)
43話 化粧を落として2回戦
44話 好奇心でバイブ挿入(R-18)
45話 最弱モード(R-18)
46話 性感帯探し(R-18)
47話 期待してる(R-18)
48話 初めてでこんなにも(R-18)
49話 もうちょっと待って(R-18)
50話 ゆるふわな刺激(R-18)
51話 奥の鈍い痛みすら(R-18)
52話 可愛く喘げよ(R-18)
53話 お前が愛しい(R-18)
54話 一緒にイこうね(R-18)
55話 昨夜を思い出しながら
56話 可愛いが好きで何が悪い 

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い56(終)

1話戻る→   目次へ→

 再度、心配掛けて悪かったと謝れば、相手も疲れさせちゃってゴメンねと返してくる。初めてだったのに加減も出来ずに無理させたよねと、しょんぼり顔で小さな溜め息まで吐かれてしまって、どうやら結構落ち込んでいるらしい。
「いやいやいや。それ、大半は俺の自業自得っていうか、お前だけ先イカせたのも、2回戦よろしくって言ったのも、バイブに興味示したのも俺で、最中にあれこれお前煽った自覚、かなりあるぞ」
「その自覚はありがたいけど、やっぱ甘えすぎたよな、って思って」
「そんなの俺も一緒っていうか、俺がお前相手に好き勝手振る舞えるのは、お前に甘えてるからだって教えたろ。お前が俺の無茶振りに応えてんだから、お前だって俺がいいよって許したことには素直に甘えとけばいいんだって」
「でも男の体で抱かれる負担とか、甘く見てたっていうか、むしろ男のが体力有るだろうって思ってたとことかあったし」
 抱き潰すような無茶なんてしたことがなくて、本当に肝が冷えた。らしい。
 そういやさっきも、抱き潰して救急車騒ぎを心配したようなことを呟いていたけど、こちらとしては抱き潰されたって認識は欠片もないんだけども。どちらかと言うと、ちょっと休憩のつもりが、思いの外深く寝入ってしまった。という認識だ。
「抱かれる側やる負担はそりゃあるし、初めてであんなに感じまくる想定はなかったけど、体力云々に関しては多分間違ってないだろ。てか抱き潰されたとか思ってないんだけど」
「でもほぼほぼ気絶って感じだったよ?」
「いやそれ、説明とか後始末とか諸々全部、後回し&お前に押し付けでいっか、みたいな甘えっていうか。そもそも、お前に手でイカサレたときだって、俺、イッた直後にお前に何も言わないまま目ぇ閉じたけど、お前、ただ寝落ちただけって思ってただろ。俺としてはあの時と同じ感覚で目ぇ閉じた。ら、本当にそのまま深く寝入っただけなんだって」
「逆に俺は、あのときはなんだかんだすぐ起きたみたいだったから、体中拭いても声かけても起きないの、ヤバいかもって思ったよ。お前と一緒に生活してた過去なかったら、慌てて救急車呼んでたかもレベルで焦った。呼吸正常だし、顔色悪くないし、苦しそうでもなかったどころかちょっと満足げで可愛かったから、大丈夫な方に賭けただけで」
「あー……あのときは目ぇ閉じたけど、寝落ちるまでは行ってなかったからな」
 今更、あのときは寝たフリで相手に後始末をさせた、なんてカミングアウトをする羽目になるとは。でも相手はその件に今更何かを言う気はないらしい。
「じゃあ本当に、今回はちょっと目を閉じたらそのまま寝ちゃっただけ、って感じなの?」
「いや、眠るつもりで目ぇ閉じたから、厳密にはあの時と同じ感覚、ではないか。でもあの時お前が、俺が寝落ちたって思って後始末してくれたの覚えてたから、このまま眠っても平気だろって思ったのは確か。で、お前がそんなに心配するとは考えなかったから、そこは、本当に、ごめん」
「本当に、抱き潰すほどの無理させたわけじゃないなら、いいよ。てかどっか痛いとことかはないの? 俺、本当に、無理させてない?」
「筋肉痛来てるっぽい痛みならある。けどたいした痛みじゃないな。あと痛くないけど、違和感はそれなりにある。主に尻の穴の入り口と、腹の奥」
「奥……」
「前立腺は意外となんともないというか、あんなに気持ちよくなったのに、そこまで影響残ってる感じしないな」
 というか、触れられていない今は、どこが気持ちよかったのかはっきりわかる感じじゃない。でも奥の方は確実に、突かれて気持ちが良かったのはここなんだなとわかってしまうレベルで、そこに違和感が残っている。
「え、奥の違和感て、奥で気持ちよくなった名残的なナニカなの?」
「そう。何もされてないのに、なんかジクジクした感じが残ってるっていうか、お前に突かれてそこが気持ちよくなった事実を思い出すというか」
