正直に言ってご覧と、彼の声が頭の中に響いた。
「だっておしっこ、出ちゃう。それされたら、おしっこ我慢できなくなる、から、ダメ」
「そうだな。ホテルでお漏らしなんて、大変だよな」
じゃあ頑張って我慢しような、という言葉に血の気が引いていく。
「う、うそ、でしょ?」
「どう思う?」
肯定も否定もないまま、止まっていた指がまたクルリと先端を撫でた。
「あんっ」
刺激が止められて油断していたせいで、盛大にビクッと体を竦ませながら、次の衝撃に備えてギュッと固く目を閉じる。
どうしょう。どうしよう。と頭の中をどうしようがぐるぐると回った。我慢させるだけが目的ならいいけど、もしホテルで粗相させるのが目的だったらどうしよう。
「いい子。そのまま我慢して、我慢して、我慢できなくなったら教えるんだよ」
我慢できなくなる前に止めてくれる気があるのだと信じて、必死で何度も頷いた。
彼はもう一度いい子だと囁いて、今度は腕ではなく足首を掴んで持ち上げる。足だって執拗に舐められ吸われ甘噛されれば、同じようにゾワゾワが全身を駆け巡るのを知っている。期待だけでソワソワして、肌が粟立つ気配がした。
ペニスの先端だけを意地悪に弄られながら、じっくりと片足ずつ責められ焦らされ、意識がバラバラになりそうだ。
「ひっ、ひぅ、ぁ、ぁあっ、や、やっ、も、さきっぽだけ、やぁあ」
実際のところ、漏らしそうになるほどの刺激は殆ど与えられていない。そこを弄られているというのを忘れさせない程度に、次々溢れ出る先走りを確かめてでもいるように、合間合間にくるっと先端を撫でられていた。先端をくるくる動くのは人差し指だけで、他は支えるように柔く握っているだけなのがもどかしい。
「は、はやくっ、おちんちんギュってして、グチュグチュってしてよぉ」
完全に泣き言だった。彼の手にペニスをもっと強く擦り付けたくて、腰を振りそうになるのを、片足を抱えた彼によって静かに抑え込まれている。
「まだダーメ。うんと焦らして欲しいんだろ?」
「も、じゅーぶん、だからぁ」
「肝心なとこまだ全然舐めてないし、今おちんちんグチュグチュにしたら、お前すぐイッちゃうだろうが」
一回吐き出させてっていうのも、今日はダメだとさっき言われた。理由は知らないけど、今日はダメってはっきり言われたから、よほどのことがなければそれは覆らないだろう。
第四土曜なんだからって言えば簡単に覆る可能性はあるんだけど。でもそんなの絶対に言いたくない。行為中にそれを言って、彼を自分の思い通りに動かすような事をしてしまったら、彼に少しでも何かを返したいと思った自分自身の気持ちを裏切ってしまう。
舐められ焦らされ子供になりきる遊びがしたい。そうお願いしたのは自分自身だってことも、わかっていた。
「だって、だってぇ」
自分が望んだことだってわかってはいるけど、でも、既に充分焦らされてて辛い事実も、依然として存在している。
「おちんちん早くちゃんといじってってねだるお前は可愛いけど、もっともっとグズグズにして、もっともっとイヤラシいおねだり、させてみたいね」
「するっ、するから。も、できる、から」
藁にもすがる思いで、どんなおねだりをすればいいのと泣きついた。
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