雷が怖いので プレイ16

* お漏らし描写有り
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 いくら見せてと言われたって、できるだけ給料に見合うだけの仕事をしたいと思っていたって、これは流されて晒していい行為じゃない。はずだ。
 排泄を晒させるプレイがあることは知ってる。こんなバイトを始めたせいで、自分に降りかかる可能性を考えて前よりもSMに関する知識と興味は増えたと言えるが、痛そうなのや汚そうなのはやっぱり無理って気しかしないし、SMというカテゴリを漁っても極力目に入るのを避けてしまう。
 だからだろうか。強制的に排泄させるのなんて、相手を辱めるのが目的というイメージが強いし、上手にお漏らしできました、なんて聞いたことも見たことも読んだこともない。褒めて貰える行為には到底思えないのに、でも彼の甘やかな声を聞いていると、そう言って褒めてくれそうな気がしてしまう。
「なぁ、わかってる? 我慢しなさいって言ってるのに、我慢できなくて漏らしたら、大学生にもなってみっともないねって話になるだろうけど、今、そういう状況じゃないからね?」
 俺が見せてって頼んでるんだよと、思考を乱す甘い声は止まらず続いていく。
「もちろん、みっともなくて惨めな姿を見たいって言ってるわけじゃない。さっき、オナニー見られて、一人でする時よりずっと気持ちよかったの思い出して。思い出しながら、我慢できずに部屋の中で漏らすとこ、俺に見せてごらん。うんと恥ずかしくてキモチイイおしっこ、経験させてあげるよ?」
「きもちぃ、おしっこ……」
「そう。ご褒美。泣くほど気持ちよくしてやりたいって言ったろ」
 気持ち良くなる前から泣きっぱなしだけどなと苦笑顔が寄せられて、まだ流れ続けている涙をチュッと吸い取っていった。
「だから、ね、見せてくれるよな?」
 促されるまま頷いてしまいそうだったのを、ギリギリのところでとどまる。ご褒美の一つなんて言われてしまったせいで、見られることそのものはもう受け入れていたのだけれど、やはりこの場所でそのまま漏らして見せるには羞恥も躊躇いも抵抗感も罪悪感も大きい。
「トイレで、なら……」
「トイレ連れてったら、するとこは見せてくれるの?」
 今度は迷うことなく首を縦に振った。嬉しそうなありがとうの声に、こちらも良かったなどと思ってしまい、ホッとしたのもつかの間。動きを止めていた手が動き出して体を小さく跳ねた。
「えっ? えっ……?」
「俺に見られる覚悟はできたんだろ?」
「でも、トイレで、って」
 うん、と頷かれながらも、ペニスの先端を爪の先が擽るように掻いてくる。その刺激につられて尿道口が開いてしまいそうで焦った。ゾワゾワして、今にも尿がせり上がってきて溢れだしそうで怖い。
 というか実際いやらしく開閉していて、先走りを零しているような気配があった。時折爪先ではなく指の腹が先端を撫でてくるのが、零した先走りを掬い取っているように思えてならない。
「やだぁ、やだぁああ」
 トイレに連れて行ってくれる気はないと悟って、必死に身を捩ろうとするが無駄だった。当たり前だ。もともと体格差があるし、こちらは三度もイカされ済みで抱き支えられて立っているような状態なのに、その腕の中から逃げ出せるわけがない。
「うそつき。うそ、つきっっ」
 我慢できずに相手を詰った。だってさっき、本心から本気で嫌がったらさせないって言ったのに。こんなに本気で嫌がっても、止めてくれる気配が欠片もない。
「トイレ連れてってやるとは言ってない」
「ち、がうっ。本当、ヤなこと、させないって、言った」
「ああ……本当の本気で、ここじゃお漏らししたくないって、言いたいの?」
 思いっきり頭を縦に何度も振った。
「おしっこするとこ見られる覚悟が出来てて、なのにここでは出来ない意味がわからないんだけど」
 不思議そうに聞かれることが不思議で仕方がない。
「ここは俺の家の俺の部屋で、俺がいいって言ってるどころか、この場所でしてってお願いまでしてるのに、何がそこまで本気で嫌なの?」
「だって、だって、トイレじゃ、ない、しっ」
「でもここ、プレイルームだぞ? そういうのも想定して作られてる特別な部屋だし、さっきも言ったけど、お前を惨めにさせるためにここで漏らさせようとしてるわけじゃない。漏らしたものをお前に見せつけて辱めるつもりもないし、後始末だってお前にさせたりしないよ。それに」
 ここで漏らせたらうんと褒めて可愛がってあげるという言葉が、脳の奥を痺れるみたいに蕩かせた。同時に、先端の割れ目にグリッと爪先が入り込む。体を支えるように胸の前に回されていたはずの手がいつの間にか下がっていて、腹部をグッと押し込んでくる。
「大丈夫だから、イッちゃいな」
 まるで射精を促すみたいな言葉で、けれど我慢しきれずに弾けさせたのは当然白濁液ではなく黄色い小水に他ならない。プシっと勢い良く漏れ出たそれは、彼の指先を汚しながら一部あちこち飛び散り、大半は床へと流れ落ちているようだった。
「ゃぁああああ゛あ゛っっ」
 漏れ出る尿の音を聞きたくなくて声を張り上げる。もうどうにもならない。出始めてしまった尿を途中で止めることなんて出来ない。
 ずっと叫び続けるわけにもいかず、声を途切れさせれば下方で水滴が跳ねるような音がして遣る瀬無かった。耳を塞ぎたくても壁につけた両手を剥がせず、逃げるように目をぎゅっと閉ざす。
 先端を抉って誘発した爪先は、慰撫するように尿道口の周りを撫で続けている。ゾワゾワとした気配が尿意を誘い続けると同時に、ペニスの先端から甘い痺れを送り込んでくるみたいだった。
「ん、上手。かなり我慢してたね。なかなか終わらない」
 終わらないのは彼の指のせいも大きいと思う。もちろん、そんなことを言える余裕はなかったけれど。

続きました→

 
 
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