 さっき一度、意識して赤面済みだからか、声に出して相手に説明しているのにそこまでの羞恥は込み上げてこなかった。なので平然と説明して見せれば、相手は呆気にとられた顔をしている。
「なにそれ、……エロすぎ」
「なっ」
 一瞬ためらった後、けれど言わずにはいられなかったらしく、溢れてきた言葉にも思わず同意を示してしまう。ついでに言えば、事後にそんな報告をされたらたまらないだろう気持ちもわかる。わかってたから正直に報告したとも言う。
「って、そのニヤケ顔なに? 俺、もしかしてからかわれてる??」
「からかってはいない。そういう報告されたら嬉しいかなって思って言ったら、お前がまんまと、俺をエロいって言ったから面白かっただけ」
「もしかして、エロいって褒め言葉の分類?」
「それは使い方によるだろ。少なくとも、今の『エロすぎ』に侮蔑とか嘲笑の意図は感じなかった。どころか、昨日俺がそこで気持ちよくなったの思い出して興奮した、的な意味とかもありそうだった」
「まぁそれを否定はしないけど。てか、昨日の最後、お前を抱く俺がエロいのがいい、みたいなこと言ってたあれは? 悪い意味ではなさそうだったけど、一人で納得して笑ってたから、けっこう気にはなってるんだよね。今も」
「あー、うん。それはちゃんと説明しないとなって、思ってた」
 言いながら、手を伸ばして相手の耳横からそっと髪を梳いていく。
「んっ」
 相手は特に抵抗することなく素直に髪を梳かれながら、気持ちよさそうに目を細めている。
「髪、結構伸びたよな」
「そうだね」
「俺が可愛いの好きってわかってるから、女装してた時、お前、この髪ゆるふわに纏めてたろ」
「うん。好みだし可愛いって言ってくれたから、似合ってた、ってことだよね?」
 髪の毛洗わないほうが良かったって話? と聞かれて首をふる。むしろ全く逆の話だ。
「可愛い服着てなくて、しっかり男の胸板見せられてて、雄の獰猛な気配が隠しきれてなくて、まったく可愛い要素がないお前のこと、すげぇ色っぽく見えたのが、新鮮だったんだよ。しっとりと濡れた髪が顔の横に雑に垂れてるのが、特にたまらなくエロかった。中身一緒なんだから、男のお前も女装のお前もどっちにしろ可愛い。みたいに思う気持ちもあるけど、男のお前の外見に興奮するってのも、可愛さじゃなくて色気に反応してるのも初めてで、安心したっていうか、嬉しかっただけ」
「んー、わかるような、わからないような……」
「お前はお前だから、お前の中の可愛いとことか、俺を求めるいじらしい努力に反応してるとこが大きくて、見た目って意味では女装のほうが性的に興奮する感じだったけど、でも、素のままのお前の見た目にだってちゃんと性的に興奮できるんだな、という新たな認知を得た」
「それが嬉しかったの? 笑っちゃうほど?」
「そう。素のままのお前に抱かれるのも、悪くなった。まぁ、女装して、抱いてるのにアンアン喘いでくれるお前もかなり良かったから、結局、どっちのお前だっていいって話でしかないけど」
「それを俺が喜ぶのはわかるんだけど、お前が笑うほど嬉しいのはやっぱイマイチわかんないかも」
「お前が俺のために女装頑張ってんの、似合うし可愛いしいじらしいしで、胸に来るものが有るし、実際それに絆されてるとこがないわけじゃないし、お前の狙い通りになってるんだから気にするとこじゃないかもしれないけど。でも、俺が可愛いのが好きなせいでって気持ちもないわけじゃないから。素のままのお前にだって、性的にもちゃんと興奮できるって判明したのは、俺的にも嬉しいことなんだよ」
 今後も女装を続けてくれるなら、それはそれで歓迎してしまいそうだけど。と続ければ、女装は多分続けると思うけど、可愛いのが好きで申し訳ないとか思わないで欲しいと返された。
「可愛いのが好きとか、それをあまり人に知られたくないって思ってるとことか、夢の国通い優先して彼女作らないとことか、そういうとこに思いっきり付け込んだ自覚あるから。それに、俺の女装に見とれてくれたり、好みだとか可愛いとか言われたら内心ガッツポーズ決めるくらい喜んでるから」
 申し訳ないなんて思うのらしくないっていうか、可愛いが好きで何が悪い、って開き直ってる方がきっとお前らしいよと言われて、これからももっともっと女装の腕上げて可愛くなる予定の俺を、もっともっと好きになってくれたらいいと思うよと自信満々に笑って見せる。
 よく理解されていると思うし、もっと好きになってと自信満々に言いきれるのはいい傾向だよなとも思う。それは、こちらの好意や愛情を、しっかり受け止めた結果の自信なのだろうから。
 だから、確かにそうだなと言って笑い返した。

