雷が怖いので プレイ1

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 初日と同じ時間にバイト先を訪れれば、やはり玄関先でいくら稼いで帰りたいかと尋ねられて、少し考えてから前回と同じく一万くらいと返した。
 前回三万もの給料を渡されているが、慣れてきたら報酬は下げていくと言っていたし、前回終わりには少しずつ今日以上のことを要求するとも言われている。ということは、自分から三万なんて言ったら、少しずつ様子見で要求を上げていくのではなく、前回以上のことを当たり前に要求してくるだろうことは想像がつく。
 あの程度で三万も貰えるならぜひ今回も、とはとても思えなかったし、既に三万貰っているのだからそこまでガッツイていく必要だってない。
「じゃあ、前回の復習でもしてもらうか」
「復習?」
「そ、俺にキスされて気持ち良く勃起して、自分で腰振ってイクか、俺に腰揺すられてイクかしたら一万円」
 それに単純な時給と、あとはお前の反応や受容次第で上乗せすると言われて、最後にどうするかと問われた。どうするなんて聞かれたって、この提案には自分で何かを選べるような要素がない。
「それで、いいです。というか、どうするって言われても、俺が選べるのイエスしかなくないですか」
「まぁそうだな」
「否定しないんだ」
「だってお前がNG出すようなこと言ってないだろ。ただ、お前が口に出して、それでいいって言うことは重要だからな」
 おいでと促されて防音室へ向かった。そしてまた同じ場所へと立たされる。
「服を脱ぐ気は?」
 いくら出すとは続かなかったけれど、いくらですかとも聞かなかった。だって脱ぐ気はないからだ。
「それは、ちょっと……」
「さっき言ったように今日はお前がイクまで終わらないけど、また下着の中に吐き出すの?」
「さすがに換えの下着は持ってきてます。というか、あなたの服に向かって撒き散らすほうが被害甚大って感じなんですけど」
「そこはほら、俺の服をこんなに汚して悪い子だねって方向のプレイもしたいだろ?」
「いやいやいや」
 ニヤッと笑った顔が近づいてきて、そんなプレイしたくないですの言葉は言わせてもらえなかった。
 軽い触れ合いを繰り返すのではなく、最初から、しっとりと覆われて唇をゆるく吸われる。それだけでゾワゾワとした何かが背中を這い上がっていく。
 だってもう知っている。体中の力が抜けていくような、気持ちのいいキスを。口の中を器用にクルクル舐めまわる舌が、上顎を擽るように触れた時の快感を。誘い出された舌を、強く吸われた時の痺れを。
「な、んで……」
 繰り返されるキスの合間、こぼれ落ちたのは不満。相手は当然わかっていて、クスリと小さく笑ったようだった。
「なんで、って、前回はちょっと急ぎ足だったから、今日はじっくり目に行こうと思って?」
 そういって触れた唇は、やっぱりまた深くなる前に離れてしまう。しかも、期待に薄く開いてしまっているこちらの唇を、舌先で意地悪くペロリと舐めてから。
「気持ちいいだろ。ただ触れるだけのキスでもさ。だってお前、すっごいうっとりした顔してる」
 可愛いねと言いながら、左右の目元にキスが落ちる。それだけでも小さなゾワゾワが肌を這う気配がした。
「唇が触れるだけで、軽く吸われるだけで、チロと舐められるだけで。うっとりするほど気持ち良くなっちゃって、でももっと気持ちよくなりたくて期待して、唇離すたびにちょっとガッカリしてるのが丸わかりなの、たまらないよ」
「いじわる、だ」
「そんなのもう知ってるだろ」
 クスクスと笑われて、相手の機嫌はすこぶるいいらしいというのがよく分かる。
「ど、すれば、いい、の」
「どうすればって、何が?」
「もっと、気持ちよくなりたい。焦らさないで、この前みたいに、口の中も舐めて、欲しい」
「ちゃんと自分から言えたな」
 いい子だと続いた声は、ひどく甘やかに響いた。クスクスと楽しげだった笑いは、柔らかな笑みに変わっている。
 胸の奥がざわざわする。なのに頭はぼんやりとして、ただただその顔に見惚れてしまう。
「自分から言えたご褒美に、お望みどおり、いっぱい口の中を舐めてあげような」
 甘やかな響きを持ったままの声に口を開けてと促されて、何も考えられないまま、その言葉に従い口を開いた。

続きました→

 
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