じゃあお言葉に甘えて、なんて言いながら、開いた足の間に身を進めてきた相手に両足を抱えられ、更に開かれるのかと思いきや、軽く閉じるようにして両足とも相手の肩に乗せられる。
なんで、という疑問は、少し前傾した相手によって肩に掛かった足ごと腰が浮いたことと、同時に相手の両手が尻を下から持ち上げるようにして、更には尻タブを左右に割り開いたことで、なんとなく察することができたけど。つまり、こちらの腰を浮かせるのに肩を使ったほうが楽なのと、両手を開けておきたいってことなんだろう。
顔を起こして下腹部を覗いたって相手の手元はもちろん見えないが、何をされているかはだいたいわかる。左右に開かれた尻タブの間を相手の指に探られて、穴の位置を把握された後は、そこに熱い塊が押し付けられる。
「はぁ……」
その熱さに、緊張と期待と恐怖とを混ぜて、震える息を吐き出した。
「深呼吸、出来る?」
「へ?」
「深呼吸。息、深く吸える?」
「あ、ああ」
「じゃあ吸って」
促されるまま深く息を吸い込んで吐き出す。吐き出す息は最初やっぱり少し震えていたけれど、二度ほど繰り返せば震えは収まっていた。
「入って、いぃ?」
「ん、……ウッ」
小さく頷けば、尻穴にぴたりと押し当てられていた熱の塊が、ぐっと押し付けられて息が詰まる。けっこう慣らされたと思うのに、やはりそう簡単にスルッと入るものではないようだ。
相手のペニスのデカさを思い出して、早まったかなと少しばかり血の気が引く中、尻を支える両手がまた尻タブを左右に割り開く。
「ぁ、っく……ぅ」
穴の近くに添えられている指先まで穴を広げるみたいに引っ張って、大きな塊がそこへ入り込むのを手伝っているのだ。そう認識するとほぼ同時に、ぬぽっと大きな塊が尻の中に入り込むのを感じ取った。
「んぁあっっ」
実際、ぬぽっ、などという音がその場所から鳴ったわけではないと思う。でも体の中で、そんな音が響いた気がして、軽い衝撃にこらえきれなかった声が喉の奥から押し出されてきた。
「大丈夫? 痛くない?」
少し焦ったような声に、痛くはないと返して、自主的に何度か深い呼吸を繰り返す。その間、相手はそれ以上挿入してくることはなかったけれど、肩に掛かっていた足を下ろしたり、尻ではなく腿裏を支えるように両手が添えられたりと、着々と次へ進む準備をされていた。
「そろそろ、もっと奥、行っていい?」
こちらが落ち着くのを待って掛けられた声に黙って頷けば、腿裏に添えられていた手に力が入るのがわかる。
「痛いときは、痛いって言ってね」
両足を左右に広げながら押し上げられて、ゆっくりと圧迫感が増していく。広がりきった尻穴が擦られて、痛いというよりはなんだか熱い気がして呻いた。
「うぅ、……」
真剣な目に観察されている。こちらが痛みを感じているかを探っているんだろう。うっすらと額に汗が滲んでいて、歯を食いしばっているようにも見える。なんだかちっとも気持ちよさそうではなかった。
なんかちょっとガッカリだなと思ってしまう中、ゆっくりとだが圧迫感は増していく。挿入継続の判断が下されたらしいのはわかったが、相手の真剣すぎる目に晒されて、今感じている苦しさが、ペニスの挿入によるものなのかわからなくなった。
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