<終>

後半のダラダラエッチでめちゃくちゃ文字数嵩みましたが、最後までお付き合い本当にどうもありがとうございました。
1ヶ月ほどお休みして、次のお話の更新は10月18日(水)からを予定しています。

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い55

1話戻る→   目次へ→

 目覚めたときの部屋の中はかなり薄暗かった。すぐ隣に横たわる存在にギョッとして跳ね起きかけて、けれど体の痛みというか違和感に起き上がることは叶わず、小さく呻いて布団の中で硬直した。
 それからようやく、自分の置かれた状況を理解していく。というよりも、寝る直前までナニをしていたか思い出す。
 どうやら疲れてガッツリ眠ってしまったらしい。カーテンの隙間から入り込む明かり的に、すっかり朝というよりはそろそろ夜が明けるくらいだろうか。
 隣の熱源は当然この家の主で、まだ起きる気配はなさそうだ。
 一緒に寝ていたのはこの家に来客用の布団がないからで、体はさっぱりしているが服は下着しか付けていない。なぜか隣の彼も服は着ておらず、未確認だがきっと同じように下着だけ履いて寝たんだろう。
 しっかり後始末をする余力があって、なぜ裸? とは思ったが、もしこちらに服を着せるのを諦めたなら、自分だけ着込むのをためらったのかもしれない。まぁ、素肌をくっつけて眠りたかったとか言いそうな気もするけど。
 状況を把握したところで、今度は気を付けながら、ゆっくりと体を起こしていく。被害と言うと言葉が悪いが、昨夜のあれこれで肉体に残った影響も、早めにしっかり把握しておきたかった。
 といっても、心構えが出来ていれば、いちいち呻くような痛みや違和感はない。
 あちこち筋肉痛に似た軽い痛みがあるが、それは多分慣れない姿勢をとったせいだろう。尻の穴は特に痛みが残っている訳では無いが違和感がすごい。あと、お腹の奥がまだなんとなくジクジクとしている。
 一度意識してしまうと、そこを優しく突かれて気持ちよくなった感覚まで思い出してしまって、顔に熱が集まるようだ。
 一応事前に予習していたあれこれがあるから、そこで気持ちよくなれることも、知識としてはないわけじゃないけど。でも、一晩であれこれ駆け抜け過ぎじゃないだろうか。
 前立腺だって、慣れなきゃ違和感やら痛みやらを感じるって書かれてた気がするのに。怖い怖い言いながらでも、結局ペニスへの刺激無しで吐精までイケてしまったし、初回からこんなに簡単にあちこち気持ちよくなれる想定は欠片もなかった。
 男は抱いたことないはずなんだけど、と思いながら、相手の寝顔をマジマジと見下ろしてしまう。穏やかで満たされたとはいい難い、なんだか難しい顔で寝ているのが若干気になるものの、だからって何が出来るわけでもない。
 なのですぐに、思考は昨夜の行為へと戻っていく。
 まぁ相手だって色々調べただろうし、それどころか自分の体を使ってあれこれ実践していたわけだし、男との経験はなくても女の子とは相当経験を積んでいたはずだし。と思うと、これも当然の結果だったりするんだろうか。
 体の相性云々も否定する気はないけど、やっぱり相手のテクのおかげ、って気持ちのほうがこちらとしてはどうしたって大きい。これは、自分の体に抱かれる側の素質があった、とはあまり思いたくないって気持ちも関係してそうだけど。
 でもこれらの気持ちは、心のなかに留めて置いたほうが良さそうではある。
 過去の女性関係には色々と思うところがあるようだから、相手は間違いなく、自身のテクを自慢したりしないし、こちらの体を指して抱かれる側の素質があるとも言わないだろう。なので結局、体の相性がいいからこんなにも気持ちがいい、ってとこに落ち着くんだろう。
「ん……?」
 そろそろ相手も起きるだろうか。眉間にますますシワが寄り、次いで、もぞもぞと片手がシーツの上を這う。
 どうやら起き上がってしまったから、そこにあるはずの熱がなくなって、相手の起床を誘ったらしい。
 とっさにシーツの上を這う手を握ってしまえば、見つめる先でゆっくりと相手の瞼が上がっていく。
「あ、悪い、起こした」
「いや……って、だいじょぶ!?」
 思わず謝れば、ぼんやりとした返事があって、それから慌てた様子でガバリと起き上がる。どう考えても、起こしたことに対する「大丈夫」ではなく、こちらに対する問いかけの「大丈夫」だ。
「大丈夫って、何が?」
「なにって、体。どっか痛くない? 気分は? 悪くない? てか、疲れて眠っちゃっただけなんだよね?」
「あー……心配掛けたなら、悪い」
 特に問題はないと言えば、あからさまにホッとされた。
「声かけても体拭いても起きないから、ちょっと、心配した」
「俺、眠りは深いほうだから」
「知ってる。から、呼吸は問題無さそうだったし、とりあえず朝までは様子見しようって思って……ってか、普通に起きてくれてよかったぁ」
 心底安心したというように、大きく息を吐きだしている。
 抱き潰して救急車騒ぎとか、そんなことになったらどうしようかと。なんて呟きまで聞こえてきて、どうやら思ったより大事になりかけていた。
 後でフォローすればいいだろと、あっさり寝落ちた事をさすがに悔いる。せめて、何か一言二言告げてから、眠ればよかった。疲れて眠りたいだけだと、言っておくべきだった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い54

