初恋は今もまだ 友人5

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 結局連れ込まれたのはホテルなどではなく相手の部屋だった。もちろん実家ぐらしなので、彼が親に友達泊めると報告する傍らで、お久しぶりですなどと言いながら自分も一緒に頭を下げる。
 ホテルは無理と言い張ったらなぜかこうなった。
 じゃあ俺の部屋という提案も、最初はもちろん抵抗した。かといって自分の部屋に連れ帰るのも嫌だ。なのに、じゃあまた今度と別れてしまう事も躊躇われて、自分の気持がぐちゃぐちゃだった。
 そんな中、明日の朝飯作ってやるからうちおいでと言われたのが決定打で、頷いてしまった。俺の飯に興味あるんだろ? というその言葉が、自分が彼の部屋に泊まるための大義名分で言い訳になった事は自覚している。
 ちょっと部屋かたすから風呂入ってきてと指示され、パジャマ代わりのラフな部屋着やらをテキパキと用意したかと思うと風呂場に押し込められた。同じ屋根の下、相手の親がいることを考えたらそうそう妙なことにはならないと思うのに、それでも何かされる可能性は考えてしまうし、それで丁寧に体を洗ってしまう自分に腹が立つやら恥ずかしいやらで、なんともいたたまれない。
 そんな風呂タイムを終えて部屋に戻れば、部屋の中にはしっかりと自分用に運び込まれたのだろう布団が、ベッド横のスペースに敷かれていた。うんまぁ、親に挨拶したんだから、そうなりますよね。とは思うものの、なんだかガックリと緊張が抜ける。
 相手が入れ替わりで風呂場へ向かうのを見送った後、さっさと敷かれた布団に潜り込んで、逃げるように目を閉じた。だいぶ酔いは覚めていたものの、それでも残るアルコールの力で、意識はあっさり眠りに落ちた。……はずだった。
「暑い……」
 唸るように告げたら、やっと起きた? というあっけらかんとした声が真横から聞こえてくる。暑さの原因は隣に潜り込んでいる男のせいで、体の上に回された腕は暑いだけじゃなくて重かった。
「何してんの?」
「いたずら?」
「性的な?」
「それはこれから」
 起きるの待っててあげたよという恩着せがましい言い方に、腹が立つより先に呆れて溜息が漏れる。
「親、居るだろ」
「親が心配して見に来るくらい、アンアン大声で喘いじゃうタイプ?」
「なにをいっているのかわかりません」
 棒読みで返せば、相手は楽しそうに笑いながら、無理させる気はないから少しだけ触らせてよと言った。
「ヤダって言ったらやめんの?」
「んー……止めないね」
 だよな。知ってた。
「じゃもうお好きにどうぞ?」
「潔いね。いつの間に覚悟決めたの?」
「今もお前とエロいことしたいなんてこれっぽっちも思ってないけど、のこのこ付いて来てそんなつもりじゃなかったって言えるほど初心でもないってだけ」
「いいよそれで。今はね」
 じゃあ触ると宣言された後、相手の手が服の裾から入ってきて、何かを確かめるように肌の上を這いまわる。
「気持ち悪くない?」
「ちょっとくすぐったい」
「もし本当に嫌だって感じたら、ちゃんと言ってくれていいから」
「は? そんなの当たり前だろ。てか無理って思ったら普通に逃げるし」
「あー……お前のそういうとこ、好きっつうより安心するわ」
 お前が俺から逃げないのって、いざって時に物理的に逃げれる自信があるからだろ、という指摘に、確かにそれはあるかも知れないと思った。
「まぁ、お前に好き勝手させない自信がなきゃ、さすがについてこないかな」
「だよねー。お前、今もかなり鍛えてるっぽいもんな。単純な力勝負で勝てる気しない」
 しっかり腹筋割れてるしと言われながら腹を撫でられるのは、そう悪い気分ではなかった。

続きました→

 
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