抱かれたら慰めてくれんじゃないのかよ24

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 相手の口調とその内容にセフレの線はないんだなと思ったし、てことは恋人として付き合う気があるのかとも思う。
「あいつだけが、特別なのかと、思ってた」
「それ、そっくりそのままあんたに返すよ」
「お前も、俺には気持ち隠さなくて良くて、気楽だった?」
 自分と同じように、相手にとっても二人きりの時間が安心と心地よさを感じられるものならいい。そう思ったのに。
「それもなくはないけど、あんたが、あいつにすら見せられないような想いや姿を、俺にだけ晒してるっていうのが良かったかな。プライド高いカッコつけが、自分には情けない姿を見せてくれる特別感、わかる?」
「わかったけど、それ、全く褒められてないな」
「そう? 俺を虜にしたくらい魅力的、って受け取ってくれていいけど」
「とりこ、って……」
 ここまでされててなんで気付かないんだろうね、なんて言いながら、先程残された跡にまた相手の唇が触れる。今回は軽く唇が押し当てられただけなのに、さわわっと肌の上を快感が広がっていく。
「俺のものになってよ。セフレじゃなくて恋人に。抱かれてやる気はないけど、でももう、他の誰も抱かないで」
 喋るたびに首筋に掛かる相手の息に、肌が震えるようだった。そしてその内容には、心も。
「うん」
 じわっと涙が浮かんでしまうくらいに嬉しかった。なのにその余韻に浸らせてくれる気はないらしい。
「だいたい、セフレなんか作ったこと無いあんた口説いて手に入れる気でいるのに、恋人にはなる気ないなんて言うわけ無いんだよね。というか手に入れたと思ってたし、正直、恋人になった気でいたくらいなんだけど」
 バカすぎてこっちこそ泣きそうなんだけどと言われるってことは、こっちがまた泣きかけてた事には気付かれているのかも知れない。
「だってお前が、今までのセフレとどんなセックスしてたかなんて、知らないし」
 少なくとも自分は、恋人を抱く時には好きだの言葉を多用した。さすがに愛してるまで言った事はないけれど。
 だって、相手はこちらに本命がいるなんて知らないわけだし、何度も繰り返し好きだと告げればそれが事実になる気がしてもいた。いつか、本命よりも目の前にいる恋人のが好きだと思える、そんな日の訪れを待つような気持ちで繰り返した。
 ただ自分はセフレを作ったことがないし、セフレ相手ならどんな言葉を告げるのかなんて想像が付かない。試しに抱いてみた男とは一度だけと割り切った関係だったから、好きだとも告げなかったけれど、あの男ともし続くような事になっていたら、好きだと言い出していた可能性を否定できない。
「好きだも愛してるも、あんたにしか使ったこと無いよ。って言ったら、自分が今、どれだけ俺に特別扱いされてるか、いい加減自覚湧く?」
 好きだよの甘い囁きが耳元に落とされて、ついでのように耳裏の付根に唇が触れれる。
「ぁっ……」
 触れられたのは耳なのに、腰に痺れるみたいな快感が走って驚いた。同時に、相手との繋がりを強く意識してしまう。体の奥が、熱い。
 先程聞いた、お願いだから動いてとこちらが頼むまでこのまま焦らす作戦、とやらが頭の中にチラついた。本気でそれを狙っているんだろうか。
 いやでも返答次第でと言っていたし、恋人になったならもう他の誰も抱かないし、だったら酷いことをされる理由がないはずだ。
「好きだよ。愛してる」
「ぁあっっ」
 再度の囁きに、繋がる場所をキュッと絞って相手が動くことをねだった体の反応を、自覚してしまって恥ずかしい。
「体は随分素直みたいだけど」
 当然相手にだってそれは伝わっている。だったらもう、動いてくれたっていいのに。やっぱり、動いてってねだらせたいんだろうか。

続きました→

 
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