1話戻る→   目次へ→

 前立腺を狙って突かれながら、自身のペニスを扱くのはたまらなく気持ちがいい。腰からとろけるみたいな甘い痺れが広がっていくのがわかる。
「んんっ、ぁっ、ああっ、い、イイっ」
「俺も、いい。すごい、気持ちぃ」
 うっとりと返される声と、快感にとろけかけた顔と、獰猛な気配。さっき髪ゴムを奪って捨てたから、顔の横から伸びた髪が雑に垂れているのが印象的だ。可愛らしさを目指して作られたゆるふわシニヨンと違って、可愛いと言うより断然色っぽかった。
 視界に映る相手に女性的な要素はなくて、むしろ晒された裸体は間違いようもなく男で、なのにこんなにも興奮が刺激される。素のままの相手に対して、ここまで色気を感じたことはなかったのに。
 その実感は、じわじわと笑いを呼び起こす。素のままの相手の容姿に対して、性的に興奮できるというのが、多分、嬉しいのだと思う。
 相手の、こちらを求める内面に触発されてだったり、肉体に与えられる快楽によって引き出されるのではなく、視覚情報から興奮しているのが新鮮だった。しかも、可愛さではなく、色気に反応している。
「ぁ、ああっ、いいなっ、これ」
「これ、って?」
 まだ明確に笑いをこぼしては居ないが、こみ上げる笑いは気づいているんだろう。また何か突拍子もない事を言い出されるのかと、若干警戒されている気配が有る。いいな、と指したものが、肉体の快楽ではないと察している。
「俺を抱くお前、ん、ふふっ、めちゃくちゃえろいな、って」
 とうとう笑いがこぼれ落ちて、相手がまた混乱しているのがわかってしまうけど。
「すげぇ、いい。から、もっと、はげしく、して」
 誘うように、ペニスを扱くスピードをさらに上げて、射精へ向けて自身の体を押し上げていく。
「もぉ〜」
 いろいろ説明不足の不満を一旦その吐息で流したようで、こちらの望み通りに素早く長めのストロークでお腹の中を擦ってくる。でもガツガツと奥まで押し込まれるような乱雑さはなくて、かなり加減はされているらしい。
 というかそれが多分相手の培ったテクニックの一つなんだろう。突かれるスピードは早いのに、柔らかに押し上げ捏ねられるとたまらなく気持ちが良かった。痛いのすら気持ちがいい、ではなく、ジクジクとした痛みのようなものは、もう、明確に快感に変わってしまった。
「あっ、アっ、アッ、いい、いくっ、ああっ、きもち、おく、も、すごっ」
「はぁ、中、うねりすぎ、でしょ。俺も、ちんちん溶けそなくらい、気持ちぃ、よ」
 一緒にイこうね、という甘ったるい誘いに必死で頷きながら、お腹の中を押し上げられるのに合わせて白濁を吐き出していく。
「あ、あ、ああっ」
「んんっ、イッちゃうっ」
 可愛く宣言しながら、相手の動きも止まって、お腹の中ではペニスがビクビクと震えている。
 脱力した体をぐったりと布団に投げ出し、荒くなった息を整えながら、満足感が凄まじいなと思う。
 短な間隔での2度目だからか、勢いも量もなさそうだけれど、快感の度合いでいけばさっきよりもずっとずっと気持ちが良かった。
「もうちょっとだけ、余韻、浸っても、いい?」
 躊躇いがちな声が上から降ってきて、どういうことかと思ったら、まだ抜きたくないんだけどとと続いた。どうやらもう暫く体を繋げたままでいたいって訴えらしい。
 まぁ、気持ちはわかる。それに、すぐに抜かなくたって男同士じゃ妊娠の心配はないもんなぁ。しくじって中に溢れたって、ちょっと腹を壊すくらいだろう。
 構わないと言う代わりに、軽く腕を広げて相手を迎え入れる姿勢を示せば、ありがとうの言葉とともにその体が落ちてくる。気を遣ってか全体重を掛けられたりはしてないが、その重みと相手の体温が心地よくもあった。
 急激な眠気に誘われて、これはまずいと思ったけれど、腕の中の熱を突き放して後始末をなんて気には到底なれない。ついでに言うと、こっちが寝落ちたら相手がなんだかんだと世話を焼いて後始末をするだろうことも、知ってしまっている。
 後でしっかりフォローするからいいよな。なんて言い訳を胸の中で呟いて、そのまま意識を手放した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い53

