移動した防音室で、まず確認されたのは、ちゃんと自宅でも綺麗に洗えているかだった。プラグを外されて、テロっと流れ出てしまうのは、排泄しきれずお腹の奥に残っていたお湯だろう。
「ひぅっっ」
流れ出る感触も、それが肌を伝う感触も、更には彼の指がそれを掬い取る感触も。全てが恥ずかしさを伴って、ゾワゾワと肌を粟立たせていく。頭を下げてお尻を彼に向かって突き出す格好をしているせいもあるだろうけれど、頭の中が今にも沸騰しそうだ。羞恥と快感と期待とが、グチャグチャに混ざってグラグラと揺れているようだった。
「綺麗だから大丈夫。このまま中も、確かめるよ」
「はい」
頷くと同時に、つぷりと入り込んだ指先が、そのままずるりと奥まで挿し込まれる。そうして中を探られる。
「ぁ、ぁあっ……ぁんんぅぅっっ」
ゾワゾワが酷くて、声が抑えられなかった。開始早々ではあるものの、すでにビックリするほど体が敏感になってしまっているらしい。普段と違うことなんて、自宅での洗浄とプラグを装着した状態で外を歩いてきた、ということくらいなのに。
「随分興奮してるな。想像以上の効果があって驚いてる。けど、でもまぁこれは、体調もあるかな」
いつも以上に中が熱くてトロトロになってると言いながら、容赦なくかき回されて、声も我慢できないし息も上がっていく。
「あ、あっ、ああっ」
「苦しいか?」
返事を待つ気なんて最初からなかったようで、あっアッと喘ぐだけしか出来なかったのに、埋められていた指が抜けていった。
「よし。家でもちゃんと綺麗に洗えてる。興奮しちゃってしんどそうだし、そこのベッドに横になってな」
体勢を保てなくて崩れてしまったらおしおきって言われるのはわかっていたし、感じすぎて膝なんてとっくにプルプル震えていたし、こんな時は泣いてもう無理と懇願するか、耐えきれなくなって崩れ落ちるまで弄り倒される可能性が高かったから、体勢を保ちなさいとおしおきをチラつかされることすらないまま、あっさり開放されたのは意外な気もする。ただ、意外だったけど、興奮しすぎてしんどいのは事実で、さっさと横になってていいと言われたのは正直ありがたかった。
ベットカバーのツルリとした感触が、火照った肌に気持ちが良い。なのに過敏になりすぎた肌は、それだけでゾワゾワとしたものが走って、ぷつぷつと肌が粟立ってしまう。吐き出す息もいやに熱くて、いくらなんでも興奮しすぎだと、思わず小さな笑いが溢れてしまった。
「どうした?」
少し離れた所で何かを準備している相手にも、その小さな笑い声は聞こえたらしい。ベッドに横になった後は、ずっと相手の背を追いかけるように見つめてせいで、ちらりとこちらを振り向いた相手と目があった。
「なんでも……あ、いや、ちょっと、なんか今日、興奮しすぎって思ったら、つい」
なんでもないですと誤魔化そうとして、でもすぐに思い直して正直に告げた。別に隠すようなことじゃないし、せっかくこっちを振り向いてくれたから、少しでも何か話していたかったのかもしれない。
「興奮してテンションまで上がってんの?」
「あー……そう、かも?」
「今の状態でそんだけ感じまくってたら、今日はどんだけ気持ちよくなれるんだろって、期待、してる?」
「えっ……えー……」
さすがに期待してますってはっきり返すのを躊躇って濁せば、相手はおかしそうに少し目を細めて、それからまた手元の方に顔を戻してしまった。ちょっと残念。と思ったのも束の間、すぐに準備を終えたらしい相手が、何かを手に戻ってくる。
最近はキャスター付きのスチール製棚に、その日使われるだろう玩具類や拘束具やタオル類や水分補給用のペットボトルなどが並べられていることが多いのだけど、戻ってきた彼がその棚に新たに置いたのは、小さな錠剤が入った小さな瓶と、見慣れないチューブ状の何かだった。
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