「ぁ、ぁっ、ゃっ」
のけぞって逃げようとしても相手の頭が追いかけてきて全く逃げられない。それどころか、胸を突き出すみたいになって無駄に恥ずかしい。
チュッチュと柔く何度も吸われて、きっと一層腫れたように固くなった乳首を、今度はねっとり舌先で舐られて、腰や弄られていないもう片方の胸の先がジンジンと痺れるようで怖い。握られたペニスの先からもトロトロと先走りをこぼし続けているし、相手の指先がそれを掬って先端に塗り拡げるから、胸を吸われて感じまくっているのはバレバレだった。なのに。
「一緒に弄ると、乳首もちゃんと気持ちいい?」
嬉しげな息が濡れた胸の先に掛かって、スゥとした冷たさにさえもゾワゾワする。
「ぁ、やっ、ばかっ」
聞かなくてもわかるだろ、とか。そんな近くで喋るなよ、とか。頭の中にはちゃんと言葉が回っているのに、それが口からうまく出てこない。
「んふふ」
なのに相手は満足げに含み笑うだけで、今度は放置されていたもう片方の胸の先へと頭を寄せてくるから、今度はのけぞるのではなく身を捩って逃げてしまった。けれどやっぱりそんなことで逃げ切れるわけがない。
「ぁんっ」
触られてもいないのにジンジンと痺れていたそこに、待ち望んでいた刺激を貰って甘く鳴いてしまった。乳首を吸われて、紛れもない快感を拾ってしまったことに泣きそうになる。けれど相手は、更に確かな手応えを得たと思っただろう。
先程のことがあるから、あまり強い刺激になりすぎないようにと気を遣われてはいるんだろうけれど、口の中で濡れた乳首を転がされながらペニスを扱かれるのはどうしようもなく気持ちがいい。
しかも先程身を捩って逃げたせいで仰向けになっていたので、どんどんと射精欲が高まってくる。このまま続けられたら間違いなくイッてしまう。
「ぁあっ、ぁっ、ゃ、やっ、も、もっ、イ、イッちゃ……えっ……」
あと一歩で気持ちよくイケるというところで、すっと相手の頭も手も離れていって、一瞬何が起きたかわからなかった。
「え、おまっ、なんで」
寸止めされたのだと気づいて、恨めしげに相手を睨んでしまうのは仕方がないと思う。いくら最後だからこの時間を引き伸ばしたいのだとしても、ちょっとこれは酷いだろう。だって絶対気持ちよくイッて良いんだと思っていた。今までだって、こんなギリギリのところで放り出されたことはないのに。
「だってイッた後、さらに弄られるのは嫌でしょ」
「それは、そーだけど。でも今のはイッていいとこじゃねぇのかよ」
「なら、今夜は俺が満足するまで、何度イカせてもいい? 最後だし」
「や、それは無理」
「ほらぁ」
「ほらぁ、言われても……」
「最後なんだから、流石に俺も一緒に気持ちよく終わらせてよ」
「うっ、まぁ、それは、……わか、った」
過去に何度かはこちらだけが先に果ててしまって、相手に一人で処理させたこともある。
もちろん目の前でということはなく、こちらが帰宅した後や寝落ちた後に抜いたんだろうな、というだけだけれど。ついでに言えば、イッた後は感じすぎてそれ以上相手をしたくない、というのは相手も充分にわかっていたし、自分だけが先にイッてしまって相手が不満そうにしていた記憶というもないのだけれど。
「ごめんね。乳首感じてくれてるって思ったら、ちょっとやりすぎちゃったよね」
寸止めになるほど弄る前にやめるつもりだった、的な言い訳だろうか。でも乳首で感じていたという指摘は出来れば止めてほしかった。
「いや、そういうのいいから」
感じてしまった自覚はあるけど、言葉にされると落ち込みそうだ。自分が乳首で感じてしまう体を持っているなんて、知りたくなかった。
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