1話戻る→   目次へ→

 相手が自分を可愛いと思うことと、自分が相手を可愛いと思うことは両立できる。
 相手にイイトコ突かれて気持ちよくなってるのは事実で、それを相手が喜んで嬉しく思うことを否定する気はないし、そんな反応を返すこちらに対して、可愛い愛しいって感じているなら良かったと思うし嬉しいとだって思う。
 そして相手だって、きっと同じように感じられるはずだった。だって女装でこちらを抱いて、可愛く喘ぎながら果てたのだって、現実に起きたことだ。
 まぁ、抱いてるのに抱かれてるみたいな錯覚を嫌がって、わざわざ女装を解いてるわけだけど。でも残念ながら、女装してなきゃ可愛くないわけじゃない。女装したら見た目がより好みに近くなるのと、彼の女装がこちらの愛を乞うものだと知っているせいで、より愛しさが増すってだけだ。
 中身は一緒なんだから、雄臭くて獰猛な気配を纏おうと、必死にこちらを求めるならば、やっぱり愛しい恋人には違いなかった。今まであまりそういう雄臭さを表に出されなかったせいで、馴染むのに少し時間がかかっただけだ。慣れてしまえば、こちらを求める欲求が溢れ出ているだけだと、気づいてしまう。ギラつきを抑えられないくらいに求められるのだって、別に、嫌だなんて感じない。というか嬉しい。
 今までは隠せていた欲を、隠せなくなったとか、隠さなくても大丈夫だと察知したとかで見せているなら、良かったと思うし嬉しいとだって思う。
 相手が素のまま自分を抱く時に見せる、そんなあれこれによってだって、相手を愛しく思う気持ちは膨らむようだった。つまりは、女装時とは方向が違うだけで、より愛しさが増すって意味では、そこまで大きく変わらないのだ。
 だからなんだろう。この愛しさが、抱かれながらだって、尻の刺激に喘ぎながらだって、自分の中の雄を刺激するんだと思う。不安なんてないまま、安心してとろけるみたいに気持ちよくなって欲しいし、可愛く喘いで見せて欲しい。多分間違いなく、興奮するから。
「ぁっ、少しはりかい、できた、かよ」
 話してる途中で相手がゆっくりと動きを再開させたので、じわりと広がる快感に抗いながら喋るのはなかなかに大変だった。でも、人の話は最後まで聞けと止めることはしなかったし、相手にだってこちらの話を止める気がないのは、ゆるい腰使いからも明白だった。
「少しどころか、充分に」
「で、かわいく、あえいで、見せてくれん、の?」
「そこまで言われて、やだとか、無理とか、言うわけないよね」
「だよなぁ」
 ははっと笑えば、緩やかにではあるものの、グッと奥を突かれて「ああっ」と少し大き目の嬌声が溢れる。
「ねぇ、大好き。っていうか愛してる。俺の恋人がかっこ良すぎて、優しくて、めちゃくちゃ愛しい」
「あっ、あっ、知って、る、ぁあっ、し、おれもっ、ああっ、そこっっ」
 少しずつ早くなる腰の動きに喘ぐ方が多くなってしまうのに、その上、狙ってイイトコロを突かれれば続く言葉は簡単に奪われてしまう。ただ、続くはずの言葉は相手も聞きたかったんだろう。そのまま何度も突かれることはなかった。
「イイトコ当たると、中がギュンギュン締め付けてくるから、俺も、すごい、気持ちくて」
「ば、っか、俺にも、好きって、言わせろ、よ」
「ごめん、愛しさが暴走して、つい。てか、好きしか言ってくれないの?」
「散々、お前が愛しいって、もう、言った」
 確かにと笑う顔は満足げだ。
「愛してるよ。お前が愛しい。俺はまだ、言い足りない」
「好きなだけ、言え。俺も、どうせまた、言うから」
 楽しみだと笑う顔は愛しげで、嬉しそうで、とろけるまでもう一歩って感じに見える。可愛く喘げというこちらの要求に、応じようと頑張ったり演じているわけではないだろう。
 ちゃんと安心できたら、こちらの好きとか愛とかを実感しまくったら、そうなるってわかっていた。あんなに言葉を重ねまくって説明してやった成果がきちんと出ている。
「ね、も、イきたい」
「いつでも、好きに、イケよ」
「うん。でも、お前がキモチくとろけるとこ、俺だって、見たいよ。だから、ね」
 おちんちん扱いて気持ちよくなるとこ見せてとねだられるまま、握る手の圧を強めて扱くスピードも上げていく。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い52

