これ以上焦らされたくないよという想いを込めながらも、どうすればいいのという気持ちで相手を見つめる。相手は柔らかに笑って小さく頷いてみせた後、ダメ押しとばかりに、もう一度言うよう促してくる。
「言っちゃいなよ。もっとして、って。ね」
これはもう、言っていいって事なんだろう。
「もっと、して……」
「はい、よく言えました」
どっちが先生なんだか、と言いたくなるような返答をされつつも、相手の手がフロントボタンに掛かってホッとする。早く触って欲しくて協力してしまえば、先生が乗り気で嬉しいと喜ばれてしまった。
「ああ、下着、もう結構濡れて色が変わっちゃってるね。随分我慢させちゃった? それとも我慢汁、多いタイプかな?」
もちろん、随分我慢させられているのが正解だ。下着の観察なんてしてないで早く続きを、と思っても居る。
散々お尻を弄られまくった後とは言え、撮影しているのは冒頭シーンなので、これから初めて触れられるのだという演出的なものだというのはわかっているけれど。
「は、やく」
「ふふっ、そんな我慢してたんだ?」
もっと早く誘ってあげれば良かったね、だとか、焦らしちゃってごめんね、だとか。そんな言葉を重ねながら、ようやくペニスが引きずり出されて握られる。
「ぁあんっ」
「ああ、ほら声。声は聞かせて欲しいけど、なるべく静かに。ね?」
わかってると何度も必死に頷けば、じゃあ扱くよと宣言されてペニスを握る手が上下する。ようやく得られる直接的な快感に、腰の奥や頭の中が蕩けていくようだ。
「ぁっ、ぁっ」
「先生のおちんちん、凄く感じやすいんだね。いっぱい我慢汁垂れ流して、すっごいぬるぬるしてる」
「ぁ、ゃあっ」
「太さはあんまりないけど、その分ちょっと長めかな。俺の手でもしっかり握り込めるジャストサイズって感じ。ね、俺の手、気持ちいい?」
「ん、ぅん、きもちぃ」
「あは、素直。少なくとも俺の手との相性は良さそうで嬉しいなぁ。ね、カリの段差、いいよね? 裏筋は好き? 先っぽの穴は? どうされるのがいいか、教えて?」
ねぇ先生、と甘えるみたいに呼びかけられると弱い。彼とは何度も、もっと気持ちよくしてあげたいから教えて、というのを繰り返してきたというのも影響しているかも知れない。
こうしてくれたら気持ちいい、と言うのを教えたら、すぐにでもそれを覚えこんで、うんと気持ちよくしてくれるのを経験的に知ってしまっている。
「ぁ、ぁぁっ、ぃいっ、それ、それ、きもちぃ」
間違いなく気持ちがいいのに、少しだけ物足りない。さっきまで散々弄られていたお尻が疼いていた。でもお尻も一緒に弄って、なんてことはさすがに言えない。
春に撮ったセックスしないと出られない部屋では、抱かれた経験のあるゲイネコのままで良かったけれど、今回のは教え子に脅迫されて少しずつ開発されていく的ストーリーだ。同性の教え子相手に勃起しているのでノンケを装う必要はないのだけれど、しっかりと未経験は装っている。少なくとも、本物のペニスは受け入れたことがない穴、という設定で撮られていた。
この物語はフィクションです。嘘だとわかってたって、初めてってのは萌えるし燃えるよね。という事らしい。
「ね、そろそろイキたいよね?」
「ぅん、ぅん、イキたい、イカせて」
「じゃあさ、俺のも、触って? 俺ももう、いい加減ちんこ痛いくらいに勃起してるんだよね。だからさ、まずは先生が、俺を気持ちよくイカせてよ。見本、見せて?」
「えっ……」
このままイカせて貰えるのかと思っていた。ここでまた焦らされるのかと思ったら、さすがに悲観したくもなる。
「ああ、もう。そんな顔されたら弱いな。じゃあさ、俺がイッてから、ってのはナシにするから、一緒に握っていい? 先生のおちんちんと俺のちんこ、こすり合わせて、俺も一緒に気持ちよくなるならいい?」
もちろん歓迎する。うんうんと何度も頷いてしまえば、それともう一つ、と更に条件が追加されるらしい。
「もし先生が先にイッちゃったら、俺の、口でしてくれる? 俺もちゃんと最後まで気持ちよくしてくれるなら、先にイッても許してあげる」
一人だけ気持ちよくなって終わるのは無しだよと言われて、それくらいならと再度頷けば、上機嫌に約束したからねと念を押された後、ようやく行為が再開した。
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