竜人はご飯だったはずなのに24(終)

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 結局、泣きながら好きだ気持ちぃ愛しいと繰り返しつつ腰を振りたて、同じように好きだ気持ちぃ愛しいと喘ぎ啼いてくれる相手を追い詰める行為は、こちらの体力が尽きて終わった。正確には、ガツガツ腰を振れなくなった後も、スリットに勃起ペニスを差し込んだまま相手の胸の上に胸を合わすように寝転がって、ゆるゆると腰を揺らすような事はしていたのだけれど、気付いたら疲れ切って寝落ちしていた。
 しかも相手はそのままこちらを寝かせてくれていたので、ふと意識が戻った時には、まだペニスは相手のスリットの中だったらしい。たださすがにもう、萎えて小さくなっていたから、ちょっと身じろいだだけでそれはズルリと彼の中からこぼれ落ちてしまう。というよりも、抜け出るその感触と彼の零す甘い吐息で、初めてまだ彼の中だったことに気付いたのだった。
「うわっ、ずっとそのままで居たのかよ。てか疲れて寝落ちただけなんだから、脇に転がしてくれて良かったのに」
「そんな勿体無いまねをするはずがないだろう」
「勿体無い?」
「自分の中で、お前のペニスが少しずつ柔らかになっていくのを感じるのも、幸せだった」
「幸せ?」
 わけがわからないと首を傾げるような違和感はないものの、彼の言葉をすんなり飲み込めずに、彼の言葉に疑問符をつけて繰り返すばかりだ。
「そうだ。訓練すれば発情がなくともスリットを突かれて気持ち良くなれる、というのとは別にして、好きな相手の発情を受け止めるのは喜ばしいことだ、というのをまさに実感した」
 どこかうっとりと言い募る言葉に、嘘はなさそうに思える。
「俺が疲れて寝落ちしたことで?」
 さっきは射精が出来ないこの状態は発情なんかじゃないと言ってしまったけれど、さすがにそれを繰り返したりはしなかった。自身の勃起ペニスで相手と繋がれることに、誰のペニスも受け入れたことがないという彼のスリットに、初めての男として迎え入れてもらうことに、酷く興奮しきっていたあれを発情と呼ばずになんと呼ぶのか。
「いや。一連の行為全てで、だ」
 そっと頬をなでた手が、そのまま髪を梳いていく。愛しげな手つきに思わずうっとり身を任す。加減を覚えた彼の手は、ただ撫でてくれるだけでもたまらなく気持ちが良かった。
「はっきり雄の顔をしたお前は、随分と生き生きとしていたな。久々の勃起に相当興奮していたせいだろうか。言葉がいつも以上に荒くなっているのが酷く可愛かった。途中で泣いてしまったが、昂ぶる感情全てを晒して、それら全てで求められたことが、やはりたまらなく嬉しいと思う」
「俺の中では、みっともない姿晒しまくった、歴代最悪に近いセックスだったんだけど」
 なのにこんな、本気で嬉しくて幸せでたまらなかったみたいな評価をされてしまって、なんともむず痒くて仕方がない。
「お前の言うみっともない姿は、私からすれば、とても愛しく、可愛らしかった」
「その評価はそうとう微妙。というか欠片も嬉しくない」
「お前だって、抱かれながら私を可愛いと言っていたじゃないか。しかも、大概、終わりかけの疲れ切ったひどい状態になっている時ばかり」
 言われてみれば、確かにそうだった。みっともない姿が可愛らしかったという彼の言葉も、それと同じなのかもしれない。
「あー……薬使ってむりやり発情してた時のお前、疲れが増すほど色気も増す感じで、最後の方とかかなり凄いんだよな。基本めっちゃ紳士なのに、少しぶっきらぼうになってくのとか、たまんなかった。考えたらあの頃から、こっちは抱かれて元気になるばっかなんだから、勃起さえすりゃ立場入れ替えてお前に突っ込んでやるのに、とか思ってたような気がしないこともない」
「きっと今後は私が、そう思うようになるのだろうな」
「えっ?」
「だってそうだろう? 私の繁殖期はまだまだかなり先だし、食事としてのセックスはもうほぼ必要がないから、薬を使って体を発情させることもこのままなくなるはずだ。低リスクの薬が出来たら、実験的に何度か試す可能性がある、くらいじゃないか?」