1話戻る→   目次へ→

「あああっっ、ちょ、あっ、はげ、し」
 さっきとはまたちょっと違った、別種の怖さにさらされて、慌てて握ったペニスをしごく。
「ごめんね。さすがにもぅ、俺も、限界で」
 気配は獰猛で、そのくせ、目に映る顔はなんだか情けなく眉尻をへにょりと落としている。
「ばぁか、あ、も、お前は、可愛く笑っとけ、ってぇ」
 何それと苦笑する顔もどこか苦しげで、そんな顔が見たいわけじゃないのにと思う。
 一緒にイッてに頷いたそれは、さっき見せた、満たされてとろける彼と一緒に、ってつもりだった。ペニスを扱いて気持ちよくなっていいなら、同じくらい、満たされてとろけるような気持ちよさとともに、一緒に果てれると思ったからだ。
 相手に合わせてイクつもりが有るから、片手はそのままペニスを握って扱きながらも、もう片手を彼に向かって必死に伸ばす。すぐに前傾してくれた相手の肩を引き寄せながら、その唇を塞ぎに行った。
 触れる前から薄く開いた唇の隙間、躊躇うこと無く伸びてくる相手の舌を絡め取って強く吸う。こんながっつくキスをこちらから仕掛けたことはなかったから、相手は少し驚いたようだったけれど、でも突き放されることはなかった。
「ぅうっっ」
 痛いかもってくらいにチュウチュウ吸ったらさすがに呻かれたけど、それでも顔を離されることはなく、こちらの好きにさせてくれる。ただし、お尻の中を擦る相手のペニスの勢いは、落ちるどころかむしろ増していた。
 単に、腰を振るのに集中したい、というのを実践されてるだけなんだろうけど。だって、好きに舌を吸わせてくれるけど、こちらの口の中をその舌で弄って感じさせようとする気配はない。
「んっ、んっ、んっっ」
 相手の舌を吸うのに必死になって、かなり酸欠になっているのは感じる。頭の中がぼんやりして、勢いよく奥を突かれるとじんわりと痛いのに、痛いはずなのに、頭のどこかではその痛みが気持ちいいって思い始めている。
「っぁ、激しくても、ちゃんと、きも、ちぃ、から」
 お前はもっと安心して気持ちよくなっていい。とまでは言わず、一方的にそれだけ告げて、再度相手の口を塞いでしまう。ついでに、肩を掴んでいた手を相手の後頭部に回して抱え込んだ。だけでなく、手探りで相手の髪をひとまとめにしている髪ゴムを引っ張った。
 スルッと抜けてきた髪ゴムはそこらに放って、幾分湿ったままの相手の髪を梳いてやる。気持ち的には愛しさを込めて。だけど、状況的にそこまで優しい手付きにはなっていないだろう自覚はある。
 こちらの行動が意味不明すぎたんだろう。限界と言いながら激しく腰を振っていたはずの相手が、とうとう触れる唇も髪を梳く手も振り切って、寄せていた上体を起こしてしまう。止まってしまった訳では無いが、腰の動きも随分と緩やかになった。
