金に困ってAV出演してみた1

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 端的に言えばかなりの金欠で、返す当てもないのに金を借りるのは躊躇われて、だとすると後は払いの良い仕事を得るしか無い。どうせなら実益を兼ねて、なんて事を考えながら選んだのは、ゲイ動画のビデオモデル募集への応募だった。
 大量のソレ系動画が溢れる現代で、しかもゲイ向けとかなり限られた視聴者向けともなれば、そう簡単にバレるはずがない。とは思うものの、一応の用心で髪色を変えた。
 鏡の中に映る雑な金髪の男はいい感じにチャラそうで、少しばかりホッとする。そんな自分の姿を何枚か撮影し、さっそく応募してみればあっさり出演が決まり、メールのやりとりだけであれよあれよと撮影日と撮影場所が決まっていく。
 
 
 指定された日に指定された場所を訪れ、メールでやり取りしていた担当の方と合流し、今日の撮影の簡単な流れやらを聞きながらスタジオに案内される。
 そんなに緊張しなくて大丈夫と励まされながら開いたドアの先は、なかなかに異様な雰囲気だった。異様と言うか、まぁ撮影現場というものに馴染みがないってだけなんだろうけれど。
 まずは監督と紹介された方に挨拶をして、次に引き合わされたのは本日の撮影の相手役だ。まじまじと見つめてしまう先で、相手は可愛らしい笑顔を絶やさない。
「え、あの……」
「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
 戸惑うこちらを気にすることなく差し出された手を、やっぱり戸惑いながらもなんとか握り返せば、相手は簡単な自己紹介をしてくれた。名前は当然偽名と言うか芸名なのだろうけれど、高校卒業したての18歳だという言葉には思わず本当なのかと確かめてしまう。
 目の前に立つ学生服の男の子は、どう見たって現役の学生である。中学卒業の間違いじゃないのかと言いたくなるくらいには、見た目といい体格といいどうにも幼かった。
「さすがに年齢はガッツリ確認されてますよ。大丈夫。合法ショタっ子ってやつです」
 自信満々に胸を張られてしまえばそれ以上疑うわけにも行かない。確かに既にいくつもの作品を作ってきたレーベルが、18歳に満たない子供を起用するとも思えないので、高校卒業済みというのも間違いなく事実なんだろう。
「そっか。にしても、学生服って……」
 その格好が余計に彼を幼く見せている気もする。
「ああ、これ。衣装です」
「衣装……ってもしかして俺も学生服に着替えるのか?」
「あれ? 今日の内容、まだ聞いてません?」
「まだ。撮影の流れ、みたいなのは聞いたけど」
 そう思いながら背後を振り返ったのは、もちろん、ここまで案内してくれた担当者に詳細を聞くためだ。しかし後ろには誰も居なかった。目の前の彼を紹介後は、あちらはあちらで別の作業のために離れてしまったらしい。
「台本、これです」
 急に心細くなった所に声を掛けられ慌てて向き直れば、薄い冊子が差し出されている。
「あ、台本なんて有るんだ。え、どうしよう。演技なんて出来る気しないんだけど」
 初撮影だし、現場に行って掘られてそれを撮影されて終わり、と思っていた。いや、応募時の自己PRにはタチ経験も一応は有ると書いたから、目の前の可愛らしい男の子が相手なら、今回は自分が抱く側という可能性もあるだろうか。
 マズい。その想定はなかった。最悪スタッフ任せで好きにされてれば終わるようなものかと思っていたのに、演技を求められたり、初対面の子供にしか見えない男の子を抱かなきゃならないなんて、無理としか思えない。緊張と罪悪感とで勃つ気がしない。
「高度な演技が必要な内容じゃないんで大丈夫ですよ。セリフもほぼ無いし。今回の設定みたいなもんかな」
 どうぞと言われて受け取った冊子の表紙には、SEXしないと出られない部屋に初対面の男の子二人を閉じ込めてみた、と書かれていた。

続きました→

 
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