童貞が二人 4

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 腸内をかき混ぜられる感覚も、本来出て行くばかりのその場所を逆流してくる質量も、なかなか気持ちが良いとは思えない。ここじゃね? と言われながらグリグリされた前立腺らしき場所は、気持ち良いどころかむしろ痛い感じで不快だった。
 正直に痛いと言ったので、そこを執拗に弄られることはなかったが、相手もかなり諦め悪くローションを継ぎ足しながら延々と弄り続けている。
 指の埋まる入口の周りを撫でられれば、先ほどと同じように声を上げてしまうけれど、声を上げることも自分の意志でなく身を竦ませてしまうのも、正直疲れるばかりな気がしてしんどい。そんなこちらの疲れた様子に気付いたのか、いつの間にか、そこを撫でてついでのように喘がせる行為はされなくなった。ホッとしたしありがたかった。
 しかしそうすると、本当に、気持ちイイがない。ローションの滑りがあるから、そこまでの痛みはないのが唯一の救いだろうか。
「お前さぁ、実は結構飽きてない?」
 こちらが全く乗り気じゃないことにはとっくに気付いていただろうに、ようやくそれを口に出すということは、そろそろ相手も諦めがついてきたのかもしれない。
「まぁ、割と?」
「こっちは一生懸命だってのにひっど」
「だって気持ちくない」
「けっこう拡がったと思うけど、やっぱまだ怖い?」
「………怖い」
「嘘つき」
 躊躇いつつも怖いと返したら、口を尖らせ拗ねた顔で否定されてしまった。
「じゃあ、お前だけ気持ちよくなるの、ズルい」
 仕方がないので本心の方を告げれば、相手は笑いたいのか困りたいのかなんとも言えない顔をした後でがっくりと肩を落とす。
「あーうん、確かに。今突っ込んだら、多分俺だけ気持ち良くなるわ」
「ほらみろ」
「あーじゃあどうすっかなぁ。取り敢えず抜きっこに移行してみる?」
 頷きながらホッとして体の力を抜いたら、体に埋めた指をそのままに相手の体がグッと近寄ってきた。
「えっ、えっ?」
「俺も隣に横になるから、ちょっと協力して」
「待て待て待て。このまま?」
「そう、このまま」
「指、抜かないのかよ」
「せっかく拡げたのにもったいないだろ」
 もったいないってなんだそれ。
 しかしあわあわしている間にも、相手は人の足を持ち上げたり下ろしたりと好き勝手して、ゆっくりと体勢を入れ替えていく。
「はい、これでよし」
「ヨシじゃないだろ」
 横向きに寝て向かい合うのは確かに抜き合うときにする体勢だけど、足の間に相手の腕が挟まっていて、更にはアナルに指が入っているなんて状況、頭も気持ちも追いつかない。なのに相手はさっそくチュッチュとキスを繰り返してくる。
「顔近いのやっぱいいな」
 ふにゃんと頬の緩んだ顔は満足気だ。
「いやあの、ちょっと」
「俺今日片手しか使えないから、お前が積極的に頑張ってな」
「人の話を聞け」
「だって俺まだ、お前と繋がるの諦めたわけじゃないから」
 でもお前も一緒に気持ちよくなれないのはフェアじゃないしと続いたから、これはもしかすると、抜き合い気分で互いのを擦りあって、こちらが感じ始めたら突っ込むからなって宣言なのか?
 しかしそれを確認する時間はなかった。軽いキスが深いものへと代わっていき、それと同時に、気持ちが伴わずに萎え気味だったペニスを相手の手が包んできたからだ。
 自分ばかりがされるわけにはと、こちらとは対象的に、既にがっちり張り詰めて先走りを零す相手のペニスに手を伸ばした。
 あ、これ、先に相手がイッたら突っ込まれるの回避じゃないか?
 そんな思考で一生懸命に相手のを握って擦れば、相手の体がビクンと跳ねるのがわかる。状況のまずさに相手も気付いたのかもしれない。
 知らずニヤリと口元を歪ませたら、触れていた唇が離れていく。
「なぁお前、わかってる?」
「何が?」
「俺をイかせないほうが、突っ込まれた後、多分楽だよ?」
 んん? どういう意味だ?
 そんな疑問は顔に出たらしい。
「今の状態なら突っ込んだら多分すぐ終わり。でも二発目ともなると、突っ込んだ後が長くなるかも?」
 ああ、そういう話。
「って、お前、何が何でも突っ込んでやるってことか、それ」
「だってもう怖くはないんだろ」
 お前の中に入りたいよと熱い息が囁いて、再度唇が塞がれた。

続きました→

 
 
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「童貞が二人 4」への2件のフィードバック

  1. いやまあそれ(エチの終わり)は、本人たちの努力次第なので・・・。(笑)

    よくあります、私だって経験してますよー。
    「えっえっ、ここでこっち(話の筋)に来てくれないと困るのよ私が! 」
    とか。。。

    で、主さんより恋人さんの方が用意周到に見えるけど、頑張って欲しいんだけどお腹の虫がグウウゥー、と鳴かないように気をつけてね~~。 腐腐

  2. mさん、コメント有難うございます~(*^_^*)
    今回更新分で突っ込んで終わり! と思ってたんですけどね~(笑)
    なかなか思うとおりに進みませんが、それはキャラの個性が私の中でそうじゃないって主張してるようなものなので、これはこれで書くことそのものは楽しいなって思ってます。

    少なくとも主よりは相手のほうが体を繋げたい意思が強そうだし、それがあるからなんとか最後まで行けそうな感じです。
    正直、主の繋がりたい気持ちがもっと強かったら、気持よくないとかグダグダいってないで早く入れてってなってたんだろうなぁ……

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