「ぁ……」
 そのまま果ててしまえと思う気持ちがないわけじゃなかったから、相手の興奮を削いでしまったらしいことを少し残念に思う。けれど、困惑しながらも頬を上気させてこちらを見つめる相手の、水分量が増して潤む瞳には、胸の奥が満たされる思いがした。
 満たされて、ふっ、と笑うような息を吐く。
「一緒にイクなら、可愛いお前とが、いい」
「なに、それ」
 こちらの目的を知らせれば、相手は困惑を深くする。やはりまだ言葉が足りないらしい。
「獰猛で、雄っぽくても、お前は結局可愛い。……って、言ってやろうと思ってた」
 実際ちょっと可愛くなってると指摘してやれば、ますます狼狽えたらしい。
「ちょ、っとぉ」
 狼狽えてとうとう腰の動きが止まってしまったので、煽るようにこちらから腰を揺すって見せつけるようにペニスを扱いて見せれば、不満そうに声を上げる。でも腰を掴んで動きを止めに来たりはしなかった。
 とはいえ、こちらもまだ色々と言い足りないので、そのまま煽り続けることはしないけれど。
「も、げんかい、だろ? いつイッてもいい。けど、お前も、ちゃんと、言えよ」
「気持ちぃイッちゃうーって?」
「そう」
「言ったら、俺がイクのに合わせて、一緒にイッてくれんの?」
「まぁ、努力は、する」
「なんか、本当に出来ちゃいそうで怖いんだけど」
「自分でちんこ扱いてんだから、そう難しくもないだろ。多分」
「激しくされても、ほんとに、ちゃんと気持ちぃの?」
 さっきそう言ってたよねと確認されて、奥の方突かれるとちょっと痛いと正直に告げる。
「でもその痛いのが、気持ちぃ、みたいなのも、ある」
 正直ついでにそこまで言えば、俺たち体の相性良すぎじゃないのと、困ったみたいに笑う。そこは困るんじゃなくて喜んどけよ。
「それは喜ぶとこだろーが」
 思ったまま口から出た。
「うん。確かにそう」
「お前、俺から離れる気、ないんだろ?」
「そりゃ、俺はそのつもり、だけど」
「良かったな。俺が、お前と離れられないくらい、気持ちよくなれそぉで」
「ねぇ、俺を煽るの天才過ぎない?」
「わかったら、そろそろ観念して可愛く喘げよ」
 こっちだってそろそろ限界なんだけどと言いながら、再度腰を揺らしながらペニスを扱いて見せる。
「そこで俺に可愛く喘げって言い切るのが、ほんと、たまんないよね」
 突っ込まれてお尻気持ちくなって喘ぎまくってるのそっちなのにと指摘されても、それでこちらの訴えが翻ることなんてない。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