「確かにな。てかお前の繁殖期来るまでお預けなのもちょっと寂しいし、低リスクの薬ができて、実験的に何回かじゃなくて定期的にそれ使えるようになる、ってのが理想だなぁ」
「そう思うなら、お前も頑張ってくれ」
「え、何を?」
「お前が私を抱くセックスを」
「そりゃもちろん、頑張るっつーか一緒にもっともっと気持ちよくなりたいし、お前イカせたいし、いつかはお前の中に精液ぶちまけたいとか色々考えてるけど、でもごめん。良くわからん」
 相手はそれでいいと言ったが、全然納得行かない。食い下がってどういう意味かと尋ねた。
「リスクを負ってでもお前を定期的に抱きたい、と思うくらい、食事ではないセックスを楽しませてくれ、という意味だから、それでいいと言ったんだ」
「定期的に抱きたいって思ってくれたって、定期的に薬使わせて貰えるかどうかは別問題だろ?」
「そうでもない。今回、お前の食事でキツイ薬を頻繁に使った実績があるから、低リスクな薬の実験を私のこの体でという方向で売り込むことは可能な気がする。まぁ、抱かれたいと言いまくるお前のためにちょっと無茶して薬の都合をつけれる程度の権限は元々あるし、低リスクであればより入手しやすいだろうよ」
「つまり、お前さえその気にさせれば、薬が出来たら定期的に抱いてやるよって宣言?」
「結局は薬のリスクと、こちらの体への負担とを考えながら、あまり無理のない範囲で、たまにって感じだろうけれどな。そもそも薬が出来上がる頃に、私達がどういう関係にあるかもわからない」
「たとえ体の機能が元通りになっても、人間界戻りたいとか一切思ってないどころか、死ぬまでずっとこのままお前らに面倒見てもらう気でいるんだけど?」
「その覚悟はどちらかといえばありがたいな。さすがにお前を人間界に戻せるとは、私達も考えていないから」
 人間界の食べ物で生きていく体に戻すのは現状無理だそうだ。それを聞いてなぜかホッとしているから、なんだかおかしくて笑ってしまう。
「じゃ、低リスクの薬が出来る頃、俺がまだセックスとか出来る年齢かどうかが問題な感じ? だったらお前の次の繁殖期が先にくるよな。それとも実は後10年も生きてられそうにないとか言う?」
「言わない。お前には人の寿命を全うして貰う予定でいる。こんな場所へ閉じ込められてもそう悪い人生ではなかったと言ってもらえるように、今後も全力でサポートする」
 長命な彼らにとっての人の寿命なんて、きっと儚いものだろう。自分が老いてヨボヨボになっても、目の前の彼は今と変わらぬ容姿で、今と同じように優しい手つきで、愛しげに撫でてくれるのだろうか。そうだったらいいなと、自分にとってはまだまだ先の、遠い未来へ思いを馳せる。
「先程私が言った、どういう関係になっているかわからないの大部分は、お前が私に抱かれることを欲していない可能性とか、そういう話だ。雄の機能を完全に取り戻したら、抱くだけで満足するかもしれないだろう」
「ああ、そういう話。それはどうかな。指や舌で十分気持ち良くして貰ってるし、お前の繁殖期が相当先ってことも、薬使う負担も知ってるから言わないだけで、お前が俺をまた抱きたいと思ってくれて、それが可能なら、俺は喜んでお前に股開いてねだると思うよ」
「そうか」
「だから安心して、また俺を抱きたいって思って。まぁ、薬使ってまで俺を抱きたいなんて思わないほど、俺に抱かれるのがキモチくてたまらない、ってなってた場合は、さすがに俺もそれで満足かもだけどな」
 ひひっとイヤラシク笑ってやりながら、それも悪くないなと思う。
 時間はたっぷりありそうだし、体の機能は間違いなく少しずつ回復しているから、今後も彼のスリットを開発しながら、まずはいつかそこを、自分の精液で満たす日を楽しみに待とうと思った。

<終>

エンド付けたくて大遅刻すみません。長々とお付き合いありがとうございました。
ずっと竜人受けも書きたいと思ってたので凄く楽しかったです。

 
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