何度かその長さを知らしめるように腰を大きく前後させた後は、小さな動きで奥だけをコツコツと叩いたり、ペニスの先端を結腸の入り口に押し当てた状態でグニグニと押し上げ捏ねられる。
アナルパールでどう感じたかを覚えていて、ペニスでも同じように刺激してくれているのだ、というのはわかる。
実際、どんな風に動かれても、ただただ気持ちがいいばかりだった。前立腺ばかり責められて二度もトコロテンを決めた後で中が充分に解れているのもあるだろうし、早くもっと奥へと焦らされまくっていた充足感もあるだろう。
ただ、ひたすら蕩けるような気持ち良さがあるのに、その快感はいつまでも体の中に蓄積するばかりで、だんだんと苦しくなってくる。
「ぁ、ぁあ、ぃい、きもちぃ、ぁんっ、ぁっ、いき、たいっ、もっ、いぃっ、ぁあ」
気持ちがいいと喘ぐなかに、イキタイ、という単語が混ざりだす。
「ぁあ、ぁああ、いきた、っ、いき、たいっっ、ぁ、んんっ、もっと、はげし、の、して」
気持ちがいいのになかなか極められない苦しさに、もっと強い刺激が欲しいとねだった。躊躇するように一瞬相手の動きが完全に止まって、本当に? と確認される。
「ん、んんっ、いぃ。い、から。も、いきたっ」
「わかった。でも、痛かったら言えよ」
「ん、わかっ、ね、も、はや、くっ」
こんなに気持ちがいいばかりなのだから、多少乱雑に奥を強く突かれたって、多分そこまで痛みなんて感じない。もしくは、痛みを快感が凌駕するだろう。
そんな予想は当たりで、優しく奥を叩き捏ねていた動きが激しくなって、奥をガツガツと突き荒らすような動きになっても、痛みや嫌悪感や違和感が膨らみはしなかった。
「あっ、あああっ、ぁあ゛あ゛っっ、いぃっっ、きもち゛ぃい゛い゛」
激しく揺らされて吐き出す声がみっともなく濁る。
「ははっ、すっごい声。激しくされても、ちゃんときもちぃのな」
そりゃ良かったと、安心と愛しさとを混ぜた声が降った。玩具で散々遊ばれた中で、こんな声で喘いだことはない。
引かないんだなという驚きと安堵が脳裏をかすめて、でも、そのことをじっくり考えたり堪能する余裕はさすがになかった。体の中のキモチイイが益々膨らんで、それどころじゃなかったからだ。
「ぁあ゛あ゛っ、い゛き゛たいっっ、はぁあん、ぁあ゛っ、もっ、や゛ぁ゛っっ」
こんなに気持ちがいいのに。激しく突かれたら押し上げられてそのままイケるだろうと思ったのに、蕩けるみたいな優しい快感だったものが暴力的なまでに鋭く強い快感に変わっただけで、出口がないまま体の中にたまっていく。キモチイイが体中を、頭の中まで暴れまわって、おかしくなりそうだ。
「ぁ゛、も゛っ、やぁ、こわ、こわい゛っ、やだっ、いき゛たっ」
とうとう、いきたい、いかせて、怖いと啜り泣けば、ビックリしたらしい相手がずるるとペニスを引き抜いてしまう。
「あ、あっ、や、やだっ」
抜かないで欲しいとか、続けて欲しいとか、そんな気持ちが思いっきり漏れた、未練たらしい声を出しながら背後を振り返れば、困ったような苦笑顔が近づいてくるところだった。苦笑顔だけれど口元はおかしそうに緩んでいて、目元も愛しくて仕方がないと言わんばかりに柔らかい。
ちゅっちゅと何度か軽いキスをされて、それから、体位を変えようと提案される。
「正常位で、抱き合って、こないだみたいにキスしながら、しよう」
そしたらきっとイケるよと言われて、そう言えば、キスしながら奥を突かれて絶頂したんだっけと思い出す。高校時代に彼とセックスする時は、双方恋愛感情なんてなかったし、少しでもこちらの体の負担を減らす目的で、相手を受け入れるのは後背位でしか経験がなかったから、今日も当たり前みたいに四つ這いで相手に尻を向けてしまった。
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