雷が怖いので プレイ14

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 壁に手をつき、背後から回された手に勃起ペニスを扱かれ、なんでこんなことにと思いながらもひたすら泣き喘ぐ。腕にも足にもとっくに力なんか入ってなくて、結局のところ床に座り込んでしまわないよう支えているのは胸に回された彼の腕だ。結構しっかり抱きとめられているから、背中には彼の胸がピタリと張り付いている。
 焦らされまくった後のオナニーは、確かに今までしてきたオナニーとは比較にならないくらい気持ち良かったけれど、焦らされるにしろイカされまくるにしろ、彼の手でして貰えるのだと思っていた。だってご褒美って言われていたから。
 それを非難するような気持ちは間違いなくあって、気持ち良くイケたなとご機嫌だった彼に、ご褒美って言ったのにと不満を漏らしてしまったのがいけなかったのかもしれない。キモチイイご褒美ありがとうございました、みたいな態度を取れていたら、もしかしたら今日のバイトはあの時点で終了だったかもしれない。
 実際どうだったかはわからないけど。
 だって、焦らされまくるのとイカされまくるの、どっちも選ばなかったから両方してあげる。なんてのがいつ彼の中で決定したのか知らない。どっちでもいいって言った瞬間に決めたことかもしれないし、それどころかあの選択肢を出されたときにはもう決まっていたことなのかもしれない。だとしたら、ご褒美ありがとうございましたって態度を取ったって、結局はこうなっていたはずだ。
 漏らした不満に、ご褒美がこれで終わりだなんて言ってないけどと告げた彼は、どうやって弄るとキモチイイか教えて貰ったから今度は俺の番だな、なんて楽しげに言って、熱を放って幾分萎えたペニスを握ってきた。しかも結構乱雑で強い刺激を連続で与えられたから、脱力しきっていた体を跳ねて咄嗟に逃げようとしたけれど、もちろん逃げ出せるわけもない。
 ペニスを扱かれながら、意地の悪い甘い声で両方してあげるを告げられて、それを理解するには少し時間がかかった。最初乱雑だった彼の手は、すぐに自分の手よりももっと巧みにペニスを弄り擦りあげてきたから、彼の手管であっさり再度昂ぶった体に頭の中をキモチイイで満たされてしまったからだ。どうしてもそちらに気を取られて、彼の言葉をすぐには飲み込めなかった。
 両方してあげるの意味を理解して震えた時、彼には少し呆れた様子で、だからお前は迂闊だって言われるんだと言われた。しかも、三万分何するかも聞かずに、聞いたら続けてって言えなくなっちゃうなどと可愛いことを言って、彼を煽ったのがいけないらしい。もちろん煽ったつもりなんてなかった。
 それでも、二度目の射精はそこまで執拗に焦らされることはなかった。一度目のオナニーでかなり疲れてはいたけれど、連続二回くらいなら気持ちが盛り上がったときには自分でもしてしまうし、まだこちらにも多少は余裕があったんだろう。あれは確かに、気持ちの良いご褒美を貰ったと言える気がする。
 けれど三度目となる今はまた、かなり焦らされている。さっき以上に気持ち良くイかせてあげるからもうちょっと頑張って、なんて悪魔みたいな囁きとともに焦らされ続けて、頭の中はとっくにイキたいばっかりだった。
 イキたいイキたいイキたいイカセテ。
 もう、自分で腰を振って快感を拾うような余力なんてないし、そもそもガッチリ抱えられていて腰を振らせては貰えないだろう。両手だって辛うじて壁に手を付けている状態で、彼の手を縫って自分で弄るなんて真似は絶対に無理だとわかっている。
 できることと言ったら、泣き喘ぎながらお願いイかせてと何度も懇願するくらいだった。でもそれすらもう、喘ぎ疲れて音にならない。
 気持ち良さそうに泣いちゃって可愛いねと、甘い声が耳の奥をとろかせる。オマケみたいに耳朶を食まれて耳の裏側を吸われると、しっかり立っていられないほどぐずぐずになっている体でも、ビクビクと痙攣するのを知った。
 涙は止まる様子もなく次々に流れ落ちているし、だらしなく開いた口からは、荒い呼吸と掠れて濁った汚い喘ぎと飲み込めない涎が、とめどなく溢れている。そんな顔を、本気の声音で可愛いと言ってくるのだから、本物の変態って凄いなとイキたいばっかりの頭の片隅で感心した。

続きました→

 
 
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