竜人はご飯だったはずなのに22

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 スリットは彼の性器を収めている袋であって、人間の女性の膣とは全く違う。自分が突っ込む側でのアナルセックス経験はないが、筒状の直腸はやはり膣に近いはずだし、自分の体感からしてもそうだろうなと思う。
 つまり何が言いたいかというと、スリットは射精を促すように、グニグニとペニスを締め付けてはくれないってことだ。ただ、ヌルヌルな粘液で満たされた中で、彼のペニスと自分のペニスが触れ合い擦れる刺激は悪くなかった。
「ぁ、う、うぁっ、ぁあっ」
 腰を突き入れるたびに、自分よりも体の大きな竜人が、戸惑いの滲む甘えたような声をあふれさせているのもたまらない。
「は、っはぁ、どうよ。痛いとか、しんどいとか、あるか?」
「それは、大丈夫そう、だ」
「ん、なら、もーちょい動く。やな感じしたら、教えろよ」
 単調な突き入れを止めて、どうすれば相手がもっと気持ちよくなれるかを探るように、腰を揺らしてペニスで中をかき回した。
「んぁっ」
 指を突っ込んで弄った時に、反応が良かった場所をペニスの先で狙って突いてみれば、思わずと言った様子の高めの声が漏れ落ちる。
「やっぱここ、か」
 スリット内の彼のペニスは、発情時に比べれば十分に小さいのだろうけれど、それなりに太さも大きさも硬さも保持している。
 実のところ、コツさえ掴めば強引にスリットから剥き出すことも可能だし、そうやって確かめた平時の彼のペニスは、人基準ならやや小ぶりかも程度の立派さがある。その状態を維持して貰えれば、それで尻穴を犯してもらうことも可能かな、なんてことを考えてしまった程度に魅力的だったけれど、さすがに提案したりはしなかった。
 まぁ、どれくらい維持できるのか試すみたいに、維持できなくなるまででいいからしゃぶらせて、っていう提案はしたけれど。結果、繋がる前に相当焦れきってなきゃ、その時間でイクのは無理だなって思ったから、尻穴で扱かせてなんてことは言わずに済んだってだけなんだけど。
「ぁあっっ」
 いくつもある段差の、一番付け根に近いところへペニスの先を押し当て、グッグと何度か押し上げたあと、ずりりとその段差を捲るように一つ上の窪みへペニスを滑らせてやった。
「……ぁあっ……あああっっ」
 段差の下部分が敏感で、ずりっと段差を捲られるのが、かなり弱いらしい。しかも感度はペニスの先端に近づくほど高くなる。そうやって段差を捲るたびに、堪えきれない嬌声が溢れてくる。指で弄るより、ずっと強く押し付け擦り上げている自覚はあるから、甘く吐息をこぼす程度じゃ収まらないんだろう。
 何かに耐えるように、脇に投げ出されている手がシーツをキツく握りしめていた。
「ツライ?」
「いい」
 多分、大丈夫という意味だろう。
「善いのか? きもちぃの? まだダイジョブ? もっとして、いい?」
 コクコクと頭が縦に揺れたけれど、どれに対する肯定かを確認するほど意地悪くはない。
 一度少し腰を引いて、また根本に近い部分から順に、段差を抉るように刺激してやる。先端まで到着したら、もう一度根本から。そうやって何度も自分のペニスを使って、相手のペニスを可愛がってやる。
 相手は何かに耐え続けながらも甘く啼き続けていて、もうやめてくれとは一切言わなかった。けれど、キモチイイからもっともっと続けて、という様子ではないのもわかっている。
 自分自身のペニスも気持ちはいいが、射精しそうだという感覚はやはり起こっていない。繁殖期ではなく薬も使用していない相手だって、当然射精はしないだろう。
 こちらの体力が尽きるまで、もしくは相手が刺激に耐えきれなくなるまで。やはりそれが終わりの目安だろうか?
 結構アレコレ指でも舌でも弄り回したけれど、自分が尻穴で絶頂を極めるように、彼がスリットで絶頂を極めたことはない。強い刺激にいつも以上に乱れた姿を見せてくれているけれど、だからって彼自身が全く未知の絶頂へ、連れていってやれるとは思えない。もちろん、いつかそうなればと思う気持ちはあるけれど。
 だとしたら、自分自身がイクことを目指すほうが、まだ可能性がありそうだと思った。間違いなく精液なんて出ないけど、大昔、射精を覚えてバカみたいにオナニーしまくっていた頃、白いものなんてもう出ないってほど出しまくった後で、精液を出さずにイッたような記憶がおぼろげにある。さすがにあれはやりすぎだったが、あんな感じで、射精しなくても絶頂に到れるんじゃないだろうか。
「なぁ、俺が気持ちぃように、動いてみて、いいか?」
「ぁあ……もちろん、だ」
 どこかホッとした様子を見せるから、やっぱり相当キツかったんじゃないかと思って苦笑する。
「じゃ、お言葉に甘えて。けど、止めてくれってときは、ちゃんと言えよ」
 わかってると返った言葉の信憑性はやっぱり薄そうだと思ったけれど、取り敢えず、相手を刺激する動きから、自分自身の気持ち良さを探っていく動きに変えた。

続きました→

 
 
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