親睦会3

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 とある週末の朝、一階の玄関脇にある共同トイレから出たところで、今から出かけるらしい同期と鉢合わせた。隣には当然、同期が恋する先輩もいる。というかあの後あっさり彼らはお付き合いを始めたので、つまりこれからデートらしい。
「何かおみやげ買ってくるね」
「できれば食い物で」
「うん。わかってる」
 ふわふわとした笑顔で幸せを振りまく同期は、最近なんだか可愛くなった。男でも可愛いと得なことって色々あるよねと笑顔で言い切るような、まさに童顔かわいい系の恋人が出来た影響なのは間違いない。
 ただ恋人リスペクトというよりは、もっと単純に、事実あれこれ可愛がられている結果なだけっぽいけれど。
 付き合うことになったと嬉しげに報告された時、先輩抱きたい側じゃなかったのかと聞いてみたのだけれど、あんな可愛い顔してるのに、その顔が欲に濡れながらお前のがずっと可愛いって言ってくれるのがたまらないそうで。そりゃそんな可愛い言われまくるセックス繰り返してんなら、最近同期の可愛さが増したことと、先輩の顔が可愛いってのはあまり関係がないかもしれない。
 あと、思ったより全然気持ち良かったから、抱かれる側でも問題ないという結論になったらしい。でもそれは元々好きな相手だからだろう。
 恋人となった先輩と週末ごとに仲良くデートを繰り返している同期には、たまに、お前も付き合っちゃえばいいのにと勧められるが、さすがに無理って気にしかなれない。
 もちろん同期が勧めてくる相手は、あの日親睦会を企画したもう一人の先輩だ。同期にはあの日気持ちよくイカされてしまった姿を見られているし、現在、自分たちが互いの部屋を時折行き来してる姿だって見られている。ぼっろい寮なので、致してる声が漏れていることもあるかもしれない。
 ようするに、恋人になろうだとか、付き合おうだとかって展開はないものの、やることだけはやっていたりするのだ。ほぼマグロでも気持ちよく性欲発散できる上に、週末の食事が豪勢になる特典付きだったので、なし崩し的に受け入れてしまった。
 我ながらチョロイのは認める。あんなレイプまがいの真似をされた側だってのに、気持ちいいセックスと美味い食事とであっさり懐柔されている。強引に押したら落ちそうと思った結果、酔わせて取り敢えず突っ込んだ先輩の手法ははっきり言って犯罪だけど、まぁ確かに自分相手にはそこそこ有効だったんだろう。
 同期が週末ごとにいそいそとデートへ出かけるのは、寮内でセックスするのはさすがに控えたいという、同期の希望を先輩が汲んでいるからというのも実は知っている。同期がなんでそんな事を言ったかは、寮内でヤッてる他者の声を聞いてしまったからと思っていいはずだ。もちろん、その他者の声が自分の声だろうこともわかっている。だって自分は寮内でそんな声を聞いてしまったことがない。
 ただ同期に声について言及されたことはないし、付き合っちゃえばとは言われるがあの後の自分たちの関係をあれこれ突っ込んで探られたことすらない。元々入居者は少ないけれど、他の入居者にだって、何かを言われたことはなかった。元々の入居者たちに関しては、寛大なのか無関心なのかよくわからないけれど、多分後者って気がしてる。
 出かけていく二人を見送った後、自室へ戻ってこのあとどう過ごすかをぼんやり考える。もしセックスの誘いが掛かるとしてもいつも通りなら夕方だろうし、出かけるにしたってあまりお金を掛けずにとなると近所を散歩とかになってしまう。
 部屋の窓越しに見上げた空は午前中だと言うのになんだか暗くて、天気はこれから下り坂だと言うから、散歩って気分にはなれそうにない。本でも読むかと思いながらはぁとため息をこぼした所で、部屋の戸が叩かれた。

続きました→

 
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